井熊均のレビュー一覧
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ゼロカーボンが騒がれる中、米中の国家戦略から今後の趨勢を占う本作。緻密な取材とデータに裏付けられており、関連本の中では現時点で間違いなくトップクラス。
中国のゼロカーボン戦略の強かさとその完成度に驚くとともに、日本での危機感の欠如に衝撃を受けた。
途中出てくる曼荼羅のみ微妙ではあったが、全般的に一読に値する本。
ゼロカーボンについて簡単に整理すると、元々1997年に制定された京都議定書ではCO2を削減しようというレベルであったが、環境悪化がより深刻となり、2016年のパリ協定において、CO2排出量を実質ゼロにするという概念にまで踏み込んだことで普及した概念。
EUの国々が中心であった宣 -
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化石燃料から再生可能エネルギーへの転換は、産業革命に匹敵する変化をもたらす――。ゼロカーボンの基礎から、新たな経済競争まで、脱炭素を巡る世界の動きを解説する書籍。
2020年の国連総会で、習近平国家主席は中国がカーボンニュートラルの実現を目指すことを宣言、世界が脱炭素に向かうことを決定づけた。欧米諸国は、この宣言によって「中国が世界の方針を決めた」ことに強い警戒心を抱いている。
大気中の二酸化炭素(CO2)には、地球の気温を上げる「温室効果」があり、その上昇を止めるためには、CO2の排出量を実質ゼロにする必要がある。「ゼロカーボン」とは、森林などによるCO2の吸収量(4%)を除いた「96% -
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ネタバレ北極は2030年代に氷がない夏になる。
パリ協定は自主性重視。
イギリスで石炭火力座礁資産論。採炭からの投資が撤退され、石炭採掘会社が倒産した。
カーボンプライシングは国ごとに負担が異なる。国境炭素調整が検討されている。
企業は環境にうといと投資されないため、危機に陥る可能性があってESG経営が盛んになった。
CSS=炭素回収
EVが本格化、
風力と太陽光では60%程度まで。水素はせいぜい10%、その他は火力などになる。
中国は太陽光発電でシェア80%、風力は中国国内が55%。蓄電池は、中国と韓国のシェアが高い。原子力も中国が新増設中。
太陽光は、発電コストが安い。次世代の石油。
スマートシ -
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ネタバレAIの歴史的な話から始まり、自治体業務へのAI導入の可能性や実証実験について、更にはAI導入によって自治体の仕事はどう変わるのかについて書いてあります。
本書を読む前からRPAによる事務作業の効率化くらいは想像できていましたが、税務、財務、法制執務、政策立案、果ては議会と、自治体業務の多くの分野へのAI導入について記されており、そんな未来がすぐそこに来ているのかと驚きました。(福祉の分野はあまり触れられていなかったので、やはりAI導入による大幅な効率化は難しいのでしょうか。保育所の割り振りについては導入してるみたいですが。)
きっと自治体業務へのAI導入は進んでいくでしょうし、そうするべきだと