グレアム ムーアのレビュー一覧

  • 訴訟王エジソンの標的

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    ネタバレ

    テスラとエジソンが、電流の交流vs直流で戦ったことは知っていましたが、そこにウェスティングハウスやJ.P.モルガンも絡んでいたという事までは、勉強不足のため知りませんでした。

    本書は、歴史的な事実を下にしながらも、適切に改変され、丁度良い物語小説に作り上げられています。

    作者は、元々映画の脚本家であるので、確かに映画やテレビドラマのような、ギリギリのピンチまで追い込まれながらも、大逆転してしまうという物語になっていますが、実はそれって、本当にあったりしているんですよね。

    意外だったのが、主人公の弁護士と、それに関連する女性の話。この人物たちについては、完全に作者の創作上のものと思っていた

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    2025年10月27日
  • 訴訟王エジソンの標的

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    トーマス・エジソンとニコラ・テスラ(ウェスティングハウス)の直流交流戦争に立ち会った弁護士が主役の話。
    章の巻頭に格言が採用されているけど、私はエジソンのものが好きだ。
    おそらくエジソンは大衆受けも含め、処世術に物凄く長けている。発明体制の発明が凄い。
    対立するニコラ・テスラは凄く変わり者で孤独を愛する。幻視能力でもあるような、天才的な発明能力があるが、純粋過ぎてアグネスの庇護欲をかき立てたような、不思議な魅力を放っているな、と事故直前の研究室のシーンで思った。
    ウェスティングハウスやモルガンなど実業家、投資家も出てくる。彼らと同時代に立ち会ったらどうだろうな、と想像出来るし、知能戦もおもしろ

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    2020年03月03日
  • 訴訟王エジソンの標的

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    ネタバレ

    面白かった。
    実在の人物が電球の訴訟に絡んで錯綜する。かのエジソンが敵役。主人公の弁護士ポールは敗戦続き。奇人二コラ・テスラは予測不能。控えめな登場をしたアグネス・ハンティントンの行動は胸がすく。
    類似の小説が思い当たらない。

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    2019年09月19日
  • 訴訟王エジソンの標的

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    電気の黎明期を演出した3人、エジソンは発明を、ウェスティングハウスは実用的システムを、ニコラ・テスラは必要な科学と応用を橋渡しする。もうひとり、社会に受け入れられる「事業」が生まれるにあたって、弁護士がいた、、という実在の人物に魂を吹き込んだノベル。
    海外のノベルで、一読、一生忘れられなくなった作品はいくつかある。『シャドー81』、『A−10奪還チーム』、『百万ドルをとり返せ!』、『レッド・オクトーバーを追え』や、SFならば『星を継ぐもの』、『竜の卵』、『楽園の泉』など。この作品は、僕にとってはこれらの超名作に匹敵する。

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    2019年08月27日
  • 訴訟王エジソンの標的

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    起承転結バッチリのハリウッド映画的エンタメ小説。理系向けテクノロジー話は無し。文系向け法廷闘争とビジネスうんちく無し。バカ向けジェットコースター!
    VHS、MP3、cdmaOneなど規格戦争はどれも面白エピソードがたくさんあるが、直流交流戦争も面白い。

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    2024年08月09日
  • 評決の代償

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    10年前に起きた大富豪の一人娘の誘拐殺人事件。その裁判の陪審員だった11人の男女が、ドキュメント番組収録のため、裁判のあいだ宿泊していたホテルに集められた。だが収録の前日、新たな証拠を見つけたと主張する陪審員の黒人男性が部屋で死体で発見される!

