ルイス・フロイスのレビュー一覧

  • ヨーロッパ文化と日本文化

    Posted by ブクログ

    イエズス会宣教師のルイス・フロイスが書いた「日欧文化比較」を翻訳、岡田章雄氏が訳注したもの。

    戦国時代の話なので、比較された日本文化も現代日本人には馴染みのないものが多いですし、フロイスが勘違いしている部分もあるのですが、現代日本人が理解しやすいようにと加えられた岡田章雄氏の注釈が実に素晴らしく丁寧で、とても面白くて読み応えがあるのです。フロイスの書いたものより注釈の方が面白い。

    比較された範囲がとても広いにもかかわらず、それをカバーできる岡田章雄氏の博識ぶりには舌を巻くばかりですが、それでも氏は「まだ十分満足すべきものとはいえない」とするのですから、大した御仁だと感心してしまいました。

    0
    2025年02月16日
  • ヨーロッパ文化と日本文化

    Posted by ブクログ

    ルイス・フロイスの記録は、16世紀の日本社会に関する貴重な一次史料として高く評価されています。イエズス会宣教師の目を通して描かれた当時の日本は、ヨーロッパとはまったく異なる文化風景を見せています。

    本書の醍醐味は、ヨーロッパ人の視点から日本の生活習慣や宗教観、武器、芸能などが詳細に記録されている点にあります。フロイスは日本の習俗を単に記述するだけでなく、常にヨーロッパのそれと対比させながら分析を加えています。こうした異文化比較は、現代の私たちにも多くの示唆を与えてくれるでしょう。

    例えば、日本人の簡素な住居や着衣への言及からは、当時の日欧の生活水準の違いがうかがえます。また、日本の宗教観や

    0
    2024年04月04日
  • ヨーロッパ文化と日本文化

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    日本史の教科書に必ず載っているであろうルイス・フロイス。
    織田信長に気に入られたことから、長きにわたって日本文化の中枢を垣間見ることができ、記録を残した。
    大著「日本史」が有名だけど、この本はそんな難しいものではなくて、ヨーロッパと日本の違いを箇条書きのように短い文章で書き連ねたもの。
    これがすこぶる面白い。
    天正という、江戸時代より前の戦国時代、日本人はこうだったと逆に知る部分も多く、大変ためになりました。

    “彼らの習慣はわれわれの習慣ときわめてかけはなれ、異様で、縁遠いもので、このような文化の開けた、創造力の旺盛な、天賦の知性を備える人々の間に、こんな極端な対照があるとは信じられないくら

    0
    2016年10月11日
  • ヨーロッパ文化と日本文化

    Posted by ブクログ

    イエズス会宣教師ルイス・フロイスは、35年間日本での布教に努め、長崎で生涯を終えた。その間、当時の日本の社会を細かく観察し、ヨーロッパ文化と比較・対照して記録した。筆は、衣食住、宗教生活、武器から演劇、歌謡等々多方面に及ぶ。

    面白い。日本を知るためには、私達が何者かを知るためには、外から見るのも重要だと感じた。

    0
    2009年12月07日
  • ヨーロッパ文化と日本文化

    Posted by ブクログ

    秀吉のキリスト教に対する態度が少しばかり窺える。この辺は高校の日本史にはもちろん書いてない。それと、当然のことながら仏教に対するというか当時の坊さんに対する過剰?な批判もあり。個人的に印象に残っているのが、武士の子ども(年少者)に対しての感想で、その立ち居振る舞いにいたく感動している様が新鮮。

    0
    2009年10月04日
  • ヨーロッパ文化と日本文化

    Posted by ブクログ

    宗教の伝播には「見下し」の要素も必要なのかなと思った。
    この本を読んで、高1の頃に授業で宗教はどのようにして広がるのか(国を跨いで広範囲に宗教が広がるためにはどのような要素が必要か)という議論をしたことを思い出した。
    宣教師は宗教のセールスマンみたいなものだ。相手に自分の価値観を教える、おしつけるという行為の過程では、そもそもその相手の信仰や価値観を過小評価するのも無理はない気がする。この本では全体的に日本人を馬鹿にしていることが文章の端々から読み取れて、特に仏教に関しては批判がものすごかった。
    だから、話を戻すが、宗教が広がるには権力が必要なのはいうまでもなく、宗教を広める動機は「相手を喜ば

