町井登志夫のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
さわや書店が大きなポップでオススメしていたので思わず購入。久しぶりの一気読み。
【ザッと内容】
聖徳太子、小野妹子の半世紀に渡る隋国との戦いを綴った歴史小説。主人公は小野妹子。元々下級豪族だった小野妹子がひょんなことから聖徳太子と出会い、倭国と隋国の戦いに巻き込まれていく。
倭国と隋国の戦いといっても、当時は圧倒的に隋の方が国力が大きく、小さな島国の倭国など隋に攻め立てられれば瞬殺であった。
倭国は朝鮮半島で交流のあった高句麗や隋国反乱軍へ支援を行い、何とか隋の攻撃が倭国が及ばないように試みる。圧倒的な国力を持つ隋に倭国支援軍はどう戦うのか!?
聖徳太子の知恵や「聡耳」と呼ばれる異能が鍵を握 -
Posted by ブクログ
爆撃ってなによ、爆撃ってとまずタイトルに呼ばれて購入。そして読み始めてすぐ引き込まれた。すごい。すごかった。怒涛の勢いで読ませる読ませる。途中、高句麗と隋の戦いのあたりで延々戦闘シーンが続いたときは少しだれたけど厚さのわりに字数は少ないのかさくさくっと読み終わった。そして面白い。でもただ面白いだけじゃなくて恐ろしさもあるし、なぜ人は戦争をするのかという問いかけもある。ただラストで煬帝がありきたりな平和を口にしたときは違和感というかご都合主義的なものを感じたけどそんなことは問題ないくらい良かった。
また、この切り口は確実に初だ。聖徳太子といえば古代史のスーパースターで天才で山岸涼子の漫画的には超 -
Posted by ブクログ
びっくりするような本でした。
びっくりする文体、一文一文が短く、口語にかなり近い感覚で読めます。
聖徳太子(が一度に10人の話を聞ける逸話からヒントを得た)がめちゃめちゃ聡い(けどとんでもなくアブナイ奴)設定で繰り広げられる隋との攻防戦。
小野妹子が隋に派遣された前後のお話で、なぜ聖徳太子が隋に派遣し文書を煬帝に送ったのか、をキーワードに、隋と倭国の未来、ひいては現代アジアを見据えての問題提起なのかな、と考えながら楽しく読みました。
常に笑いながらびっくりしながら、歴史に翻弄される妹子と一緒の目線で読め、なぜ聖徳太子が妹子を派遣したのか、振り回される中で妹子にとっての「働く意味」が少しずつ変 -
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聖徳太子が実在しているとするならば。
歴史に足をつけている小説のはずなのに、奇人の聖徳太子が現れると『とんでもないこと』が起きる。……というのはいささか誇張気味でしょうか。
けれども飛鳥時代の人々にとって国内外問わず、聖徳太子のやることなすこと理解しがたく、主人公である妹子は長く彼に対しての愚痴を漏らしています。
そんな聖徳太子の存在、敵国隋、戦争、沢山の人々が動いて戦ってその果てに、という小説です。
聖徳太子は面白い、面白いけど出てくると不安になる、個人的にあまり類を見ない小説で、そこが楽しくもありました。
とんでも聖徳太子が一発ネタに終わらず、最後まで読んで歴史を見届けてこその物語だと思 -
Posted by ブクログ
はまる人にははまるだろうが、俺ははまらなかったので決して面白くはない。
面白くはないが、印象に残る。そんな本。
「何ということだ。あいつ、あいつは何をしてくれたんだ。厩戸皇子」
「あいつは気がふれているのだ」
今までの聖徳太子像からかけ離れている。奇人、狂人、その類。
完全に頭が向こうの世界に逝ってる聖徳太子に振り回される主人公は小野妹子だ。
神出鬼没に現れる聖徳太子の一言で、琉球、朝鮮、果ては中国の大地の戦に幾度となく巻き込まれては死にかける。
そしてラストはタイトルどおりの”爆撃”を繰り返す。
この物語、ぶっ飛びすぎている。だからこそ、記憶に残る。