グレアム ムーアのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレテスラとエジソンが、電流の交流vs直流で戦ったことは知っていましたが、そこにウェスティングハウスやJ.P.モルガンも絡んでいたという事までは、勉強不足のため知りませんでした。
本書は、歴史的な事実を下にしながらも、適切に改変され、丁度良い物語小説に作り上げられています。
作者は、元々映画の脚本家であるので、確かに映画やテレビドラマのような、ギリギリのピンチまで追い込まれながらも、大逆転してしまうという物語になっていますが、実はそれって、本当にあったりしているんですよね。
意外だったのが、主人公の弁護士と、それに関連する女性の話。この人物たちについては、完全に作者の創作上のものと思っていた -
Posted by ブクログ
トーマス・エジソンとニコラ・テスラ(ウェスティングハウス)の直流交流戦争に立ち会った弁護士が主役の話。
章の巻頭に格言が採用されているけど、私はエジソンのものが好きだ。
おそらくエジソンは大衆受けも含め、処世術に物凄く長けている。発明体制の発明が凄い。
対立するニコラ・テスラは凄く変わり者で孤独を愛する。幻視能力でもあるような、天才的な発明能力があるが、純粋過ぎてアグネスの庇護欲をかき立てたような、不思議な魅力を放っているな、と事故直前の研究室のシーンで思った。
ウェスティングハウスやモルガンなど実業家、投資家も出てくる。彼らと同時代に立ち会ったらどうだろうな、と想像出来るし、知能戦もおもしろ -
Posted by ブクログ
電球と直流交流にまつわるエジソン、ウェスティングハウス、テスラと弁護士ポールの訴訟の話。作者後書見たけど出来事的には大体事実というのには驚いた。「若い弁護士が敗北濃厚の裁判を勝ち切る。」って漫画やん…と思った。流石に出来すぎ。エジソンのイメージすごい発明家やったけど、発明もさながら発明の工場を作ったのが功績なんやな。最後の方で3人の発明家がそれぞれ何を求めたかってのが端的に書いてあったけど、同じ発明家でも全く求めてるものが違うのが面白いよね。じゃあベルはどうやったんやろうな。作品的には発明家アベンジャーズって感じで、どう解決するかも最後までわからんかったからハラハラしながら読めた。
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ネタバレ 購入済み
「今の」発明家を描く歴史小説
発明家には3種類ある。
アイデアを考え理論を作り出す者、理論を商品にして売る者、新しい商品を社会に不可欠な産業システムに変える者。
それぞれテスラ、ウェステイングハウス、エジソンを指していて、今作ではこの3人の対立構造が主題となる。
一般的な発明家のイメージである知的好奇心のままに研究し続けるのはこの中でテスラだけだ。しかも彼はこの3人の中で一番蚊帳の外。
なぜなら彼のような好奇心だけで、悪く言えば暇つぶしに研究をしても儲かることはない。新しい理論を商品に変えなければ資本主義は儲からないし、もっと儲けるためにはその商売が不可欠になるぐらいにシステム化する必要がある。
章の合間 -
Posted by ブクログ
ニコラ・テスラが、頬ひっぱたいて「シャキッとしろ!」と言いたくなるような人物なのは良かった(結構イライラさせられた)
ただ主人公にも同様にイライラ、他の本ではみられない悪ーいエジソンに苦戦を強いられダラダラしてる感じがした。
エジソンとウェスティングハウスの電流戦争が題材
実在の人物や社名。モノが効果的に出てくるのが面白い。
合間に古今東西発明にまつわる人(だけでもないが)の言葉が引用されてサクサクと小刻みに読める。
だけど期待したより淡々と進むので火花が出る激しい闘いではなかったが、むしろヒロインとくっつかずも想いが交差した空気感のほうがバチバチとした磁場が発生してるかの様だった。
余 -
Posted by ブクログ
★3.5
純粋な小説というより、ドラマを小説化したノベライズ本を読んている様な気がするのは、作者が、元々脚本家であるという事と無関係ではないかもしれません。でも、中身は面白くないという事では無く、1900年代と2010年代の話がリズミカルに繰り返されるので、むしろスムーズに読めたかもしれません。
話としては、事実も取りまぜながら書き上げられたフィクション。シャーロキアンなら一目瞭然(一読瞭然)なのかもしれませんが、若かりし頃、シャーロック・ホームズを多数読んではいるものの、シャーロキアンという訳では無いので、描かれている背景とか、意味合いをつかむのがちょっと難しかったかも。でも、ホームズ作