リサ・ガードナーのレビュー一覧

  • 完璧な家族

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    リサ・ガードナー『完璧な家族』小学館文庫。

    あの『棺の女』の続編。ボストン市警の豪腕女刑事D・D・ウォレンと472日間にわたる壮絶な監禁・暴行事件から生還した女性フローラ・デインの二人の女性を主人公に新たな物語が描かれる。

    本作も読み応えのあるハードな物語だった。『完璧な家族』を願い続ける少女が抱える家族の闇。うねるような起伏に富んだストーリー展開。そして、哀しくも感動の結末。

    ある朝、平凡な家族が何者かに銃撃され、思春期の次女のローラと幼い長男のマニー、母親のホアニータとその恋人のチャーリーの4人の命が奪われた。唯一生き残った16歳の長女ロクシーは何故か2匹の犬とともに姿を消す。ロクシ

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    2022年02月09日
  • 棺の女

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    初読み作家。シリーズ第1作らしいが、なかなか読み応えのあるハードなサスペンス・ミステリーだった。冒頭に描かれた事件は物語のほんの導入部に過ぎないことに驚かされる。リアリティのある事件の描写、予想を覆す、展開の連続に600ページでは物足りないくらいの面白さだった。

    過去に472日間に亘る監禁・暴行事件から生還した二十代の女性フローラは再び、バーテンダーの男に監禁される。過去の監禁から生還後にサバイバル技術を身に付けていたフローラはバーテンダーの男を黒焦げの死体に変え、再びの生還を果たす。この事件の現場に駆け付けた主人公の女刑事D・Dは事件の捜査を行うが…

    と、これだけでも凄い物語なのだが、こ

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    2016年12月01日
  • 夜に啼く森

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    ネタバレ

    面白かったー。町の中の悪者だれだ??と思っていたら、最後の方で急に判明した。ずっと保安官疑ってたけど、町想いのいい人だったな。フローラも新たな人生に踏み出し、ネスの父親も判明。なかなかの回だったな。

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    2024年05月30日
  • 噤みの家

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    ネタバレ

    相変わらず面白いなあのウォレン刑事部長4作目。今まで読み飛ばしていたのか、白人だったことには今作でようやく気付いた。
    もう二度と読み返したくない(振り返りたくない)「棺の女」時代のエピソードが戻ってきたのにはデインならずも嫌な気分にさせられた。必要なことではあったのだが。
    弁護士の独白にはまんまと同情してしまい、不幸にならずに終わってほしいなあと思っていたらあの有様。まんまとひっかけられた。そしてうわ毒母(?)つよい。
    しかし現代が「NEVER TELL」だったのを知ると、訳題はちょっと凝りすぎではないだろうかとも思う。

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    2022年12月22日
  • 完璧な家族

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    ネタバレ

    ウォレン刑事部長のシリーズとしては10冊目らしいが、裏表紙の煽り文句通り『棺の女』の続編として読んだ。当初の混乱をよそに容疑者は着々と絞られていくので、犯人の予測は途中でついたものの、その動機については(犯人の視野狭窄もあって)予想外だった。殺すべき人間を選んで一気にかつ大量に殺してしまえる銃社会はやはり怖い。

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    2022年11月25日
  • 完璧な家族

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    酒に溺れてはいけない。人との距離をはかってキープするのは難しい。まして、子どもであれば。保護されていなければ。相手の価値観を理解しがたければ尚。ページをめくる手を止められないほど面白かったですが、同時にとても悲しいです。

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    2022年11月06日
  • 棺の女

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    『棺の女』…すごいタイトルだなぁと思いましたが、タイトルに偽りありません。(原題は "FIND HER" ...こっちの方が希望がありますね。)
    棺の女・フローラの目線で読むと、本当につらいです。でも、私は勇気ももらいました。どんな状況になっても「生きよう」と思い続けるフローラの、強さの源は一体なんなのか、興味がある方はぜひ読んで探ってください。なかなかに分厚い文庫本ですが、一気に読めちゃいます。

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    2022年07月15日
  • 噤みの家

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    イーヴィーは、夫コンラッドを射殺したのではなく、パソコンを撃っただけだと供述。フローラは自分を監禁していた男ジェイコブ・ネスが、コンラッドに会っていたことを思い出した。そして、イーヴィーは16年前に父親を射殺していた。