    間違いなくリーガル・ミステリだが、予想以上に変化球であった。
    ネットフリックスでドラマ化したらしい。どんな仕上がりになるのだろうか。

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    2024年03月24日
  • 訴訟王エジソンの標的

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    電球と直流交流にまつわるエジソン、ウェスティングハウス、テスラと弁護士ポールの訴訟の話。作者後書見たけど出来事的には大体事実というのには驚いた。「若い弁護士が敗北濃厚の裁判を勝ち切る。」って漫画やん…と思った。流石に出来すぎ。エジソンのイメージすごい発明家やったけど、発明もさながら発明の工場を作ったのが功績なんやな。最後の方で3人の発明家がそれぞれ何を求めたかってのが端的に書いてあったけど、同じ発明家でも全く求めてるものが違うのが面白いよね。じゃあベルはどうやったんやろうな。作品的には発明家アベンジャーズって感じで、どう解決するかも最後までわからんかったからハラハラしながら読めた。

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    2023年04月14日
  • 訴訟王エジソンの標的

    ネタバレ 購入済み

    「今の」発明家を描く歴史小説

    発明家には3種類ある。
    アイデアを考え理論を作り出す者、理論を商品にして売る者、新しい商品を社会に不可欠な産業システムに変える者。
    それぞれテスラ、ウェステイングハウス、エジソンを指していて、今作ではこの3人の対立構造が主題となる。

    一般的な発明家のイメージである知的好奇心のままに研究し続けるのはこの中でテスラだけだ。しかも彼はこの3人の中で一番蚊帳の外。
    なぜなら彼のような好奇心だけで、悪く言えば暇つぶしに研究をしても儲かることはない。新しい理論を商品に変えなければ資本主義は儲からないし、もっと儲けるためにはその商売が不可欠になるぐらいにシステム化する必要がある。

    章の合間

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    2020年06月12日
  • シャーロック・ホームズ殺人事件 上

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    アーサー・コナン・ドイルの追いかける事件とアーサー・コナン・ドイルの日記をめぐる事件が交互に描かれる。まだ交錯点はないが、本館のラスト近くで接点らしきものが見える。それぞれの事件に関係はあるのか?

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    2020年01月30日
  • 訴訟王エジソンの標的

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    ひょんなことからウェスティングハウスの顧問弁護士になった若手ポール。エジソンのエジソン・ジェネラル・エレクトリックから300件以上訴えられている。どうすれば、エジソンに勝てるか?発明界の巨人に挑む姿を描くドキュメント風小説。

    かなり事実に基づいているらしく、こんなことがあったのか驚きながら読んだ。(一応、エジソン=悪辣なヒール、ポールとウェスティングハウス=善人的に読み取った)

    人物造形やストーリーが素晴らしいのだけれど、長い。レストランで何を食べたかなど瑣末な描写はもう少し控えて、三分の二ぐらいに抑えてくれればさらに良かった。

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    2019年07月11日
  • 訴訟王エジソンの標的

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    ニコラ・テスラが、頬ひっぱたいて「シャキッとしろ!」と言いたくなるような人物なのは良かった(結構イライラさせられた)
    ただ主人公にも同様にイライラ、他の本ではみられない悪ーいエジソンに苦戦を強いられダラダラしてる感じがした。
    エジソンとウェスティングハウスの電流戦争が題材

    実在の人物や社名。モノが効果的に出てくるのが面白い。
    合間に古今東西発明にまつわる人(だけでもないが)の言葉が引用されてサクサクと小刻みに読める。
    だけど期待したより淡々と進むので火花が出る激しい闘いではなかったが、むしろヒロインとくっつかずも想いが交差した空気感のほうがバチバチとした磁場が発生してるかの様だった。

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    2019年06月26日
  • 訴訟王エジソンの標的

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    エジソンとウェスチングハウスの特許戦争をもとに作られたフィクション。エジソンが崇められているが、事業家としては非常に冷徹な対応をすることを理解。

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    2025年12月01日
  • シャーロック・ホームズ殺人事件 下

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    ★3.5

    純粋な小説というより、ドラマを小説化したノベライズ本を読んている様な気がするのは、作者が、元々脚本家であるという事と無関係ではないかもしれません。でも、中身は面白くないという事では無く、1900年代と2010年代の話がリズミカルに繰り返されるので、むしろスムーズに読めたかもしれません。

