天野隆のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
相続を専門とする弁護士による相続問題の事例紹介と留意事項をまとめたもの。著者は経験が深く、役所や他の税理士の考え方をつかんでおり、かつ不動産や金融をはじめとする相続関連知識が高いため、新書ながら内容が濃い。勉強になった。
「かつて相続税が課税されるのは「特別裕福な人」というのが相場でしたが、2015年の税制改正で相続税の基礎控除額が従来の6割に引き下げられて以来、特別お金持ちではない人が亡くなった場合でも、相続税が課税されるようになりました。(2014年の相続税課税割合4.4%、2015年8.0%、2022年9.6%)p3
「(相続税の税務調査率はダントツに高い)相続税の申告には穴があるので、ほじくりやすい」p4
「(「財産債務調書」の提出を求められる人)所得2000万円超で資産3億円以上。または資産10億円以上」p42
「税務署は贈与についてはあまり調べません。なぜかというと相続の時に調べてきっちり納税させようと考えているからです」p44
「(「名義預金」)口座名義人がお金を出していない預金のこと。相続が発生したとき、亡くなった人が配偶者や子供などの口座を作っていて、亡くなった人が管理していた場合に名義預金と見なされ、相続財産に戻すことになるので相続税の対象となります(税務署は口座はすべて把握している)」p48
「生前夫から妻の預金通帳に複数回にわたって100万円が振り込まれているのを、税務署が「名義預金」と指摘。修正を求めてきました。これに対して、私たちは「夫から妻に渡された生活費である」と主張しました。生活費だから名義預金ではないという理屈です。そして税務署に対して「これが生活費でなく、明らかな名義預金だという証明をしてください」と言いました。(こちらの言い分が通った)」p54
「(税務調査には(長い)文書で回答する)調査を担当した税務官は必ず上司の許可を取った上で、事後処理をしなくてはならない。許可を取りやすいようにこちら側で文章にしておくと、上司はそれを読むことができます。それから相手が面倒くさいと思うことです。なるべく詳細に、少なくとも3〜4ページ書くようにします。数字をこれでもかと入れるのがコツです。これをすることで「この税理士を説得するのは難しいだろう」「納税者のために無理難題を吹っかけてくる税理士だ」と思わせることができます」p125
「相続は退職金と並んで人生でいちばん大きなお金を手に入れる機会です」p219 -
Posted by ブクログ
・相続格差とは金額の大小ではなく「あいつばかりずるい」という感情の問題。
・「より多くもらう」ことにこだわると、得た金銭以上の労力が必要になったり、遺された家族の結びつきが失われたりと却ってマイナスになる。
・相続とは金銭や資産だけでなく、亡くなった人の想いや意志を受け継ぐことでもある。見える物ばかりでなく、見えない物を意識できる家族は揉めない。
相続専門の税理士ということもあり、プロとしてどのようなケースを見てきたか、相続に対しどのような心構えで臨めばいいかについて分かりやすくまとまっていた。
自己啓発に近い内容なので、法的な知識を期待する人は専門書を読んだ方が良いと思う。 -
Posted by ブクログ
2時間で丸わかり 相続の基本を学ぶ 2013/10/23
著:天野 隆
著者は、税理士法人レガシィ代表社員税理士。公認会計士、税理士、宅地建物取引主任。アーサーアンダーセン会計事務所を経て、現職。累計3,400件、相続税申告等件数日本一であり、専門ノウハウと対応の良さで紹介者から絶大な支持を得ている。
相続の話とは、「あなたはいずれ死ぬのだから、あれはこうしましょう、これはこうしましょう」と、本人の長年の思いや希望とは別に、周りの人たちが自分たちの都合で勝手に決めてしまうことである。
そして問題のひとつに税金が挙げられる。平成27年1月1日から相続税の基礎控除額が引き下げられるので、課税される対象者が確実に増える。著者の調査によれば相続税の対象になる人は2倍になるとみられ、相続税は「お金持ちの税金」から「大衆課税」の時代に入ることになる。
