ジョセフ・E・スティグリッツのレビュー一覧
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本書は、左派の政治家やヒューマニストではなく経済学者が「格差の拡大が経済発展を蝕む」と主張し「大多数の人々に中産階級の生活を」と訴えた本である。
あくまでも経済学的な主張として格差拡大に反対していることに目を引かれる。
本書の表題を直訳すると「進歩的資本主義」となるが、その内容は限りなく「社会主義の香り」が漂っている。
政治も経済も、今世界中が不安と不満に満ちている。その答えを探して世界中の人々が首を傾げている現在、本書には多くの閃きがあると思った。
2008年リーマン危機後の対策が結果的には富裕層のみを潤した結果となった
。今回のコロナにおいても同じだろう。各国政府の巨額のバラマキは、経済シ -
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左派ケインジアン経済学者であり2001年のノーベル経済学賞受賞者であるスティグリッツによる資本主義の適切な見直しとその実行のために必要な政治改革についてまとめた論考。
スティグリッツが問題視するのは、アメリカで顕著に発生している1%の超富裕層と、低所得者層の格差/断絶である。その原因は、伝統的な共和党及びドナルド・トラソプ政権での政策が、超富裕層を優遇しており、資本力と政治力の相互依存関係を打破すべきと説く。
具体的な処方箋としては、
・累進課税的な税制により富裕層への増税を課す
・民間での投資インセンティブが低く、公的な投資を行わなければならない社会インフラ(教育、基礎研究、医療・社会保 -
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経済を発展させるのはイノベーション。
イノベーションを起こす土壌はラーニングによる知識のインプット。
知識へのアクセスを向上させる社会の形成が必要。
ラーニングの重要性、ラーニングを促進する環境、ラーニング・ソサイエティの形成に必要な政策について。
政策部分について、他国との関係において、市場の開放・金融市場の自由化では比較優位を形成できない因果関係は、新しい観点だった。
(将来を考慮に入れた)動学的比較優位形成のためには、知識の展開が望める、ラーニングの大きな産業を保護する必要がある。(現在の)静学的比較優位に囚われない決定が必要とのこと。
国の話だから政策による決定。
一方、自分の話 -
スラヴォイ・ジジェク / ジョセフ・E・スティグリッツ / エリック・カウフマン / ジェイソン・ヒッケル / ジョセフ・ヘンリック / ジャック・アタリ / ミチオ・カク / ジェレミー・リフキン / 大野和基
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ネタバレ難しいテーマは丸々1冊だと読み切れないけど、インタビュー形式で読みやすい。
人口動態が変わっていわゆる白人中心・優位な時代が終わりつつあり、多極化やトランプ政権など国際政治の状況も様変わりで、価値観や政治が不安定化している、という現状分析が多かったかと。世界がどこにどう向かうのか、帯の「「常識」の時代は終わった。「力が正義」の時代が始まる」は暗澹とするけど、ある程度ニューノーマルとして現実を認識する必要はあるのだろうな。
興味深かったのは、ジョセフ・ヘンリック(人類学者)のパート。
・WEIRD(西洋の、教育水準の高い、工業化された、裕福な、民主主義の)な特性(個人主義、他人への信頼、傾向性 -
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行動の自由とトレードオフを切り口に、「なるべく多くの市民の自由を向上させられる可能性が最も高い経済・政治・社会システム」として、進歩的資本主義を提唱します。それは、「あらゆる市民のウェルビーイングを中心に据え、物質的な財にとどまらず安心や自由まで組み込んだ枠組み」であり、ルールや規制などによる「力の分散が中心的課題」で「社会正義という目標」があります。
ある新聞に2025年にエコノミストが選ぶベスト書籍に本書がなっていたのですが、何か腑に落ちない感じがします。「現在こそが、失敗が明らかになった新自由主義を放棄する歴史的瞬間なのだ」という言葉に、勇気づけられた方が多かったのでしょうか。著者の考 -
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新自由主義を一方的に批判している本。ミルトン、ハイエクという20世紀に台頭した新自由主義の2大巨頭を全く分かっていない人達と断ずる。著者のスティグリッツは、民主党の経済的顧問だったからか、共和党を真っ向から批判する。新自由主義においては、小さい政府が望ましいが、そのせいで適切なルールが形成されず、富裕層の自由ばかりが優先され割を食う不自由な人達が増えたとする。本書でも例えられていた信号機の例は分かりやすい。信号機というルールがないと、交通ルールが制定されずまともに車を運転するという自由を失うというロジック。信号機と経済主義をアナロジーで語るのは若干無理があるように感じるが言いたい事は何となくわ
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Posted by ブクログ
スティグリッツ氏が新自由主義の誤りを説明し、あるべき未来の方向性を示そうとする本。
氏がこの本をトランプ二次政権前に刊行したのは余程の危機感があったと考えられる。結果は残念ながら氏の懸念を払拭できず、より一部の富裕層の富が政治的法的に守られていく方向になっている。本を読み、アメリカはよほど自由の国から離れてしまったのかと改めて思った。
中身としては、新自由主義の誤りを説明することはわかりやすい。特に印象的なのは、
ある自由が別の自由を制限する際、トレードオフをよく考えるべき 例銃を持つ自由 銃にさらされる危険からの自由
選好は環境によって左右される
新自由主義が育てる人間性はそもそ -
Posted by ブクログ
主に自由と言う観点から現在の新自由主義的資本主義を批判する。
ある人の自由は他の誰かの自由とトレードオフであり、一方の自由の拡大はもう一方の自由の縮小になるとして問題点を指摘する。
資本主義を自由と言う概念から解説するのは個人的に面白かった。
誰かがお金を集める自由を行使すれば誰かのお金を使う自由を制約する。
いわゆる搾取。
自由な市場は効率的であり、効率的な社会は自浄作用のように行き過ぎた問題を解決するため、政府による働きかけを否定する。
いわゆる見えざる手。
ケインズ主義の否定と氷河期世代の誕生。
こういった自由と権利を主張する旧経済学の間違い、修正点を事例を挙げながら批判している。