北野幸伯のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
プーチンってすごいよな~と、ウスウス感じてはいたもののここまでの人だったとは・・・。2000年ごろロシアで財閥解体やらなんやらというゴタゴタがあったのはニュースで聴いていたのですが、いかんせん、ロシア人の名前が覚えにくくつい受け流してしまっていました。この本のおかげでかなりすっきり理解することができました。
落ちるところまで落ちると、こういう人が現れて国を救うんですよね。日本も昔はそうだったんでしょうねえ。
プーチン礼賛に偏った本ではなく、日本から見たロシアのこれまでと今後という内容になっています。
集英社の力量とブランドへの意地が感じられます。
とてもわかりやすく、ロジカルに書かれ -
Posted by ブクログ
本書の帯に「あなたの価値観は一変するとの」記載がありますが、人によってはその位の衝撃を受けそうな本です。
モスクワ在住の筆者は、西側諸国とは全く異なる視点で世界情勢を見ており日本のメディア(特にテレビ)を見ている人にはそんな裏事情があったのかと驚かれる内容が書かれています。
イラク問題、シリア問題にしても「中国・ロシア」と」「アメリカ」の抗争の延長であると考えれば何を目的に闘っているのか裏事情が読めてくるので恐ろしいものです。
作者の意見を丸呑みするのは少し危険かもしれませんが、ご存知のように今年程アメリカ大統領選挙をはじめとして世界の首脳が変わる選挙が起こる年はありません。今年、来年以 -
Posted by ブクログ
プーチン大統領の軌跡をたどりながら、世界がいかに国益と実力のせめぎあいで動いているかを赤裸々にし、明確な解釈を示した本。
アメリカが以下にして一極支配を維持しようと画策しているか。
プーチンのロシアが、いかにしてアメリカの一極支配を切り崩そうとしているか、また、アメリカからの逆襲に応酬してきたか。
誰でも目にしているはずの、一般紙の記事を根拠にすえ、国際政治の容赦ない確執を見事に描いている。
いつもながら、明晰な分析力に脱帽。
(以前ほどセンセーショナルな文体ではなくなってきたところに、著者本人の成熟を感じる?)
■大統領就任から第1期:国内に絶対権力を確立した。その容赦ない闘いぶり
-
Posted by ブクログ
ネタバレロシアもそうだがアメリカも自分勝手な国。アメリカを盲信するのではなく、国益のために日本はどうすべきか。当たり前と言えば当たり前だが、理想論ではなく現実主義で国際情勢が動く中、改めて色々と気付きを得られた本。
・ドルが基軸通貨で貿易決済に使われる限り、アメリカの貿易は国内取引と変わらず、経常赤字は全く問題にならない。ドルが基軸通貨でなくなった時、アメリカは没落する。
・ソ連崩壊後のエリツィン政権下のロシアはオリガルヒが利権を貪り税金も納めず経済状況が悪化しており、その中でオリガルヒの一人であるベレゾフスキーの後ろ盾により大統領まで駆け上がったプーチン。就任後には、ベレゾフスキーを逮捕する等に -
Posted by ブクログ
日本ではまだコロナ禍であった2022年2月末にロシアによるウクライナ侵攻が始まって3年も経過しました、ニュースで時々見る限りでは総合力に勝るロシアがウクライナを徐々に追い詰めているように思っています、そんな時にこの本のタイトルを見て思わず購入してしまいました。
以前の太平洋戦争で「日本は戦術・戦闘レベルでは勝っていたが、戦略的には初めから負けていた」と何かの本で読んでいたのを記憶していたからです。戦術的には勝てても戦略的に勝てないと「戦争」には勝てない、難しい考え方だと思いますが、この本にはそれらの解説がなされています。
還暦を過ぎた私にとっても、戦闘・戦術とは異なる「戦略的」な思考を身に -
Posted by ブクログ
北野氏のロシア本読むのはこれで3作目。
発行から既に9ヶ月経過しているがウクライナ戦争の戦況も膠着状態なので、良くも悪くも、まだ十分に賞味期限内。
戦術的勝利が戦略的勝利に繋がらない例は枚挙にいとまがなく、歴史的審判を終えた後では誰にでも理解が出来る(例 真珠湾奇襲)が、今現在起きていることを大局的に理解することは中々難しい。
ロシアが中国の属国化している、という著者の指摘は、おそらく、数年後には世界の常識となっているかもしれない。
最後の方で出てくるアメリカ大統領の日本の核武装に関するコメントを読むと、戦争は外交の延長であり、究極の姿は、相手国の憲法を書き換えることである、という説の正 -
Posted by ブクログ
黒化=独裁化していく世界について、今まで発表してきた意見等をまとめたような本。
アメリカ一極に対抗する欧州やロシア、基軸通貨としての米ドルを守るためのイラク戦争、ユスコ買収阻止やカラー革命の米ロ新冷戦、中ロ同盟。
次に2020年香港から始まった連鎖黒化。これに対抗する形で白の逆襲が始まる。米中覇権競争が民主主義国家対先制主義国家の戦いになった。
そしてロシアのクリミア侵攻。戦争がどう推移するかは別に、ロシアの戦略的敗北は不可避。中国は衰退から逃れられず、共同富裕を掲げる習近平の人災で崩壊すると予測。
読み慣れた人にはそうでもないが、著者の考えを初めて読む人には衝撃だと思う。 -
Posted by ブクログ
内容は、これまでの著作やメルマガのサマリーで、長年の読者としては特に新奇な点は無いが、サマリーが上手く、改めて骨太に物事を捉えることの重要性を感じさせられる。また、本書では、どうしても漠然とする国家戦略レベルの話に個人の戦略のアナロジーを加えることで、理解促進を努めようとしている。
本書で推奨するななつの掟は、
①和の世界を創れ(調和の精神で世界を良くする)
②知性によって日本を自律国家に導け(精神、経済、エネルギー、食糧、軍事の自律)
③理想を目指す現実主義者であれ(レーガンのようにれ)
④日本の真の国益はなにかを常に考え行動せよ(外国のリアクションを考え、長期視点で行動)
⑤常に代戦略の -
Posted by ブクログ
現在、米中は覇権を国家間で争っているのであり、貿易戦争もその一部だからすぐに収束することはない。しばらくこの戦いは続くということを認識しましょう、というただ1点がとても分かりやすく述べられている。著者としては、中国が国家のサイクルとしては成熟期から停滞期に向かっていることから、最終的にこの覇権戦争は米国が勝利すると予測しており、その上で日本が再び敗戦国側に付かないよう、今後の行動に関して注意を喚起している。本書は著者の無料メールマガジンをまとめたものだが、書籍になってもメールマガジン用の改行の多い文体までそのままで、かなり”白い”書籍。メールマガジンを読んでいる人は読まなくても良いと思うが、無
-
Posted by ブクログ
日本の生き筋
ある調査によると、日本人はあまり幸福を感じていないようだ。自分自身に満足していないし、将来に明るい希望も持っていない。満足度は先進国で最低とのこと。
あなたはどうだろうか?
著者は反対に「日本には、明るい未来が待っている」という。
著者の北野幸伯氏は、モスクワの大学を卒業し、そのまま20年以上モスクワに住みながら、様々な情報を発信している国際関係アナリスト。
著者が発行するメールマガジン『ロシア政治経済ジャーナル」は、日本最大のメールマガジン配信サービス「まぐまぐ」で日本一のメルマガにも選ばれているほど人気だ。
本書は、そんな著者の目から見た、日本がこれから明るい未来