    第3作「完璧な家族」は途中でギブアップしたのに、なぜか第4作はすらすらと読めた。被害者の内面が延々と続くのは苦手なのかも。

    なぜパソコンを撃ったのか、夫は本当はどういう人なのか、段々と分かる真相は、すごく頷けるものだった。

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    2022年06月02日
  • 完璧な家族

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    アメリカではよく見聞きする里親制度、、壮絶です。完璧な家族なんてこの世にないのでは、と悲痛な気分にさせられます。子供は何も悪くないのに。
    そしてひどい事件に巻き込まれたらしいフローラがこんなに強くなれるなんて、驚きを禁じ得ません。こんなふうになれるもんなんですかね。警察関係者でもないのに事件について教えてもらえるなんて、全く関係ないけれど久能整くんを思い出してしまいました。

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    2022年04月03日
  • 無痛の子 FEAR NOTHING

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    女性の皮膚が無数に剥がされた遺体、連続殺人。D・D・ウォレン刑事は捜査の過程で怪我をし、痛みのコントロールのため精神科医アデラインにかかる。その医者は無痛症であり、父親ハリーは連続殺人鬼で既に死んでいる。そした姉シェイナも殺人犯として長年刑務所にいると分かった。そして今回の事件は40年前のハリーが起こした事件と似ている・・・

    おぞましい。久しぶりに激しくおぞましい話を読んだ。

    これの続編が「棺の女」だそうなので、翻訳は出るのが逆になってしまっているけれど、あまり問題はないように思う。

    父親も姉も殺人犯であるアデラインの苦悩たるや。かなり我儘なシェイナのキャラクターもいい。一つの時間が本人

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    2019年01月16日
  • 無痛の子 FEAR NOTHING

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    リサ・ガードナー『無痛の子』小学館文庫。

    シリーズ邦訳2作目。『棺の女』の前日譚。邦訳順が逆になったのでシリーズ第1作目ということになる。『棺の女』に比べると些かまどろっこしい感じがする。設定が面白いだけに非常に勿体ない。シリーズの第1作目ということを考えれば致し方無しか。

    小さな皮膚片を幾つも剥がされた女性の遺体。犯行現場を捜査していたボストン市警殺人課の女刑事D・D・ウォレンは、何者かに階段から突き落とされ、大怪我を負う。リハビリの過程で、D・Dは精神科の女医・アデラインと知り合う……

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    2018年10月15日
  • 棺の女

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    リサ・ガードナーといえば、ヴィレッジブックスのロマサスだが、小学館から本格サス出版。新境地開拓でも、さすがリサ様、ぐいぐい読ませる

    ボストンが舞台 誘拐監禁から生還したフローラ そのフローラが又もや災難に巻き込まれる(またか…もう、勘弁したってくれ)監禁中のフローラの心情をこれでもかとえぐる筆力に圧倒される。 
    それにしても、女刑事D・Dさん、フローラに冷たすぎませんか? D・Dの家庭は幸せそのもの。そんな、D・Dにフローラの何がわかるっちゅうねん⁉ムカムカ 
    Dr.サミュエルがフローラのママに恋してるってくだりいるのか? 全然いらないです。まったくもって余分です。リサ様のロマの血が騒いで、

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    2017年03月28日
  • 棺の女

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    ネタバレ

    だいぶんと前にFBIプロファイラーの”Killing Hour”を読んだ事があっておもしろかったような記憶があるんですが、今回翻訳版で読むのは初めて。デテクティブDDワレンのシリーズ8作目、今回の被害者はフローレンス・デイン、7年前にフロリダで女子大生をしていたときに、誘拐され棺桶に入れられ洗脳され472日間後に救出されたサバイバー。その過去と現在進行形の誘拐事件をクロスオーバーさせながらストーリーがすすむ。かなりセンセーショナルでグラフィックなのでホラーよりに感じる人もおるかも。一応ミステリ&スリラーやとは思います。とにかく、バラ入りするフローラの472日間の回想シーンは圧巻。が、いつもの私

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    2017年02月04日
  • 夜に啼く森

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    ネタバレ

    フローラ・デインものの恐らく最終作。生存者が生還者となり、日常の側に一歩踏み戻れたのは素直に喜ばしいシーンだった。あれの「父親」とのやりとりもなかなかよい。
    妙に活躍するキンバリー捜査官については、あとがきで別作品の主人公とは知って納得。そちらも気が向けば読んでみようと思う。
    それにしても、謎に包まれ続けた主犯の正体が急にバレる終盤のダイナミックさよ。いい意味で雑な処理のおかげでするする読めた。
    他、いつもの被害者応募企画で、大勢の友人に推挙してもらって作中で自殺したステイシーさんはそれで本当にいいのかと思わず笑った。