    0
    2024年07月23日
  • ヨーロッパ文化と日本文化

    Posted by ブクログ

    非常に貴重な資料です。
    リアリティのある内容で表現も生々しく、安土桃山時代にタイムスリップしたような感覚になります。

    0
    2024年02月06日
  • ヨーロッパ文化と日本文化

    Posted by ブクログ

    ヨーロッパでは娘や処女を閉じ込めておくことは極めて大事であり、厳格に行われる。日本では、娘たちは両親にことわりもしないで1日でも幾日でも、ひとりで好きな所へ出かける▼ヨーロッパでは、生れる児を堕胎することは滅多にない。日本では極めて普通で、20回も堕した女性があるほどである▼われわれの間では女性が文字を書くことはあまり普及していない。日本の高貴の女性は、それを知らなければ価値が下がると考えている▼ヨーロッパでは女性が葡萄酒を飲むことは礼を失するものであると考えられている。日本ではそれはごく普通で祭の時にはしばしば酔っ払うまで飲む▼ヨーロッパでは妻は夫の許可が無くては家から外へ出ない。日本の女性

    0
    2025年04月28日
  • 回想の織田信長 フロイス「日本史」より

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    戦国時代の1563年にイエズス会宣教師として来日したルイス・フロイスが書き綴ったイエズス会への報告書の中から特に織田信長についての記述をまとめた一冊。
    織田信長がどういった人であったかが分かるのみならず、当時の日本の状況がよく分かる。

    0
    2023年04月19日
  • ヨーロッパ文化と日本文化

    Posted by ブクログ

    フロイスによる日本観察記。現代の日本にも共通しているものもあり、ないものもあり。一つ一つに解説がついているのが有り難い。

    0
    2020年08月15日
  • 回想の織田信長 フロイス「日本史」より

    Posted by ブクログ

    膨大なフロイス『日本史』のうち、信長関係の記述を抜粋したもの。信長の非凡さと苛烈さは宣教師にも印象的だったようだ。安土城の壮麗さや清潔さについても、結構記述されていた。あと、当然のことながら、高山右近の記述はとても好意的。

    0
    2020年05月17日
  • ヨーロッパ文化と日本文化

    Posted by ブクログ

    ヨーロッパ文化と日本文化 ルイス・フロイス 岩波文庫

    スペインから派遣されたイエズス会の宣教師は
    35年に渡り日本で暮らし長崎で他界した
    その間日本を旅して
    ヨーロッパとの暮らしの違いを仔細に観察し
    様々な立場における振る舞いを記録し
    イエズス会に送るスパイ役でもあったのだろう
    武器から雑器にいたる工芸について
    あるいは能などの演劇から
    祭りや詩歌などの文化について
    箇条書きで事細かく書き記しているが
    部分的すぎて全体感を書いた部分も多い
    しかし
    多くの注釈付きで
    私達の及ばない別の世界を見せてもくれる
    貴重な記録である

    あまりにも字が小さすぎて読みにくいので
    ワイド版をおすすめする

    0
    2019年06月05日
  • ヨーロッパ文化と日本文化

    Posted by ブクログ

    江戸時代、日本にキリスト教伝来のため来ていた宣教師の書いたもの。
    当時の日本におけるヨーロッパとの差異を記してある。岩波文庫版、ここが変だよ日本人。
    日本人にとっては、知らなかった日本像と当時のヨーロッパ文化も勉強できるという、なかなか興味深い本であった。
    トイレについての記述もあった(というか、トイレの本読んでて本書を知った)ので、下に紹介する。