    話としては、事実も取りまぜながら書き上げられたフィクション。シャーロキアンなら一目瞭然(一読瞭然)なのかもしれませんが、若かりし頃、シャーロック・ホームズを多数読んではいるものの、シャーロキアンという訳では無いので、描かれている背景とか、意味合いをつかむのがちょっと難しかったかも。でも、ホームズ作

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    2025年10月12日
  • シャーロック・ホームズ殺人事件 上

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    ネタバレ

    ★3.5

    作品中で描かれているのは、現代のシャーロキアンと、ホームズ作品を創作していたコナン・ドイルその人。コナン・ドイル以外の者の手によるシャーロック・ホームズ作品の事をパスティーシュと言ったりしますが、これは、パスティーシュなんですかね?どうなんだろ?

    作者は、映画やテレビの脚本家なので、描き方は映像的な感じもします。現代と、過去(コナン・ドイル時代)が行ったり来たりしますが、読みにくいという事は無く、意外にスムーズに読み進めました。

    上巻は、まぁ、どの作品でもそうですが、ほんの序章。下巻で謎が明かされます。

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    2025年10月05日
  • 訴訟王エジソンの標的

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    2022-12-15
    ほぼ一気読み。読み終わってから、映画『エジソンズゲーム』原作だと気づく。それくらい手に汗握って面白い。やっぱりテスラだよねえ

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    2022年12月15日
  • 評決の代償

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    ネタバレ

    裁判というか、弁護というか、そういう時には、このように論理を構築するのかということはよく理解できた。
     ただ、ミステリーとしてどうかと言われると、口を噤みたくなるのは仕方がないことか。解決篇以外は、非常に読んでいて楽しいのだが。

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    2022年09月18日
  • 評決の代償

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    ネタバレ

    SL 2021.11.14-2021.11.19

    ラスト数ページで真相が暴かれるのは構成的にあまり納得いかないけど、ミステリとしては面白かった。
    司法で決着がついたことに、無関係な人たちのせいで人生が狂ってしまうことにどうしようもない理不尽さを感じる。12人の陪審員たちは何も悪いことも違法なこともしてないのに。
    それが現実なんだけど。今の日本でも似たようなことは起きているんだろうな。

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    2021年11月19日
  • 評決の代償

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    映画の脚本の様な作品。主人公マヤと他の陪審員、被害者の父親もキャストを当てはめて読んだ。マヤの地道な捜査の割には犯人や犯行の動機があっけなかった。

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    2021年09月17日
  • シャーロック・ホームズ殺人事件 上

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    世紀末ロンドン、コナン・ドイルが連続殺人事件に挑む!もう一方では、現代のシャーロキアンがドイルの失われた日記を巡る殺人事件を追う!といった二つの時代の話が交互に流れる。ドイルのパートナーとして、ちょいちょいブラム・ストーカーが出てくるのが個人的にはお気に入りなのだが、ブラムはそれほど活躍しないのが物足りなくも感じる。この二つの時代の事件が下巻で結びつくのだろうが、鈍い私はまだまだ謎解き犯人探しが出来ておらず(苦笑)。下巻へ進みます!

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    2017年05月18日
  • シャーロック・ホームズ殺人事件 下

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    ブラム・ストーカーがワトソン役としてドイルの相棒をつとめるのだが、これが中々良い。交互に構成された現代と過去の物語。変わりゆくロンドンの時代背景と共に物語が進む、過去の物語の方にはとても夢中になりました。しかし本作現代版のように、実際2004年にドイルの失われた執筆物が発見され、その発見者であるシャーロキアンが謎の死をとげるということが現実にも起こっていたことを著者後書で知り、とても興味をそそられました。そして、北原氏の解説にある盛り沢山の未読の小説たち…順繰りに読まねばです!

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    2017年05月18日