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    2024年04月10日
  • 完璧な家族

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    かなりしんどい内容。母親がシングルマザーでアル中。育児放棄とみなされ、施設に子供三人引き取られる。頑張って再生して、子供を引き取って新しいまともな恋人ともうまくやっていこうとしていたその時に、一家はある日銃で皆殺しにされる。16歳の長女を残して。大人が「これでいい」と思っている出来事がけして子供にいいとは限らず、子供と思っていても、体や心は大人の危険な環境と同じくさらされ、未完全なまま立ち向かわないといけないという。家族問題だけでなく、普通の大人の人間関係にも通ずる、痛い(ささる)内容だった。

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    2023年02月04日
  • 棺の女

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    ネタバレ

    カタルシスNo.1のハードサスペンス!とのことだが、確かに読み終えた今はそう感じる。
    でも読み終えるのが大変だった。

    誘拐された主人公の悲惨な状況、女性刑事D.Dの奮闘と独りよがりな性格。リサ・ガードナーは「無痛の子」が最初で2冊目に本作を読んだ。
    いつも特異な体験をした女性が出て来てD.Dと絡む。

    読み進めるのが辛くて時間が掛かるのが難点だが読み終えて暫く経つとまた読みたくなる。
    でも当分いいかな。


    作品紹介・あらすじ
    カタルシスNo.1のハードサスペンス!

    ガレージで発見された、黒焦げの男の遺体。殺したのは、男にさらわれ全裸で監禁されていた20代の女性フローラ。現場に駆けつけた女

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    2022年10月10日
  • 無痛の子 FEAR NOTHING

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    ネタバレ

    主人公がいきなり怪我して役立たずになってしまうという波乱の幕開け。それでも事件は連続して発生する。
    途中から無痛症の女性医師アデラインの語りになる。
    オチとしては、まあこんなもんだよな、という感じ。
    他の作品を読むかどうかは微妙。


    作品紹介・あらすじ
    手負いの女刑事が謎に迫る傑作サスペンス!

    自宅のベッドで殺された女性の遺体からは、小さな皮膚片がいくつも剥がされ、持ち去れていた。現場を検証していたボストン市警殺人課の女刑事D・D・ウォレンは、何者かの気配を感じたはずみに階段から転落し、左肩に大怪我を負う。リハビリ中、ペインコントロールのためにクリニックを訪れたD・Dは、精神科医の女性アデ

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    2022年06月04日
  • 無痛の子 FEAR NOTHING

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    ネタバレ

    翻訳本にありがちな、続編が話題になったので後から訳されたシリーズ前作品。「棺の女」で描写された主人公の怪我、てっきりラストで犯人と格闘してついたものかと思いきや、序盤も序盤で負ったものだったとは。本編中ずっと「痛み」と付き合っていくことになるのはテーマとして納得。エンタメとしては面白いように見せかけて話が重く(それも重い気分を味わずという種類のエンタメと言われたらそれまで)、ミステリとしては露骨なまでのミスリードが多い。もう少し面白くなりそうな気はするので、続編の翻訳に期待。

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    2022年04月10日
  • 噤みの家

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    リサ・ガードナー『噤みの家』小学館文庫。

    『棺の女』、『完璧な家族』の続編。今回はボストン市警の豪腕女部長刑事D・D・ウォレンと472日間にわたる壮絶な監禁・暴行事件から生還した女性フローラ・デインの二人の女性に疑惑の女性イーヴィを加えて、冒頭から驚愕の物語が描かれる。

    しかし、この後にもっと大きな展開があるのではと期待したのだが、驚愕したのは冒頭だけで、延々と平坦な展開と警察にとってはお間抜けな事実ばかりが描かれる。事件の真相も余りに偶然が重なり過ぎた上に普通だった。

    ある夜、ボストンの住宅街に銃声が響きわたり、警察が駆け付けると部屋に頭を撃ち抜かれた男性の遺体と12発の銃弾を浴びた

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    2022年04月09日
  • 棺の女

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    ネタバレ

    精神的にきつい描写が多め。これは本当に精神がきついという話で、肉体の損壊の描写を見て心が辛いとかではなく、人格崩壊プロセスとかそういう辛さ。共感できてしまうと割と嫌な気持ちになれる。
    主人公格のフローラは信用できない語り手と呼んでも差し支えないような印象で、作品としてのミスリードには何度も引っかかった。とはいえ全体としてはそこまで「おもしろかった」という感じにはなれず、このシリーズの邦訳が出ているとしても手に取りはしないと思う。

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    2022年03月25日