J・D・ヴァンスのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
アメリカの現職副大統領J•D•ヴァンス氏が2016年に発表した回想録。私が先週の火曜日にこの本を手に取ったきかっけは整理していた古い新聞の書評欄を観て本書の存在を知って興味を持ったからです。何がトランプ政権を再び誕生させたのか?アメリカ社会の繁栄から取り残された白人たちというはわれわれ日本人にとって見えにくい存在で、多様性を尊重するリベラリストの民主党政権下ではないがしろにされてきた存在です。幸いだったのは私が鈍感で本書の著者があの副大統領J•D•ヴァンスだと認識したのは一気に読み終えて久しぶりに読書後の充実した高揚感に浸っていた時です。最初から現職副大統領の著書ということで本書を手に取ったら
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Posted by ブクログ
表面的でないアメリカを知ることができて良かった。トランプ大統領の発言は、日本ではトンデモ発言、どうしたアメリカと報道されるが、アメリカでは支持する層があるわけで。一瞬の流行ではないその根深い理由を知ることができた。
また、著者が成功してからも、何かあると内面から湧き上がる怒りの感情や子供の頃のトラウマを乗り越えようとしつつも、曽祖母の代から続く血の濃さを改めて実感するところが、白人労働者層にとっても、単なるアメリカンドリームを体現した人以上の作品になっているのではないか。
この本がベストセラーになって著者が有名になり、そこにトランプが目を付けて、陣営に引き込むことでまた支持を増やし、、、 -
Posted by ブクログ
(2025.4.9追記)2024.12.26に、以下のコメントを書いたが、関税をめぐる中国の農民を蔑視するような発言や、トランプをヒトラー呼ばわりするなど、ちょっとどうかと思う発言が相次いでいる。
この本が歴史的書物になるかもと期待したが、アメリカ白人の全てではなく、実はごく一部の話であって、価値のない書かもしれないと不審に思うようになりました。
以下、2024.12.26のコメント
個人的に、今年読んだ本の中で、一番のオススメです。トランプの支持層である、白人労働者はどんな人達なんだろう?それを知ることによって、トランプが再当選した理由や、今のアメリカをより深く理解できるかと思って読みまし -
Posted by ブクログ
アメリカ、ラストベルトの白人労働者の文化を綴った本。民俗学と言ってもよいのかもしれない。
自分の人生なのに、自分ではどうにもならないと考え、なんでも他人のせいにしようとする。p15
「政府は生活保護をもらって何もしない連中に金を払ってる。やつらは、おれたちの社会をバカにしてる。働き者はみんな、あいつら毎日働いてるぜって笑いものにされてるんだ」p238
能力は関係ないと言いたいわけではない。もちろんあるにこしたことはない。ただ、自分を過小評価していたと気づくことと、努力不足と能力不足とを取りちがえていたと気づくこと。それにはとても大きな意味がある。p299
アメリカのヴァンス副大統領が、 -
Posted by ブクログ
2025年現在のアメリカ副大統領が2016年に発表した半生記。
アメリカのラストベルトに暮らす、貧しい白人労働者階級の生活を描いている。
この本がアメリカでベストセラーになったのは、幼少期における貧困層の生活と、大学以降、特にエリート層が大半を占めるイェール大学での生活を比較し、そこにいる人々の特徴や人生を描いたからだろう。
この本を読んで感じるのは、貧困層から抜け出す難しさやエリート層には一般的な家庭では得られない社会的な資本があるという事。
また、良くも悪くも人生における家族の存在の大きさである。筆者は祖父母に特別な感謝を示しており、本書を書く理由として二人の存在を世界に知って欲しか -
Posted by ブクログ
私が知ってるアメリカは自由で危険でいろいろ雑な国。アメリカ人はプレゼンや議論上手で立ち回りが得意だけど、地道な作業は苦手。
そんな自分が知っているアメリカとは全く違う世界を、今まで発信されてこなかった声なきアメリカ人の世界を、この本は示してくれた。
白人労働者階級、貧困層を体験して苦しんで来た著者だからこそ言える気持ちを、コミュニティやそこで住む人々に愛情を持つからこそ言える思いを、この本は示してくれた。
代々続く貧困と諦めの連鎖。離婚や家庭崩壊、ドラッグの連鎖。外を知らないからこそ、抜け出し方も分からない若者や子どもたち。虐待的な環境にいるから自分の感情コントロールも学べない子どもたち。
努 -
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Posted by ブクログ
自分の無知が恥ずかしくなるが、アメリカ国内で白人労働者という貧富の差があると知らなかった。
アメリカの人種差別の歴史は映画であまりにも有名だが、ヒルビリー(田舎者)やレッドネック(首すじが赤く日焼けした白人労働者)ホワイトトラッシュ(白いゴミ)という呼び名があることを知り、見識を広げるのに役立った。
トランプ大統領になぜ熱狂的な支持者がいるのか、UKスチールを日本製鐵か買収することをなぜ拒むのか、繁栄から取り残された人たちの愛国心に共感するメッセージを発しているためかと少し理解出来たように思う。
筆者は、白人労働者が成功しないのは、育った環境や無知、周りの人間の考えの影響が強いとはいえ、自 -
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Posted by ブクログ
アパラチア地方の田舎町ミドルタウン。隣に住むドラッグ中毒のシングルマザーが夜中に発狂したり、友達の父親が暴力沙汰で逮捕されるようなことが日常的に起こる町。
この本は未来に希望を見出すことのできない環境で育つと人はどんな思考回路になるのかを克明に伝えてくれる。そしてそんな環境から這い上がり、遂にはアメリカ副大統領にまでなってしまった男の自叙伝的小説である。
ミドルタウン程ではないにしろ、労働者階層の田舎町から都会に出てきた私としては共感する所がたくさんあった。
例えば"テストで良い点を取ることは女々しいことだと思っていた"とか、"〇〇大学は最初から受験しなかった。な