黒木章人のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
陸で生活する人々は生涯知ることがないであろう、海上の無謀っぷりを追ったルポルタージュ。内容は衝撃的でどんどん読み進めたくなるのだが、無駄に長い文章が若干読みにくい。特に著者の下記の発言には驚いた。『自分は頭が良い特別な存在』という姿勢が文章の端々から滲み出ているように感じる。
「天下の『ニューヨーク・タイムズ』のフルタイムの事件記者である私が社の人材とコネを総動員しても、シンガポールとフィリピンの病理学者を見つけることはできなかった。」
「虐待の話を聞き過ぎると、虐待に対して鈍感になってしまう。さらに悪いことに、虐待というのは画一的なものなので、何回聞かされても毎回同じ話を聞かされているよ -
Posted by ブクログ
ジェイソン・ボーンなのか、ジャック・リーチャーなのか、そんなのを足して二で割るようなマット・ドレイク。どんなものでも調達し、どんなところからでも見方を調達する相棒の存在は、どこかしら特攻野郎Aチーム風味も感じます。
でもさぁ、意外に簡単に味方が亡くなってしまうところは、結構衝撃。『ええっ!』という感じです。なんやかんやで助かってしまうというご都合主義の描き方ではなかったですね。
一応、これで、『シリア・サンクション』からの物語は終わりで良いんですよね?シリアからつながる腐れ縁は、この作品で途切れたと言ってよいと思いますが、主人公のマットやフロド、ジェイムス・グラスもそろっているので、シリー -
Posted by ブクログ
元アメリカ海軍士官の著者2人が書いた壮大なフィクションアドベンチャー。
舞台は極東アジアの中国・日本・北朝鮮・そしてアメリカ太平洋艦隊。
ある凄腕テロリストが北朝鮮に潜伏し、影の仕事を請け負っていた。
そんな彼にある仕事が舞い込む。
それは、極東地域の緊張を高めて軍拡させること。
その仕事を彼は快諾したが、その心のうちには更なる大きなプランがあった。
とは言え、それはどこかの都市に爆弾を仕掛けることでも細菌をばらまくことでもない。
それはサイバーハッキングにより中国人民解放軍軍、日本国自衛隊、アメリカ第七艦隊の指揮系統を乗っ取り、互いに攻撃命令を出して、戦争を巻き起こす事。
それに立ち向 -
Posted by ブクログ
★3.5
ドローンが実戦で使われている、いまのロシアによるウクライナ侵略。実は、TV報道にはあまり出ませんが、ネット空間でのサイバー戦も激しく行われていたっポイです。
そんな現実にもある状況を描いたのが本書。本書は、サイバー戦から始まり、実戦へと移っていくんですが、こういうことあるよね。そう言えば、エドワード・スノーデンが、日本の重要インフラにはバックドアがあって、必要な時はそれを使っていつでも日本のインフラを壊滅できるとか言ってましたね。
アメリカが必要以上に、中国のICT企業の脅威をあおるのも、こういう事を考えている・・・、あるいは、起こりうると思っているからだと思います。
ちなみ -
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Posted by ブクログ
陸上での生活と違い、海上はまるで何世紀も前の奴隷のような暮らしを強いられている。しかも現在進行形で…。船員は乗船する時点でパスポートと携帯を没収され、社会から完全に隔離されてしまう。もし全船員がスマホを所持することができて、問題があれば写真や動画をインターネット上に即座にアップロードし、被害者の声を世界中に届けることができるなら、どれほど多くの人々が救われるだろうか。
そして政府は他国から航海中の船の査察が求められると、その船が籍を置く国の登録局が即座に船籍を剥奪し、問題に対して無関係を決め込む。旗国は管理監督を行わず、金さえ払えば船籍登録を受け入れる。金儲けしか考えていない腐った人間のなん -
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Posted by ブクログ
久しぶりに骨太のノンフィクション作品を読んだ。海、特に領海外での実態を生身の取材によって描いた作品。正直読んでいて決してよい気分にはならない。むしろ気分を害するといってもいい。それくらい、過酷な実態を書かれており、ここに描かれている実態が事実なのだという迫力もある。
たとえば、日本の捕鯨船を追うシーシェパードへの同行取材、法律の適用外となる領海外での妊娠中絶船の存在、違法漁船の人権を無視した過酷な労働実態と殺人行為、船を回収する専門家の活動、などなど。
読んでいて気分が悪くなる理由としては、日本が捕鯨活動をしているからでもなく、実際に自分自身が魚を好きで好んで食べているからでもある。魚のフ -
Posted by ブクログ
シリアにてスパイ活動に従事していたDIA工作員が主人公。
失敗した作戦がトラウマになり、腐っていたがDIAから呼び出しがかかり、またシリアに向かうことになる。
そのシリアではアメリカ軍特殊部隊隊員が処刑を待つ捕虜になり、その隊員を救出する作戦に従事することになっていた。
しかし計画は初めから頓挫し、ワンマンアーミーで救出作戦を実行することになる。
ストーリーと色々な言い回しはあまりにもアメリカっぽく、ちょっと微妙ではあったけどアクション描写はさすが。
そして主人公もスーパーマンではなく、しょうもないところで大けが負ったり、ボロボロになっても仲間を助けに行くので、応援したくなる。