北野幸伯のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
プーチンってすごいよな~と、ウスウス感じてはいたもののここまでの人だったとは・・・。2000年ごろロシアで財閥解体やらなんやらというゴタゴタがあったのはニュースで聴いていたのですが、いかんせん、ロシア人の名前が覚えにくくつい受け流してしまっていました。この本のおかげでかなりすっきり理解することができました。
落ちるところまで落ちると、こういう人が現れて国を救うんですよね。日本も昔はそうだったんでしょうねえ。
プーチン礼賛に偏った本ではなく、日本から見たロシアのこれまでと今後という内容になっています。
集英社の力量とブランドへの意地が感じられます。
とてもわかりやすく、ロジカルに書かれています。政治経済の勉強をしたことのない人にも読めるように、ロシアの統治のしくみや米ドルの強さなどもしっかりページを割いて説明してくれています。図解も多く、理解を助けます。
1600円は激安です。4800円の価値ありです。
原田君も見習ってね。
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Posted by ブクログ
本書の帯に「あなたの価値観は一変するとの」記載がありますが、人によってはその位の衝撃を受けそうな本です。
モスクワ在住の筆者は、西側諸国とは全く異なる視点で世界情勢を見ており日本のメディア(特にテレビ)を見ている人にはそんな裏事情があったのかと驚かれる内容が書かれています。
イラク問題、シリア問題にしても「中国・ロシア」と」「アメリカ」の抗争の延長であると考えれば何を目的に闘っているのか裏事情が読めてくるので恐ろしいものです。
作者の意見を丸呑みするのは少し危険かもしれませんが、ご存知のように今年程アメリカ大統領選挙をはじめとして世界の首脳が変わる選挙が起こる年はありません。今年、来年以降の世界が起こるか興味のある方は読んで損のない本と思います。 -
Posted by ブクログ
プーチン大統領の軌跡をたどりながら、世界がいかに国益と実力のせめぎあいで動いているかを赤裸々にし、明確な解釈を示した本。
アメリカが以下にして一極支配を維持しようと画策しているか。
プーチンのロシアが、いかにしてアメリカの一極支配を切り崩そうとしているか、また、アメリカからの逆襲に応酬してきたか。
誰でも目にしているはずの、一般紙の記事を根拠にすえ、国際政治の容赦ない確執を見事に描いている。
いつもながら、明晰な分析力に脱帽。
(以前ほどセンセーショナルな文体ではなくなってきたところに、著者本人の成熟を感じる?)
■大統領就任から第1期:国内に絶対権力を確立した。その容赦ない闘いぶり
・地方、議会の権限抑制→中央集権化
・新興財閥(政商)の追い落とし
・マスコミ支配
・資源産業支配
■第2期:アメリカの一極支配を切り崩しと、アメリカからの反撃撃退
・ロシア石油産業へのアメリカ浸透を排除(ユコス事件)
・旧ソ連各国でのカラー革命を失敗へ(ベラルーシ・ウズベキスタン)
・中国との連衡、イランへの後押し
・アメリカのグルジア切り崩し排除(グルジア戦争、南オセチア、アブハジア独立承認)
・ドル基軸通貨体制の切り崩し(石油のルーブル建て決済)
■メドベージェフの時代:アメリカへの歩み寄り
・リーマンショックと石油価格暴落
・オバマ政権
■そして、再びプーチンの時代:アメリカの覇権追い落とし -
Posted by ブクログ
ネタバレロシアもそうだがアメリカも自分勝手な国。アメリカを盲信するのではなく、国益のために日本はどうすべきか。当たり前と言えば当たり前だが、理想論ではなく現実主義で国際情勢が動く中、改めて色々と気付きを得られた本。
・ドルが基軸通貨で貿易決済に使われる限り、アメリカの貿易は国内取引と変わらず、経常赤字は全く問題にならない。ドルが基軸通貨でなくなった時、アメリカは没落する。
・ソ連崩壊後のエリツィン政権下のロシアはオリガルヒが利権を貪り税金も納めず経済状況が悪化しており、その中でオリガルヒの一人であるベレゾフスキーの後ろ盾により大統領まで駆け上がったプーチン。就任後には、ベレゾフスキーを逮捕する等によりオリガルヒを服従させ経済を支配、下院第二党と第三党の合併による統一ロシアの結成による下院掌握、地方首長の解任権や連邦管区の設置による中央集権化、減税による税収増等により経済を急回復させ国民からの極めて高い支持を獲得。
