原沢伊都夫のレビュー一覧
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外国人に教える為の日本語文法をつかった、日本人のための文法入門。小学校・中学校でも、こういう教え方してくれればいいのに、と心の底から思う。
いまさら文法? いやいや、日本語のしくみを学ぶということは、日本人がなにを大切にしているのかを学ぶということにもつながる。
例文として感心したのは、留学生がよく言うというこの文章。
■日本に来る時に、友達がパーティを開いてくれた
■日本に来た時に、友達がパーティを開いてくれた
英文法であれば「時制の一致」という法則に従うところ、日本語ではこの両方が存在して、しかもそれぞれ意味が違ってくる。前者は「もといた国で」、後者は「日本に来てから」パーティ -
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言語は使用している国や地域の文化を表している。
日本の自然と調和・共存するような言い回しが、他言語と比較するとはっきりと浮き上がってくるのはとても興味深かった。
2章(だったかな)の「日本語文法はコト+ムード(本書参照)で完成する」と言うのは初めのうちは何を言っているんだ、コトだけで文法上は成立するだろう、と思っていたが、7章で著者がその言わんとしていることを理解できた。
「〜は」=主題、「〜が」=主格という、三上章氏の主語廃止論も納得のいく理論だった。格という成分(主格・所格・共格・対格など)は全て主題となり得、その主題をどの格にしようが文章は変化しない。
【太郎がカフェで次郎とケーキを -
Posted by ブクログ
音声学、言語学など、一度は養成講座でやったものがきれいにまとまっている。
問題もあるので検定試験を受けるのにも役立つ。
曖昧だったものや、忘れかけていたものを思い出すのに便利。
ぜひ日本語教師養成講座でもこれを使って欲しい。
(私の学校ではもっと専門的な書を使ってましたが、分かりにくい上に、実際に教師になってから読み返すこともないので、この程度の知識がまとまってるので十分です)
また普通の読み物として、ところどころにあるウンチク話かが面白い。
いっこく堂がどうやって唇を動かさないで両唇音を発話できるかなど。
すみませんとI’m sorryの意味領域など、実際に教える場面でも使えそうなネタ