保険が適用される治療法「標準治療」こそ最高の治療法。
教育レベルと収入が高い人ほど怪しいガン治療法に騙されているというアメリカの研究。日本人も同様の傾向。
津川友介…医療データ分析の専門家。カリフォルニア大学の医学部で助教授。
勝俣範之…がん治療に特化した腫瘍内科医という専門医。腫瘍内科と
...続きを読むはガンの総合内科のようなもので、抗がん剤や検査相談、治療方針の決定など、最初から最後までサポート。国立がん研究センターに20年在籍後、日本医科大学で腫瘍内科を立ち上げ。
大須賀覚…新薬開発の専門家。アラバマ大学助教授。日本にいた頃は脳神経外科医。
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第1章 最高のがん治療の決められ方
嘘の体験談で大金を稼ぐ業者たち
数人に効果があるように見えてもほとんど期待できない
がん治療薬を選抜する4つのプロセス
基礎研究…マウスや細胞実験は全てコレ
臨床試験フェーズ1…まずは安全性のチェック
臨床試験フェーズ2…少人数で効果を確かめる
臨床試験フェーズ3…標準治療と比較
標準治療を受けていないガン患者は死亡リスクが高い
第2章 最高のがん治療では何をするのか
3つの標準治療…手術、放射線治療、抗がん剤治療
抗がん剤の3つの副作用
吐き気…80%はなくせる
脱毛…冷やせば抑えられる
白血球減少…免疫力が落ちてしまう
日本は腫瘍内科医が少なく外科医が抗がん治療している
日本での治療薬の承認の遅れはわずか0.4年
緩和ケアは第4の治療法
標準治療はがん診療連携拠点病院で受けられる
第3章 食事やサプリで癌は治るのか
食事やサプリは治療の主役ではなく脇役。
加工肉や4本足の肉、生成された炭水化物、脂肪分を多く含む西洋風の食事は死亡率が46%高かった
コーヒー、繊維、ナッツは大腸がん患者の生存率アップ
よく見る4つのサプリ
ブロメライン…がんの治療効果が認められない
エージアック…科学的根拠なし
レートリル…生産中毒を起こす危険性あり
サメや牛の軟骨…科学的根拠なし
第4章 どうしてガンができるのか
偶然発生するガンが意外と多い
ガンは過去の生活習慣のせい、は言い過ぎ
自責の念、心の呵責につけ込むトンデモ医療もある
第5章 トンデモ医療はどうやって見分けるのか
本に書いてあるから正しい、と信じるのは危険
科学的根拠に基づいた8つの情報源
トンデモ医療を見分ける6つのポイント
自由診療、どのガンにも効く、免疫力アップ、
個人体験談、マウスや細胞実験レベルのデータ、
予防効果があっても治療にも効くわけではない
第6章 どうやってガンを見つけるのか
受けるべきガン検診は推奨グレードAかBの下記5つ
グレードC以下は死亡率減少と不利益が同程度
胃がん…X線検査、内視鏡検査
大腸がん…便潜血検査
肺がん…非危険群に胸部X線、危険郡は+喀痰細胞診
子宮頸がん…細胞診(従来方、液状検体法)
乳がん…マンモグラフィー単独、マンモ+視触診
急速進行するガンは定期検診では間に合わない可能性
しかし急速ガンには抗がん剤がよく効く
進行しないガンもある、過剰診断になることも
同じ種類のガンでも進行速度が異なる場合がある
現在、がんの進行速度は診断時には見分けがつかない
民間検診 腫瘍マーカー検診…感度が低すぎる
民間検診 PSA検診…死亡率を減らさない
民間検診 PET検査…見逃しが多い
第7章 ガンを防ぐために普段の生活で何が出来るか
加工肉や4本足の肉の摂取が増えると大腸がんリスク増
塩分摂取量が1日10グラム以上は胃がんリスクが2倍
糖質制限にがんを減らす科学的根拠は無い
肥満はがんになるリスクを確実に上げる
長期喫煙者でも喫煙したらリスクは下がる
アルコールはがんになるリスクを上げる可能性がある
運動は大腸がんと乳がんのリスクを下げる
ストレスがガンの原因となる科学的根拠は現在無い