・常任理事国が拒否権を持ち何をやっても処罰されないという状態の中、国際法や国際組織が機能しないことは歴史の事実。米国のイラク戦争然り(石油利権を狙ったとグリーンスパンが認めている)、イスラエルのパレスチナ侵略然り、中国のチベット人虐殺然り。こうした中、理想主義は機能せず、現実主義で外交は動いている。16〜19世紀の英国の外交の基本方針は、派遣国となりそうな国を叩くこと。20世紀以降の米国も同様。日独を叩き、ソ連を叩き、そして今中国を叩く。 -
Posted by ブクログ
日本ではまだコロナ禍であった2022年2月末にロシアによるウクライナ侵攻が始まって3年も経過しました、ニュースで時々見る限りでは総合力に勝るロシアがウクライナを徐々に追い詰めているように思っています、そんな時にこの本のタイトルを見て思わず購入してしまいました。
以前の太平洋戦争で「日本は戦術・戦闘レベルでは勝っていたが、戦略的には初めから負けていた」と何かの本で読んでいたのを記憶していたからです。戦術的には勝てても戦略的に勝てないと「戦争」には勝てない、難しい考え方だと思いますが、この本にはそれらの解説がなされています。
還暦を過ぎた私にとっても、戦闘・戦術とは異なる「戦略的」な思考を身につけて実践したく、それを目指す上でも素晴らしい本当の出会いとなりました。
以下は気になったポイントです。
・戦略=戦争に勝つ方法、戦術=戦闘に勝つ方法である、戦争に勝てるかを考えることを「戦略を立てる」という、戦闘に勝つ方法を考えることを「戦術を立てる」という、日露戦争に当てはめると、日露戦争に勝つ方法=戦略、奉天会戦に勝つ方法=作戦、奉天会戦で起こる戦闘に勝つ方法=戦術、となる。戦略は戦術よりも広く大局的な概念である(p19)戦術とは、目先の戦闘に勝つ方法である(p21)
・戦略は「大戦略」と「軍事戦略」に分けられる、軍事戦略は、軍隊で勝つ方法である、大戦略は「軍隊以外に、政治、外交、経済、情報など」が加わってくる(p20)戦略レベルでは「戦争に勝つだけでなく、勝った後も相手より有利でい続けること」まで考える(p22)
・第一次世界大戦時、同盟国イギリスを支援するために地中海に艦隊を派遣して大いに貢献したが、陸軍派兵は最後まで拒否し続けた、イギリスは日本に失望し、この不義理が原因で日英同盟は、1923年に解消された、その結果、イギリスは日中戦争では中国側についた、1937年に日中戦争が始まった時、日本が戦っていたのは、中国・アメリカ・イギリス・ソ連であった(p28)
・日本は「石油の入手が最大の問題」であったので、アメリカの真珠湾攻撃をすることなく、オランダ領インドネシアを攻撃し、油田を確保するだけで良かった、このことを末次海軍大将は知っていた、直接インドネシアを抑えたら、ルーズベルトは開戦の口実を見つけられなかった(p45)
・第一次世界大戦の講和条約(ベルサイユ条約)においてドイツは、1)ドイツ領土(資源産出地帯)の割譲、2)植民地全て放棄、3)軍隊に厳しい規制、4)莫大な賠償金(結果的に1320億マルク=国民所得の2.5倍=1250兆円相当)(p47)
・ドイツは1939年9月1日ポーランド(=元ドイツ領のポーランド回廊)侵攻、イギリス・フランスはポーランドの同盟国であたので、ドイツに宣戦布告、第二次世界大戦が始まった(P52)
・ヒトラーが勝てた方法として、1)アメリカを参戦させない(=同盟国日本にはアメリカと戦うなと念を押し続ける)、2)ソ連との不可侵条約を守り戦わない、3)イギリス本国のみターゲット、4)同盟国日本にアジアのイギリス軍と戦わせて本国に向かわせない(p56)
・生存圏理論とは、生存圏=国家が生存(=自給自足)するために必要な地域を確保するために、国境を拡張することは国家の権利である、であり「生存権を確保するために他国を攻めることは「権利である」ということになり、他国への侵略は肯定される」ことになる、非常に危険な思想であり、このため「地政学」は戦後「禁断の学問」になった(p61)
・ロシアとウクライナの戦争は、もっと大きな枠で見ると「西側全体とロシアの戦争」である。イラク戦争(2003年開始、2011年12月撤退)は、アメリカとイラクでなく、アメリカと「フランス・ドイツ・ロシア・中国など」であった(p63)2000年11月にフセイン政権は石油取引をドルからユーロに転換、米国は2003年のイラク戦争後、石油取引をドルに戻した(p68)
・国際法における合法的な戦争は2つ、1)自衛戦争、2001年に始まったアブガン戦争、米国同時多発テロ事件に対する「自衛権の行使」とされた、だからイラク戦争に比べると反戦運動がほとんどなかった、2)国連安保理が承認した戦争、1991年の湾岸戦争は、安保理が承認した戦争で合法である、イラク戦争は、フランス・ロシア・中国が反対したが、アメリカは無視して戦争を始めた、ロシアによるウクライナ侵攻が違法であるのと同様(p72)
