野村直之のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
本書の単行本版は2016年→その後の情勢を踏まえて加筆修正してるよう。
1990年代にMIT客員研究員として人工知能を教えた経歴あり。これより、著者は人工知能のエキスパートであることは立証される。
本題のタイトルへの回答『人工知能から仕事はどう変わるか?』については、明確な回答を打ち出してはいない(まだ半分程度読み残ってる時点で)。文章中に含まれているなど、ヒントや考えが随所にあるためそこを拾っていく読み方になるだろう。そこから考えると、本書の章立てはなかなか特殊なのものだと感じた。
今までの歴史を振り返る場面が多々あるが、かなり難しいというかあまり頭に入ってこなかった。結局、現時点(第三次ブーム)で人工知能を知る者の視点では、研究者でもない限り今の技術を使うしかないと言う点に帰着する。ただ、今から•将来的にできることは今までできなかったことが多いと説いていたので、今までの失敗を活かす•失敗から考え学ぶ点は多いということで参考程度に読んだ。
理系学者の書物という感じが前面に出されている印象がかなり強い。非IT従事者、非理系の方には少し難しく癖のある書物であると思うので、読み方と学び方は試される。 -
Posted by ブクログ
人工知能に精通する著者が人工知能に支配されないためのこれからの正しい人工知能との付き合い方について書いた一冊。
本書を読んで著者が精通する英語やプログラムに関しては詳しい見識から書かれており勉強になりました。
また、人間ができることとAIとどう付き合っていくかを知ることができました。
AIにはないメタ認知やメタ知識を磨くことやそのために暗黙知と形式知をうまく組み合わせることなど具体的な方針について著者の詳しい知見からこれからどうしていくべきかを知ることができ、意味を解釈できないなどというAIの特性についても学ぶこともできました。
そんな本書の中でも封筒の糊付けなどなぜを繰り返すことの重要性のところは身近に感じることができ印象に残りました。
ただ、注釈がページ毎に書かれていれば読みやすいと感じました。
本書を読んで知能を鍛え、AIと共存していくために人間が行うべきことを学ぶことのできた一冊でした。 -
Posted by ブクログ
最近「AI」という言葉を目にしない日はないが、それが何なのか、よくわからないというのが実際のところ。本書は、AI研究の第一人者が幅広くAI最前線・将来について解説してくれている。
「知能が明確に定義できていないのに、その人造版=人工知能が定義できるわけがない」
「強いAI」とは、…、「人間の脳と同じふるまい、原理の知能を作る」ことを目指すAI研究のことを指します。「弱いAI」は、「人間の能力を補佐・拡大する仕組みを作る」ことを目指す
人間は人間の得意な新たな判定により機械向けのトレーニングデータという副産物を作りつつ本業をこなし、機械は人間たちの判断に対して、広さ(カバレージ)と精度を補完する。これが人間と機械の役割分担の基本戦略としてよさそうです。
「APIエコノミー」という表現が2015年時点でかなり浸透している米国では、「APIをもたない企業なんてインターネットにアクセスできないコンピュータのようなものだ。かつてなら電話やメールアドレスをもたない企業みたいだ」という言い方がされています。
・AIの置き換えの実現に際して必要な検討
・まず可能な限りプロセス・チェーンのモデルを精密化すること。
・少なくとも、人間が担った場合に比肩できる処理の精度、速度、費用対効果を達成できること。
・あるイベントやファンクションが生成するデータ量、処理量の規模のバランスが著しく崩れ、無駄な時間待ちが発生しないこと。あるいは、その欠点を補い、ひとつのAIが、複数のプロセス・チェーンに時分割で利用されるように、経済性を改善できること。
この新知識創造を含む、情報の解釈、理解の仕組みは、常に一定の動きをするわけではなく、その人のその時の願望、情報提供者への信頼、解釈して発言・行動しないと恥ずかしい事態にならないかとの懸念、意識的・無意識的な競争・忠誠・愛などの感情、意識、そして、様々なコンディションによって働きが大きく左右されます。
これを「ヒトの学習」と呼ぶならば、ディープラーニング流の「学習」とはずいぶん違います。ディープラーニングは、「生データとその正解ラベルや別の生データの対応関係をトレーニング。人間があらかじめ与えた正解を出さずに失敗したときには正解に至る確率を上げるべく、各層間の結合線上の重みを調整する」というやり方で学習が進みます。「学習」と呼ぶより、「調教」、あるいは「トレーニング」と呼ぶのが相応しいでしょう。
従来存在しなかった、AIを活かした新サービス、新製品は、次の要件が満たされて初めて出現します。
・ニーズが存在
・AIのおかげでコストダウン、スピードアップ、精度・性能が向上
・ニーズとその具体的実現方法を結び付ける技術、サービス提供の仕組みを、利益の出るコストで実現するアイディアの存在
既存サービスの利用者から見れば、AIによる改善ポイントは、…早い、安い、うまい(高精度・高機能・高品位など)、という3つの形容詞にこめることができます。
1to1マーケティングで最も重要なのは、身もふたもない次のポイントです。
1to1マーケティングの目的:
「新規顧客の開拓は(補充以外)は行わず、既存顧客層の忠誠心を高め、その顧客が死ぬまでの生涯購買金額(=LTV)を最大化すること」
1to1マーケティングでは個別の施策を考える前に、本質的に次のIDICすなわち、
Identify(一人ひとり、一社一社の顧客を認識すること)
Differeiate(各顧客の好み、個別ニーズ、その変化に応じて商品・サービスを差別化)
Interact(顧客と個別に情報のやりとり、アクションのかけあいを行うこと)
Customize(顧客に発信する情報や、商品・サービスの提供プロセスをカスタマイズする)
の4つの行動で、顧客と接するべきことを押さえる必要があります。
「なぜ?」を考えられる人であれば、よほど完全に機械の部品として仕事させられているような職場以外では、どんな業界、職種、地位であっても生き残れる。そして、純粋に「なぜ?」を発しつづけられるように、子供のように素直な好奇心、上から与えられた現状に甘んじずに、より良い環境や成果物を作り上げようという、人間らしいモチベーションを自ら育成することがAIより優位に立つ上で大事でしょう。
・なぜ働くのかという問いへの回答により、人間とAIの根本的な違いを知る
1.働くことは、お金をもたらす。工夫すれば楽しさも得られる。
2.働くことは、明確な目標をもたらす。
3.働くことは、出会いをもたらす。一期一会の出会いで人生が変わり得る。
4.働くことは、学びをもたらす。
5.働くことは、信用をもたらす。
6.働くことは、自信をもたらす。
この中のひとつとして、本来の意味で、AIに該当するものはなさそうです。
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Posted by ブクログ
世の中で言われているようなシンギュラリティは、2045年にはやって来ない。シンギュラリティになるには、指数関数的に進化する必要があるが、AIが属するソフトウェア技術は、これまで指数関数的には変化していない。開発ツールの進化やオープンソースの共有によって2次関数的に進化が加速することはあっても、テレパシーを持たない人々の頭脳群の間で核分裂の連鎖反応のように指数関数的に思想、ひとつの思考の産物が肥大することはない。指数関数的な進化が起こった唯一の例外が半導体の高集積化である。いわゆるムーアの法則で、これらをベースにしたハードウェア上で動作させたことで、ソフトウェアが指数関数的に進化しているように見えているだけなのである。内部の基本的な計算手順(アルゴリズム)や、そもそもの計算方式(ノイマン型)の種類が指数関数的に増えたり、進化のスピードを早めたりした、という事実はないのである。