エドワード・ケアリーのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
【あらすじ】
その昔は荘厳な貴族の館としてそびえ立っていたが、今や古く汚い集合住宅と化してしまった、望楼館。
誰も寄り付かないこの館に残った、孤独で奇妙な7人の住人。
だが、望楼館にやってきた新しい住人によって、彼らの忘れられた過去が蘇り、向き合うことになる。
【感想】
ジョジョの敵キャラだけを集めて話を作ったら・・・? というお題を出されたらこの本を出せば良い。というほどに登場人物全員が異質で奇妙で偏執狂的だ。
特に素晴らしいのが主人公の性格がめちゃくちゃ悪い事である。息をするように物を盗み(彼の言葉では蒐集)、自分のコレクションにする。しかも、この「盗む」ことが重要で、社会から外れた主人 -
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Posted by ブクログ
エドワード・ケアリーはとにかく日常に溢れる小物達、特に日用品達を生きている対象物として描く事が持ち味なんだけれども今回もその味わいがこれでもかと発揮されていた。ストーリーはピノッキオの生みの親ゼペット爺さんが魚の腹で独り暮らしていた時の話。爺さんが孤独を紛らわす為に手に入ったもので日記を書き、絵を描き、粘土細工をして正気を保とうとしているその様が少しづつ崩れていって時折狂気じみてくるのが圧巻。小物が最初は心を慰めるものであるのにやがて心を苛んでいくものとなっていくのがみててこちらもとても苦しい。延々と爺さんの1人語りなのでこちらも息を詰まらせつつハラハラとしてページをめくっていた。
エドワード -
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Posted by ブクログ
吹き溜まり
1. 雪や落ち葉などが、風に吹きよせられてたまっている場所。
2. 行き場のない人たちが、自然と寄り集まる所。
「吹溜りは孤立した部屋で見つかることになっている」
「ご存じのように、大半の吹溜りはあえて沈黙しているが、言葉を発するものもいる」
最初の「吹溜り」を読んだ時に、大好きな、「アイアマンガー三部作」を思い出しました。上記の、哀愁ある雰囲気の中にも、茶目っ気溢れる様が、奇妙さと共に、親しみやすさを感じさせるところなんか、まさに一緒です。
ただ、どうしてもイラストの怖さに目がいくと思うのですが(表紙を見るとね)、物語を読んだ後は、その印象も変わると思います。もちろん、イ -
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Posted by ブクログ
ネタバレアイアマンガー3部作の2作目…というか、第2巻。
前巻のゴミだらけで煙ってて薄汚いイメージがさらにパワーアップした本作。ゴミの山とロンドンの間にある「穢れの街」を舞台に、10シリング金貨になってしまった(?)前作の主人公を探す、前作のヒロイン(っぽくないが)が大活躍する。
本作で一番気になる人物が「ビナディット」。この男、ゴミの山で生まれ育ち、ゴミを服装どころか皮膚のように身にまとい、身体にうごめく昆虫や小動物を食して生きているというとんでもない汚物人間。ゴミどもに「父」と慕われるこの男がヒロインとキスをするシーンがあるのは圧巻。こんなに萌えないキスシーンは初めてだ!
前作同様、本作もと -
Posted by ブクログ
ネタバレスチームパンク?…ともまた違うか。塵芥を集積したロンドン郊外に住むアイアマガー一族と彼らの召使とその皆が住む大きな屋敷の物語。
塵芥の山に立つ屋敷が舞台なのだから、汚れに汚れた不潔な世界観、人間関係もゴチャゴチャ、登場人物たちも好人物っぽいのは一切いない。主人公もなんだかフワフワだし、ヒロインは泥棒だし、それ以外の全員が悪役的。なのに、そのすべてがちょっと気になるというか居心地がいいというか。なんという世界観だ、これ?
この1冊だけを手に取ってみたが、早く続きが読みたい。
ところで、3部作というより、全3巻なのではないだろうか?でないと、このラストは締めになってないぞ。 -
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