・中国とロシアに守られている「イラン」は、2007年原油のドル決済を中止した(p75)湾岸協力会議(GCC)首脳会議では、2010年までに通貨統合を達成する(=決済通貨をドルから変更する)ことを目標としていた、2008年1月のダボス会議で、ジョージ・ソロスは「現在の危機はドルを国際通貨とする時代の終焉を意味する」とコメントした、リーマンショックが起きたのは、この発言の8ヶ月後の、2008年9月15日である、これで2009年乗りアメリカ一極から「米中二極時代」に入った(p77)
・アメリカはロシアの石油最大てを確保するという野望をプーチンに阻止(2003年10月米企業に売却しようとしたホドルコフスキーの逮捕、そして、グルジア=バラ革命(2003/11)、ウクライナ=オレンジ革命(2004/12)、キルギス=チューリップ革命(2005/3)の革命が起きた(p118)これらの出来事で、プーチンは決定的に「反米」になった(p121)
・ロシアと中国はアメリカの覇権に挑戦するために、1)反米の仲間を増やす=フランス、ドイツを中心とする欧州反米勢力、2)EUを東方に拡大、3)ユーロを基軸通貨化させる、このために2000年、イラクのフセインに原油決済通過をドルからユーロに変えさせた(p126)さらに「ドル体制への攻撃」として、2006年5月に、プーチンは、石油製品をルーブルで決済すべきと発言した(p130)2006年6月、ルーブル建てのロシア原油先物取引が開始、2007年6月には「ルーブルを世界的な基軸通貨にする」と宣言した(p132)
・ハーバード大学が75年間にも渡って追跡調査を行ったところ「私たちの幸福と健康を高めてくれるのはイイ人間関係である」という結論であった、友人の人数は関係なく、たった一人でも信頼できる人がいるかが重要でる(p155)
・クリミア併合の理由1):ウクライナの民族主義者がクリミアのロシア人を虐待するので助ける、2)ウクライナがNATOに入ると、クリミアとセバストポリ(ロシアの軍事都市=黒海艦隊)にNATOの軍艦が出現することになる(p173)
・ロシアはクリミアを得たが、経済成長を失った、これが戦略的敗北である(p177)
・アメリカには「勝つためなら、昨日の敵と平気で和解する=戦略文化」がある。第二次世界大戦中、最大の仮想敵でるソ連と同盟関係にあったが、終わると敵だった「日本とドイツ」と同盟を結んで冷戦を開始、それでもソ連が優勢だったので昨日までの敵だった中国と和解して、対ソ連同盟を築いた(p195)
・ウクライナ侵攻の結果、1)ロシアは国際的に孤立(国連193カ国中、非難決議賛成=141、棄権35、未表明12、反対5)、国際的に「戦争犯罪容疑者(2023.3国際刑事裁判所が逮捕状)」に堕ちた、2)NATO拡大阻止に失敗、逆に増加した、3)旧ソ連圏の盟主の地位を失い、旧ソ連諸国がロシアを見捨てた、4)中国の属国と化した(SWIFTから除外)(p215)
・私たちは今、第二次世界大戦やソ連崩壊時に匹敵する「大激変」を目撃している、そして今後は「大混乱の時代」が続きであろう、短くて2025年、長くて2030年頃まで続く(p297)
2025年4月30日読破
2025年5月2日作成 -
Posted by ブクログ
北野氏のロシア本読むのはこれで3作目。
発行から既に9ヶ月経過しているがウクライナ戦争の戦況も膠着状態なので、良くも悪くも、まだ十分に賞味期限内。
戦術的勝利が戦略的勝利に繋がらない例は枚挙にいとまがなく、歴史的審判を終えた後では誰にでも理解が出来る(例 真珠湾奇襲)が、今現在起きていることを大局的に理解することは中々難しい。
ロシアが中国の属国化している、という著者の指摘は、おそらく、数年後には世界の常識となっているかもしれない。
最後の方で出てくるアメリカ大統領の日本の核武装に関するコメントを読むと、戦争は外交の延長であり、究極の姿は、相手国の憲法を書き換えることである、という説の正しさを実感してしまう。
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黒化=独裁化していく世界について、今まで発表してきた意見等をまとめたような本。
アメリカ一極に対抗する欧州やロシア、基軸通貨としての米ドルを守るためのイラク戦争、ユスコ買収阻止やカラー革命の米ロ新冷戦、中ロ同盟。
次に2020年香港から始まった連鎖黒化。これに対抗する形で白の逆襲が始まる。米中覇権競争が民主主義国家対先制主義国家の戦いになった。
