野村直之のレビュー一覧
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よくあるAI本と違い、本質をとらえ正しく表現している良書。とくに「ソフトウェア開発者を建築家、デザイナー、アーティストと見なしてきた欧米、中国と比べると、日本の大企業では…ソフトウェア開発者を工場の組立工のように見なす」は完全に同意(ソフトウェア開発をエンジニアリングと表現すること自体違和感というか、嫌悪感すら感じる)。
最後の方、特に人材教育のあたりがややもすると安っぽいその他の一般論と被ってるように感じられたのが、唯一残念。
やはりこのくらいのボリューム感がないとこの手の話は掘り下げられない、ということか。とはいえ、この分厚さはぱっと見ウッ、となる。今回は著者がJ社時代の先輩?同僚?だった -
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本書が目的とするところは、AI技術の現状を正しく伝えて、「シンギュラリティ」といったような煽り言葉によって持たれるかもしれないAIに対する歪んだイメージを正したいということにある。
著者は次のように書く。
「著者が本書を執筆した大きな動機は、今回のAIブームがバブルとなり、弾けて、前回と同様、産業応用が頓挫することを怖れた点にあります。現時点のAIが人間と同じだとか、人間的な能力、人間的なやり方(本物の意思や責任感が生み出した新発想など)で問題解決する能力で人間を超えたとか、人間が学び得るあらゆることをすでに学べるようになったので、30年以内に全人類の知能を超える、などと喧伝するのも危険とい -
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AI普及に対する過剰な期待や危機感をあおることはなく、研究者としての目線で今までとこれからをわかりやすく説明。
今回は第3次AIブームであること、人類値を超える転換点は2045年までにはこないことと明記。
AIの3軸分類 強弱 専用汎用 知識データの量で分類し、ヒトの能力の補佐とヒト脳つくりから超知能までのレベルへと方向性をわかりやすく図示
AIの得意な分野、新サービスの開発、暗黙知での動きをディープラーニング活用など具体例で示している
ラブロックのサービス分類
IBMワトソン
LED電球Hue
JR東日本の空いている車両案内
パナソニック ホスピー -
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ネタバレコンシューマー分野の最先端ITやAIの動向を自らエンドユーザーとしてつまみ食いして体感する
目標精度設定、新しい業務フロー設計に貢献
例外的事態が発生しても対応できるよう自らを鍛え、チームとして対応
マネジメント能力(切り盛りする能力)高度な判断、発想と検証、交渉と合意形成、おもてなし
知識は陳腐化
業務全面がAIにはならない。間違ってる。
ダブルチェックが1人になる、それだけで人件費半分。
人とは別の判断軸に。あぶり出しに使う。
深層学習をするAIの特徴は普遍性。AIの成果物は異なる学習データを使うことで新たなサービスや事業に流用できる。経営者は単一事業として過大でも投資する価値がある -
現場のビジネスマンと技術者に!
タイトルで想像するような活用事例集というのではなく、(目次を見るとわかるような)AI導入現場の具体的な情報、ノウハウが書かれています。AI本というとまだ技術書や哲学・SF的なものが多いですが、これは具体的。また5章6章にはビジネス上考えておくべきポイントも書かれているのも良い。
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現状の人工知能おさらいから未来に向けての現実的な展望を皮切りに、人工知能のビジネスの現場での導入・活用に向けて網羅的かつ分かりやすく解説する教科書です。
ディープラーニングの適合率と再現率で計られる精度指標を配慮した効果的な学習のさせ方と業務フローを想定した精度評価の考え方からハードウェア、フレームワークの特徴と選定方法をの解説がとても実務的で勉強になりました。
また、精度という考え方が従来のITには無い(臨床検査システムなどある場合もある)概念なのでとても印象に残りました。また、人工知能の時代は人間も知識労働から知能労働となりシャーロックホームズのように考えをめぐらせ、痺れるほど脳を使うこと -
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全体を「第Ⅰ部 人工知能が変える10年後の仕事と社会」、「第Ⅱ部 人工知能が支える10年後のビジネス」、「第Ⅲ部 人工知能はどこに向かうのか」の三部構成として、それぞれ別々の本を出版しても良いと思われるほど、深く考察されています。
第Ⅰ部では、人工知能の現状を「強いAI―弱いAI」、「専用AI―汎用AI」、「知識・データ量の多寡」の三つの軸から現状の人工知能を解説し、ビッグデータ、IoT、ディープラーニング、FinTechなどの事例を分かり易く解説し、人工知能活用の切り口を明確にさせます。
第Ⅱ部は、人工知能を活用したビジネスの変革を、新規ビジネスから製造業、マーケティング、農林水産業、人事 -
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第三次ブームのAIに何ができるか、ホワイトカラーの仕事はどう変わるか、IoT、5GとAI、サービスの生産性向上には待った無し、ディープランニングとは何か、高まるAIの「学習・対話能力」、X-techの時代、日本のAI開発はどう進めるべきか、AIと人間の未来を恐れるなかれ
の九章立ててでAIについて解説された本。
理解力が足りないのでズレた感想かもしれんけど、当面のところは「弱いAI」つまり道具としての側面の強いAIとの併用がメインになる(もう既になっている感もある)
人間としては何故かというAIにはない好奇心や知見を活かして自分を高めていくのが大事だと思った。
日本のAI事情は辛いものがあるが -
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「強いAI」「弱いAI」という分類がポイント。
今でこそ当たり前の分類だが、本書の出版当時としてはここの指摘は重要だったはず。
ざっくり、人間により近いのが前者で、コンピュータの得意分野(データ処理)に特化しているのが後者。言い換えると、「人間と区別がつかないくらい不完全」なのが強いAI。著者はこの領域は当分先、とみている。計算機としてのコンピュータに画像その他の認識技術を組み合わせ、「ある分野については人間よりずっと優秀」な機械、すなわち弱いAIを追究するのがビジネス的にも技術的にもトレンドだ、と。
人間にとって面倒くさいことを肩代わりしてくれる「秘書的なAI」は、我々の生活をずっと豊か -
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ネタバレ035 PC能力やxTechで過去にはできなかった大量データの解析可能
037 強いAI = 人間C3PO、弱いAI = 専門職R2D2
060 見て・聞いて理解する事はかなり補完可能
070 情報の収集、処理、蓄積、分析でAIの支援が必要
077 従来の仕事の流れを分解し、AIを取り入れてフローを再構築
082 消費者への対応のリアルタイム化
084 APIを活用し、データとアプリケーションの連携・活用
086 モノからサービスの生産・供給へ「ドリル」でなく「穴あけ」を提供。
086 サービスはその場で生産され消費される。在庫ができない。
093 ホテル宿泊受付 上客が出現する確率が高い時期 -
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本書の単行本版は2016年→その後の情勢を踏まえて加筆修正してるよう。
1990年代にMIT客員研究員として人工知能を教えた経歴あり。これより、著者は人工知能のエキスパートであることは立証される。
本題のタイトルへの回答『人工知能から仕事はどう変わるか?』については、明確な回答を打ち出してはいない(まだ半分程度読み残ってる時点で)。文章中に含まれているなど、ヒントや考えが随所にあるためそこを拾っていく読み方になるだろう。そこから考えると、本書の章立てはなかなか特殊なのものだと感じた。
今までの歴史を振り返る場面が多々あるが、かなり難しいというかあまり頭に入ってこなかった。結局、現時点(第