安冨歩のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
「自己嫌悪は結果ではなくて、原因」
自己嫌悪から抜け出すためのセオリーは、「自分の過去を受け入れて」「小さな成功体験を積む」こと。ほとんどのメンタルヘルス本やビジネス本が書いている。
本著はこれらの対処法とは全く違うことを書いている。それは傍観者の書く「やるべきこと」ではなく当事者の書く「やったこと」だから。
著者が書くことは、引きこもれるなら引きこもれとか身の回りから不快なものを無くせとか、なんというか非建設的な逃げの論理で、建設的ではないことが多い。しかし、それが当事者の言葉なんである。
自己嫌悪は結果ではなく原因と書いているけど、きっと著者もあまたの自己嫌悪者も幼少期の親との関係が自身を拗らせた原因になっていると思う。(今更、それをどうこうできないから自己嫌悪を原因としてるのかもしれないけれど。)親との関係に対する対処法は2つあると思う。
1つは苦しいけど対話をすること、もう1つが著者のように関係を断つこと。著者は後者を選択した、それが当事者であるということだと思う。 -
Posted by ブクログ
本当は学術新書として、学歴について客観的にメリットデメリットを突き詰めた話を読みたかったから買った。
ぶっちゃけ激しい学歴コンプレックスでも感じている人でないと、読んでいて大きな関心が持てないと思う。
そのほかの人にとっては何か読んでてもどうでもいいなーって無関心にぱらぱらーと読む程度の本。
共感や否定的に思えるほどのめり込めずに、読みたい内容でもなかった。
でも、日本は「立場社会」になっている!これは危ないことなんだ!って言ってるのはあー確かにーそういう捉え方もあるなってのは盲点。
こういうのを拾い集めるのが読書の醍醐味とこじつけておく。
星は3つ。 -
Posted by ブクログ
僕だって、話をややこしくして、ケムにまいたうえで責任逃れしたい。
最近「東大話法」なる言葉をよく目にしたもので、多分良い意味ではないであろうけど、世の中とうまい事やっていくために役立つメソッドかもしれない、と下心を抱いて購入した。
「どこまでも欺瞞的で、どこまでも傍観者ぶったものの言い方」
逆にまとめると、保身のためには、何かを発言、発表する場合に、自分の考えを述べるのではなく、自分の立場で言うべきこと、言えること、都合の良い事だけを言うように気をつければ良い、ということになりそうだ。なお、本書では、20個の東大話法ルールを紹介しており、これはある意味、非常に実践的ともいえる。
本書では、そういった無責任な物言いが出てくる原因は「立場」を重視する日本社会の特徴にあるとしている。自分自身よりも「立場」が表に立つがゆえに、何か問題が生じた時、意識せずに無責任な態度をなってしまう。みんなそうだ。そういう社会に憤りを感じませんか、というわけだ。確かにそうだが、だからみんな「東大話法」はやめましょう、戦いましょうと言っても、なかなかうまくいかないように思う。
「東大話法」がはびこることについて、僕は、官僚制の弊害の一側面といった話であるように思うし、それだけ日本社会が複雑なシステムになってしまっている、ということであるようにも思う。組織が大きくなった場合、個人は、多かれ少なかれ、システムの一部としてふるまうことを求められるようになる。個々の構成員のタスクを標準化、マニュアル化して、組織を効率化するのは常套手段だ。大きなシステムにおいては、人は役割を与えられ、それを演じることになる。
結果、組織が有している大きな目的や成果と、構成員が有している役割としての目的や成果が離れて行ってしまう。そういう人に、どうなっているんだ?と聞いても、それは私の範疇ではありません、という応えが返ってくるのは、仕方が無いと言えば、仕方が無いような気がする。
大きな組織で働く人たちが多い時代だから、そんな組織人としての振る舞いが染みついた人たちが世の中にあふれているとしても、不思議ではない。そういう悪い奴らがいるから、僕たちは気をつけよう、ではなく、自分も含めてそういう風潮になってしまっている事ををどう考えるか、という風に受け止めた方が良さそうだと思った。