そしてロシアのクリミア侵攻。戦争がどう推移するかは別に、ロシアの戦略的敗北は不可避。中国は衰退から逃れられず、共同富裕を掲げる習近平の人災で崩壊すると予測。
読み慣れた人にはそうでもないが、著者の考えを初めて読む人には衝撃だと思う。 -
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内容は、これまでの著作やメルマガのサマリーで、長年の読者としては特に新奇な点は無いが、サマリーが上手く、改めて骨太に物事を捉えることの重要性を感じさせられる。また、本書では、どうしても漠然とする国家戦略レベルの話に個人の戦略のアナロジーを加えることで、理解促進を努めようとしている。
本書で推奨するななつの掟は、
①和の世界を創れ(調和の精神で世界を良くする)
②知性によって日本を自律国家に導け(精神、経済、エネルギー、食糧、軍事の自律)
③理想を目指す現実主義者であれ(レーガンのようにれ)
④日本の真の国益はなにかを常に考え行動せよ(外国のリアクションを考え、長期視点で行動)
⑤常に代戦略の時点から物事を見よ(平和的台頭が日本の得意戦略)
⑥日本を愛し、他国・他民族への尊敬の念を忘れるな
⑦言葉と行動によって日本の名声を高めよ -
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現在、米中は覇権を国家間で争っているのであり、貿易戦争もその一部だからすぐに収束することはない。しばらくこの戦いは続くということを認識しましょう、というただ1点がとても分かりやすく述べられている。著者としては、中国が国家のサイクルとしては成熟期から停滞期に向かっていることから、最終的にこの覇権戦争は米国が勝利すると予測しており、その上で日本が再び敗戦国側に付かないよう、今後の行動に関して注意を喚起している。本書は著者の無料メールマガジンをまとめたものだが、書籍になってもメールマガジン用の改行の多い文体までそのままで、かなり”白い”書籍。メールマガジンを読んでいる人は読まなくても良いと思うが、無料メールマガジンに感謝して著者を応援する意味で購入するのも良いだろう。
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日本の生き筋
ある調査によると、日本人はあまり幸福を感じていないようだ。自分自身に満足していないし、将来に明るい希望も持っていない。満足度は先進国で最低とのこと。
あなたはどうだろうか?
著者は反対に「日本には、明るい未来が待っている」という。
著者の北野幸伯氏は、モスクワの大学を卒業し、そのまま20年以上モスクワに住みながら、様々な情報を発信している国際関係アナリスト。
著者が発行するメールマガジン『ロシア政治経済ジャーナル」は、日本最大のメールマガジン配信サービス「まぐまぐ」で日本一のメルマガにも選ばれているほど人気だ。
本書は、そんな著者の目から見た、日本がこれから明るい未来を作っていくためのヒントが、6章に渡って具体的に解説されている。新聞記事など公開情報を使って、わかりやすく説明しているのが特徴だ。
第1章では、著者の提案の方向性について、三つのキーワードから説明している。
第2章は「働き方改革」。日本人が幸福になるための働き方とは何だろう。
第3章は「地域格差」。都会に住む人だけが幸せではいけない。地方をどうやって復活させるかがカギ。
第4章では、日本の「食」について。何を食べれば心身共に健康になるのか、そしてどうすれば食料自給率が上がるのか?
第5章は「少子化問題」。ロシアで出生率が上がった事例を元に、日本が取るべき少子化問題の解決方法を提案している。
第6章では、世界における日本の役割について。日本が世界に「和」をもたらすためには、どうしたらいいか?
日本には、まだまだ私たちが気づいていない力がある。最近流行りの「◯◯ファースト」ではなく、世界に「和」をもたらす道を、私たちは力強く進んでいこう、というのが著者からのメッセージだ。
私は著者の本を何冊か読んだことがあるが、今回も非常にスッキリした読後感であった。
特に、表紙にもある「家族大切主義」という言葉。
これは昔から日本にある伝統的な考え方だと思うが、最近はどちらかというと軽く扱われているような気がする。しかし本書を読んで納得した。家族はやはり大切な存在だ。
もし、あなたが自分の将来に関して漠然とした不安をお持ちなら、本書を手にとってみることをお勧めする。
あなた自身の「生き筋」を見つけることができるだろう。