あらすじ
「ボーダー」とは、死後の世界へ行かずに生と死のはざまに立っている存在。ある日ボーダーが見えるようになってしまったおれと、中学生ボーダー・セーラのひと夏の物語。ささやかな思いの一つ一つが人生のかけがえのない一コマだと気づかせてくれる。
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Posted by ブクログ
死を扱う作品だったので、
重たいかなと思いきや
全体を通してほっこりする話で
読み終わったあと、幸せな気持ちになりました
何度か泣きそうになりました
Posted by ブクログ
【ポップ】
海斗は自称ボーダレス・ケアラー。
認知症の祖母を手助けしたり、ボーダーの世話をしたりしている。
ボーダーは生きている人の世界と死後の世界を分ける境目で毎日を過ごす。毎日毎日、何年も何十年も、同じことの繰り返し。なぜそこに居続けるのか、何をしたいのか、自分が誰なのかさえわからない。幸せなのか?…幸せって?わからない…というか、何も感じない。
海斗は、そんなボーダーの力になりたくて、あちこち走り回る。誰も頼んでないのにお節介だよね。
海斗がどうやってボーダーをケアしたか知りたいでしょ?
【感想】
死ぬ時って、どんなことを思うのかな?
事故で一瞬のうちに命を失うとしたら?
それでも、心残りな事があるのかな、大事な人のことを考えるのかな…。
映画の中だと、一瞬が、まるで長い時間のように感じられて、昔からの思い出がずらずら〜っとめぐるのだけれどね。
自分は何を思うだろう?
いつも感謝しながら生きようと思った。
Posted by ブクログ
読みやすくスッと物語の世界に入ることができる。
文章全体に優しさが含まれているように感じる。非現実的なストーリーではあるけれど、読み終えた時温かい気持ちになれる本。
Posted by ブクログ
ボーダーライン、それは生きてる人と死んでる人の境目。ボーダーラインに立っている人たちを助けたい一心で動くその原動力も素晴らしいなと思ったが、1番感動したのはおばあちゃんへの思いやりやそばに付き添ってあげたいと思う気持ちが伝わってきて心が温かくなった。
相手のために何かしてあげたいと思えるその心を自分も常に持っていたいと思った。
最後の展開にはびっくりしたが、ハッピーエンドで心がほかほかした。
Posted by ブクログ
ヤングケアラーの類かと勘違いをし読み始めた。表紙からは想像できない明るい話。
夏休み、惚けたばあちゃんを見守るバイトをすることになった。ばあちゃんは毎日律儀に死んだ愛犬の散歩をする。
付き添う海斗がリードを持つと、そこには尻尾を振る愛犬が居た!
ボーダレスとはこの世に何かしらの未練のようなものを残して彷徨う者のこと。
海斗は自ら、ボーダレス・ケアラーとなり、セーラが彷徨う理由を探すことにした。
合間に行く海の家のバイト先での会話も楽しい。
#中高生
Posted by ブクログ
児童書だけど、大人も楽しめる。
タイトルからヤングケアラーの話かと思ったが、意外なボーダーレスだった。
認知症が始まったおばあちゃんの世話をすることになった少年、でもおばあちゃんの不可解な言動には、ちゃんと理由があるようで、、、。
弱い立場の人に寄り添った話が多い山本悦子さんの小説は、ぜひ親子で読むのがいい。
Posted by ブクログ
大学の夏休みの間、認知症のおばあちゃんのケアを母にバイトとして頼まれてすることになった海斗。
おばあちゃんの日課はもうすでに死んでしまった飼い犬・豆蔵のリードを掴んで豆蔵の散歩をすること。
最初はなんとなく同行していただけの海斗だったが、そのリードを握ると豆蔵を始め、死んだけれど心残りがあって死にきれない人や境目にいるボーダーという存在が見えるようになり、ボーダーの中でも異色なセーラー服の中学生女子、セーラとも出会った。
ケアをする人に自分が向いているのではないかと思った海斗は、ヤングケアラーことボーダレス・ケアラーを自称し、様々なボーダーに関わってゆくが…その結末は?