    第11章
    19 我々の便所は家の後の、人目のつかない所にある。彼らのは、家の前にあって、すべての人に解放されている。
    20 われわれは坐り、彼らはしゃがむ。
    21 われわれは糞尿を取り去る人に金を払う。日本ではそれを買い、米と金を支払う。
    22

    0
    2013年06月17日
  • ヨーロッパ文化と日本文化

    Posted by ブクログ

    安土桃山時代に来日したイエズス会ポルトガル人宣教師ルイス・フロイスによるヨーロッパと日本の文化比較を記した小冊子の解説書。底本はルイス・フロイスが来日23年目で九州・加津佐で記した『日欧文化比較』で、本書では訳者がわかりやすいように行ごとに解釈を付け、挿図している。
    構成としては、日欧の比較を習俗・文化・宗教・道具などの分類として章立てし、項目毎に「われわれは(ヨーロッパでは)○○○。彼らは(日本では)×××。」といった簡略な比較文になっている。
    それぞれの比較はとても面白く現代でもわかるものもあり、とても興味深い。その一方で解釈を読むと日本側の記載は貶める方の誇張も多い気がする。フロイスの趣

    0
    2012年05月05日
  • ヨーロッパ文化と日本文化

    Posted by ブクログ

    安土桃山時代にわが国で布教を行ったポルトガル人宣教師ルイス・フロイスの『日欧文化比較』の改題。

    雑学をたくわえるには資する。比較文化という観点からも,無論おもしろい。

    0
    2012年03月15日
  • ヨーロッパ文化と日本文化

    Posted by ブクログ

    更に現代の日本文化と比べると面白い。
    ヨーロッパ文化を取り入れてきた部分がたくさんありますね。
    偽りの笑いか…。

    0
    2011年10月30日
  • ヨーロッパ文化と日本文化

    Posted by ブクログ

    ●構成
    第一章 男性の風貌と衣服に関すること
    第二章 女性とその風貌、風習について
    第三章 児童およびその風俗について
    第四章 坊主ならびにその風習に関すること
    第五章 寺院、聖像およびその宗教の信仰に関すること
    第六章 日本人の食事と飲酒のしかた
    第七章 日本人の攻撃用および防禦用武器について 付戦争
    第八章 馬に関すること
    第九章 病気、医者および薬について
    第十章 日本人の書法、その書物、紙、インクおよび手紙について
    第十一章 家屋、建築、庭園および果実について
    第十二章 船とその慣習、道具について
    第十三章 日本の劇、喜劇、舞踊、歌および楽器について
    第十四章 前記の章でよくまとめられ

    0
    2019年01月16日
  • ヨーロッパ文化と日本文化

    Posted by ブクログ

    中世…だから安土桃山とかあの頃か。日本へやってきた宣教師がつづった日本とヨーロッパ文化の対比。
    一問一答の箇条書き形式なので大変読みやすかったです。
    でも注釈によると面白く書くため…もとい、違いを際立たせるために、わざと極端な例をあげている部分もわりとあるみたい。可愛いなルイス。

    なぜか私はこの本のことを幕末に書かれたものだと思い込んでて、そうじゃないとわかってからも読みながらうっかり首をひねることがありました。(あ、そーかそーか幕末じゃないんだっけ)
    どうしてそんな勘違いをしてしまうんだろう?

    0
    2010年05月26日
  • ヨーロッパ文化と日本文化

    Posted by ブクログ

    16世紀の日本とヨーロッパの文化的相違を記述している。比較形式で簡潔に書かれているので気軽に楽しむことができた。

    0
    2009年10月04日
  • ヨーロッパ文化と日本文化

    Posted by ブクログ

    ルイス・フロイスら日本を訪れた宣教師たちが、いろいろ記録を残していて、それが当時を伝える貴重な資料となっていることは知っていたが、こういう形で割合簡単に読めると知り読んでみた。
    何も先入観がない中で、こんなふうに見ているんだなという素朴さが面白い。

    0
    2025年10月13日