本書は、財産を遺した人も受けると人も幸せあ相続になるよう「節税」と「爽族」に焦点をあて以下の8章により構成されている。
①相続は親の人生を引き継ぐもの
②葬儀から相続手続きは始まっている
③親の財産はどう評価されるのか
④もめないための遺産分割のやり方
⑤相続税の計算と納税のやり方
⑥遺す側も受ける側も幸せになる節税対策
⑦もめる相続、争族の事例に学ぶ
⑧みんなが幸せになる相続
平成27年1月の基礎控除額の引き下げにより確実により身近な問題となる相続。概要については理解しているつもりではあるものの、その問題は時代と共に少しずつではあるものの変化しつつある。常にアンテナを張り続け変更ポイントを捉えながら勉強することも大切ではあるもののどこかのタイミングで体系的にとらえなおす必要がある。本書はそんな捉えなおす機会に持ってこいの一冊。全てこれで完璧というのほど相続の世界は浅くはないものの2時間で効率的に学ぶという点では驚くべき効力を発揮する。
相続は起きてから問題が発生することが多い。誰かが亡くなる前からその問題が発生するということは少し知識を持っていればある程度は理解できる。いろんな事情からその問題解決のために先手を打つことは難しいこともあるかもしれないが、知っていて起きる問題と知っておらず降りかかってくる問題への対処の仕方はどちらが大変なことかは誰でもわかる。
センシティブな問題であるものの、相続の問題で力になれるということはかなり踏み込んでその人の役に立つことが出来るということも確かである。いろんなことが複合して相続の問題は存在する。
社会人の知っておくべき知識としても学んでいて損はない。 -
Posted by ブクログ
相続。争続。爽続。
その日は、ある日突然に訪れる。
人間、皆有限の命。
価値観は人それぞれであるが、親には長く元気でいてもらいたいと思う方は少なくないだろう。
相続の話なんて、当分先だと思ってる方は割と多いだろう。意識すらしてない人も多いだろうね。
三十代の自分も、それに近い。
が、親も考えているもので、親父が所有する財産を知らせ始めました。
時に、所有する他県にまで出かけ、境界の確認や、近隣所有者との挨拶、寺での本家分家のあれやこれ。
知っておいて損はない。いや、知らないと損をする。
早めに、この手の知識は身に付けておきたいものです。 -
Posted by ブクログ
ハウツー本はいらなくなってから買うタチです。2013/9に自分が脳出血で死にかけ、2014/9に母が病死し、人っていつかは亡くなるのだなということを思いだしました。(父が死んでから20年位経つのでうっかりしていました)
それで、この1年の間に相続をすませ、実家の処分も来月にはまとまるということになり、「はて?自分のやってきたことはどのくらい間違っていたのかな」と思って読んでみました。
相続というとお金持ちの家の話と思われがちですが、実際には普通の家の方がシビアなんじゃないかなあ?と思います。
だって10億円の遺産があるなら相続人が5人いて均等に分けたとしても2億円です。それならもめることもないと思うからです。また、そういう相続人は普通以上の生活をしてお金に困っていないように思いますし。
相続を気にするのは、むしろ5,000万~1億円くらいの遺産をどう分けようという場合が多いと思います。
それも、流動資産である預貯金・株券などでなく固定資産の家・土地・絵画とかそういうものがメインの場合が多いんじゃないかなあ。
この本には「被相続人(亡くなった方)の遺志を調えるのが相続」であるということが書いてあります。
あと、相続税対策も少しありますが、そちらはネットの方がわかりやすいかな。
年間110万円までは譲渡税がかからない(でも決まった日に決まった額はだめ)という豆知識は相続者が多い人は知っておいたほうがよいかもしれません。
(5人の子供に毎年550万円譲渡すれば10年で5500万円の財産を無税で渡せるから)
もっとも、死ぬ3年前以降の譲渡は相続とみなされるそうです……。