一気に読み終えた。
深刻すぎず、でもなにか胸にあたたかなものが残る読後感で、読んで良かったと思える。
海斗とセーラのやり取りは見ていて微笑ましいし、海斗の様々なボーダーや生きている人との出会いを、あたたかな気持ちで読める。
他人のために必死になれる海斗の性格も気持ちいい。
生きてても、生きてなくてもお世話します。という副題が柔らかく胸に沁みる。
世代を問わず読んでほしい作品だ。ドラマで見てみたい気もする。
Posted by ブクログ
亡くなったワンちゃんにリードを付けると
ボーダレスな人たちが見えてくる。
面白い発想。
小気味よく読み終えられ、
なかなかの良作でした。
Posted by ブクログ
夏休みの間、一人暮らしで少し認知症の祖母の世話をすることになった海斗。死んだはずの祖母の愛犬、豆蔵のリードを持つと豆蔵や心を残した亡くなった「ボーダー」が見える。うん、良かった。いい物語。海斗の優しさが人を救う。
Posted by ブクログ
タイトルからどんな話なのかな…と思っていたが、思っていた以上に面白かった。
介護施設に入る予定の、初期認知症のおばあちゃんが、死んだ飼い犬のリードを持って散歩している、と近隣住民から連絡があり、仕事をしている母に代わって、施設に入居するまでの数ヶ月間、夏休みのバイトを兼ねて同居して見守ることとなった海斗。
ばあちゃんは、「豆蔵」が今も生きていると信じていて、決まった時間にリードを持ち出すのだが、なんとリードを触った海斗にも、うっすら透けている豆蔵が見えたのだ。
それから、海斗のボーダレスケアラーとしての日々が始まった…。
(あの世とこの世を分ける線、そこに立ち止まったまま、どちらにも行けない「人=魂」をボーダーという)
主人公の大学生、海斗の語りで進む物語。
単純で前向きな海斗のおかげで、暗くなりがちな設定も引きずられることなく、サクサクと読める。
ボーダーを超えて旅立つ魂、ボーダーに残る魂、色々な思いを受け止める海斗の語りが優しい。
2021.1.7
Posted by ブクログ
とりあえず児童書扱いだけど、ヤング向けで十分だと思う。いわゆる「幽霊が見える」話だが、彼らを怖がったり騒いだりすることなく、優しく接する主人公が素敵。この世に思いを残してボーダーとなった魂たちに向けるまなざしは生きてる人へのそれと変わりない。
常々「幽霊スポット」とかで騒ぐ人たちに違和感があった自分としては、こうした本を多くの人に読んでもらって、「生きていた人」への扱いを考えてほしいものだと思う。
挿絵目当てで買ったけれど、思わぬ拾い物をした気分。
Posted by ブクログ
夏休みに、認知症の祖母の見守りを親から任された主人公。
数ヶ月前に亡くなった祖母の犬を、祖母は まだ生きていると思っており、犬の散歩を毎日欠かさずやっている。
主人公は、その行動を見て、認知症だからかなと思っていた。
しかしある日、主人公が、祖母の犬のリールを持つと数ヶ月前に亡くなっていたはずの犬の姿が見える。調べた結果、犬のリードを持った時だけ犬の姿が見える。
このように、うまく成仏できていない存在が犬以外にもいることが発覚した。
主人公は、上記のような人たちがなぜ今のような 姿になっているのか背景を調べ、その人にとって、一番幸せな選択肢(成仏した方が良いか、そのままの方が良いか)をみつけ、ケアしていく物語だった。
僕は全く霊感がないから分からないが、もしかしたら、僕たちの世界でも、このような人達がいるのかなと思った。
もしそのような人達を見つけたら、主人公みたいに、冷静に対応できないだろうなと思った。