山本悦子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
山本悦子さんの児童観と日常の描き方がすばらしく、ぐっとひきこまれた。
ミステリーみたいな大事件は起きなくても、毎日の日常が、子どもたちにとっては大きな事件。毎日を生きて人と関わっていく中で、自分の心を素直に表現して成長していく、そんな日常を描いているだけなのに心をつかまれた。
さらに、いわゆる「社会問題を訴える本」と構えているわけではないのに、十分身につまされる。
わたしの感嘆ポイント3つ。
1 異学年集団の子どもたちが、それぞれに自分を表現しながら自分の役割を果たしていること
2 ティアラちゃんのママがつばさくんの大ばあちゃんを助けた場面 (最後の場面には出てこないけど、ちゃんと存在している)
3 まきちゃんがお母さんの言いなりにならずにしっかりつばさくんをまもりつつ、母の言うこともわかるというバランス感覚のよいところ
後半登場するセイコさんは、マツコさんだな。ピリッとスパイスになっているところもさすが山本さんだと思いました。
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Posted by ブクログ
【ポップ】
海斗は自称ボーダレス・ケアラー。
認知症の祖母を手助けしたり、ボーダーの世話をしたりしている。
ボーダーは生きている人の世界と死後の世界を分ける境目で毎日を過ごす。毎日毎日、何年も何十年も、同じことの繰り返し。なぜそこに居続けるのか、何をしたいのか、自分が誰なのかさえわからない。幸せなのか?…幸せって?わからない…というか、何も感じない。
海斗は、そんなボーダーの力になりたくて、あちこち走り回る。誰も頼んでないのにお節介だよね。
海斗がどうやってボーダーをケアしたか知りたいでしょ?
【感想】
死ぬ時って、どんなことを思うのかな?
事故で一瞬のうちに命を失うとしたら?
それでも、心残りな事があるのかな、大事な人のことを考えるのかな…。
映画の中だと、一瞬が、まるで長い時間のように感じられて、昔からの思い出がずらずら〜っとめぐるのだけれどね。
自分は何を思うだろう?
いつも感謝しながら生きようと思った。 -
Posted by ブクログ
大学の夏休みの間、認知症のおばあちゃんのケアを母にバイトとして頼まれてすることになった海斗。
おばあちゃんの日課はもうすでに死んでしまった飼い犬・豆蔵のリードを掴んで豆蔵の散歩をすること。
最初はなんとなく同行していただけの海斗だったが、そのリードを握ると豆蔵を始め、死んだけれど心残りがあって死にきれない人や境目にいるボーダーという存在が見えるようになり、ボーダーの中でも異色なセーラー服の中学生女子、セーラとも出会った。
ケアをする人に自分が向いているのではないかと思った海斗は、ヤングケアラーことボーダレス・ケアラーを自称し、様々なボーダーに関わってゆくが…その結末は?
一気に読み終えた。
深刻すぎず、でもなにか胸にあたたかなものが残る読後感で、読んで良かったと思える。
海斗とセーラのやり取りは見ていて微笑ましいし、海斗の様々なボーダーや生きている人との出会いを、あたたかな気持ちで読める。
他人のために必死になれる海斗の性格も気持ちいい。
生きてても、生きてなくてもお世話します。という副題が柔らかく胸に沁みる。
世代を問わず読んでほしい作品だ。ドラマで見てみたい気もする。 -
Posted by ブクログ
そうだった、こんなふうだった、って、読みながら3年前のことを思い出しました。
マスクをしなければならないって言われても売ってないのにどうすればいいの?
とか
教室で消しゴムを落としても拾ってあげてはいけない
とか
ついに○○県にも感染者が
とか
そのせいで引っ越さなければならなくなったとか
今思うと狂気としか思えないようなことも…
確かにコロナ前から、特に女子中学生にはマスクつけっぱなしの子がけっこういたなあ、ということも思い出しました。
「自業自得なんて人はいない」
「病気なんだから、かかった人が悪いわけじゃない」
コロナを中心にしながらも、いろいろな家族の複雑な事情がさらっと盛り込まれているのはさすがだと思います。
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Posted by ブクログ
コロナ禍のなかの中学生の5人、それぞれの視点から語られる5編による物語です。
マスク着用が義務化されたことで周囲にとけこむことができるようになったマスク依存症の子、シングルマザーの家庭で自粛要請の下で水商売を続ける母をもつ子、不登校だったがコロナでの臨時休校を機にイメージチェンジと再登校を狙う子、家族全員がコロナに感染し一人取り残される子、かたくなにマスクをつけずにフェイスシールドで過ごす子。
それぞれに抱える「悩み」は、決してコロナ禍に特有のものではなく、小学生・中学生という思春期にはよくあるものです。
コロナ禍という異常事態であっても、中学生の悩みは変わりませんし、マスクの義務化や自宅待機などこれまでになかったような事件が起こっても、一つひとつ乗り越えながら成長してゆく様子には勇気づけられます。
これまでのYA作品にはない、「コロナが始まってから不自由な学校生活を余儀なくされた中学生」が主人公なのが、ちょうどいまの中高生の姿をリアルに描き出しているように見えますし、親近感を持って読むことができるのではないかと思います。