エイミー E ハーマンのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
アートの読解を通し観察力を磨く、という主旨の一冊で、アートそのものの読解というよりは日常生活における認知バイアスや視野狭窄、フレームをメタ認知するためのツールとしてアートを活用している、と理解した。
後半に行くに従って、アートとの関連性はそこまで高くなく、なぜアートを題材にしているのかという疑問が湧いてきたというのが正直な感想。
一方で、本書の冒頭にある「出くわしたことのない不確実な状況で物事を判断することと初見のアートを観察することに大差はない(大意)」という主張はなるほどと思わされた。であればこそ、アートである必然性もあるのだろう。 -
Posted by ブクログ
邦題に「名画読解」とありますが、名画の読み解き方ではなく、アートを通して観察力を磨く方法がテーマです。
著者はFBI・CIAや大手企業 にアートを通じて観察力・分析力を高めるセミナーを行っています。本書にも様々な絵や写真がカラーで掲載されており、著者のセミナーを受けるのと同じような体験ができます。絵や写真を暫くの間見ていても全く気づかなかった事物の存在を知らされたり、見る人や立場によって見えるものが異なることを実感できたりと、発見が多く飽きることがありません。さらに見たものを伝達する際に事実だけに絞ることの難しさを、いくつかのワークを通じて教えてくれます。
これを読むと、美術鑑賞がさらに面白く -
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Posted by ブクログ
ネタバレ絵画の鑑賞方法というよりは、絵画の鑑賞を通して観察力を磨くことを目的としている。
見ているようで見ていないということは、よくあることだ。
それを意識的に絵画を鑑賞し、優先順位をつけて説明することで、観察力を磨き、他人にわかりやすく伝えることができるようになる。
絵画にはさまざまな情報が含まれている。絵そのものだけでなく、額縁も重要だ。また、さまざまな視点を考えてみるのも有効だという。
絵画の情報を、主観をとりのぞいて鑑賞し、誰がいつどこでなにを、などの情報を収集する。絵画から得られた情報だけでなく、欠けているものはなにか、ということについても考察する。
私達は主観をまじえて物事を判断しがちだ。 -
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Posted by ブクログ
たまには文化的教養も身につけねばということで、最も苦手な部類である絵画に関する著書を読んでみた。その名も「観察力を磨く名画読解」。しかし、読んでみると、人間の認知のメカニズムなどにも触れながら観察力をどう身につけるかについて、解説しており、美術の解説書ではなく、ビジネス書といった方がふさわしい内容であった。今朝オーディオブックで自助論を聴いていたら、細部の重要性を説く一節があったが、本書はまさに細部の観察が、時に生死をわけることもあるほど重要であることを語っている。
「幸いにも、脳は生まれてから死ぬまで、学びによって新しいシナプス接続をつくり、古い接続を強化することができる。つまり学びつづ