榊淳司のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
昨年(2020)は開催予定であった東京オリンピックは今年に延期されることになって、現在のコロナ感染状況を見ると、開催されるかどうか不明な状況です。仮に東京五輪が開催されたとしても、その後で不況になる、土地価格が下がると予想されていましたが、現在では五輪とは関係なく、コロナの影響によって不動産価格が下がる物件が多くあるようです。
この本によれば、つい数年前までは人気の高かったエリアやセレブの象徴でもあったタワーマンションで激変(暴落)が起きるとしています。その代わりに人気が出てくるのが、テレワークで仕事が起き変われることが証明された業界や会社に勤務していた人が、会社の近くである東京付近に住む必要性がなくなって、郊外や今まででは通勤対象以外のエリアに住む動きもあるようです。
私の場合は在宅勤務が今年の2月末で、まる一年となります。確かに在宅勤務の良い部分はありますが、懸念される点も確かにあり、私としてはメインはオフィスに行って、在宅勤務を週に2回程度認めるのが良いかなと思っています。しかし世の中の流れには逆らえない、逆らうべきで無いことも理解しています。この本を読んで、在宅勤務のあり方も見直す良い機会となりました。
以下は気になったポイントです。
・社風が合理的で社員のレベルや意識が高い企業ほど、リモートワークが向いている。そうでない企業はリモートワークを取り入れたことによって業績が悪化していることが多い(p6)2020年の日本経済はマイナス成長が確実であるがマンション価格はまだ下がっていない。その理由は、政府の景気対策が効果を上げていて不動産価格の動きは景気動向から半年以上は遅行するから(p7)
・新型コロナは早くても2021年一杯、遅ければ2022年以降に終息すると考えるべきである。2020年に湾岸の中古マンションに急いで住み替ええた人は、コロナ終息後もそこを気に入ってすみ続けるだろうか(p16)金融機関で返済猶予が認められた場合の期間は6花月、その間に返済再開のめどが立たなければ任意売却となる。従って、2021年明けから中古マンション市場では売り物件が急増しそうである。任意売却は通常売却と異なるのは、期間内(3ー6ヶ月)に必ず売らなければならないという縛りがある(p19
・そもそもタワマンは昼間に全住民が在宅することを想定して造られていないので、ステイホームによってあらゆる場所(共用施設など)がキャパオーバーになっている(p36)
・東京湾岸エリアには、晴海フラッグ以外に、有明ガーデンもあり、新型コロナによって運命を狂わされた街である。2020年6月に2ヶ月遅れで開業した。その面積や規模は隣接エリアのららぽーと豊洲に匹敵、ただしここも晴海フラッグ同様、著しく交通の便がよくない(p54)
5階建て程度のマンションであれば、住戸と住戸の間を隔てる戸境壁は鉄筋コンクリート構造であるが、20階以上のタワマンの場合は、荷重負担軽減のために戸境壁に使うのは、乾式壁というもの。隣人の音が聞こえやすい(p75)
・リモートワークの普及は、十数年間続いた「都心回帰xタワマン」の流れを変えつつある。そして郊外への移住トレンドや戸建て信仰は昭和の時代に逆戻りしたわけではなく、むしろ新しい流れを作ったと解釈すべきである(p85)ベッドタウン(寝に帰るだけの街)という価値観、大型ショッピングセンター併設、という平成型の住まい選びはコロナによってガラガラと音をたてて崩れ始めているようだ(p101)大都市圏の住まい選びも、ジワリとトレンドを変えている(p103)
・最近人気となっているのは「赤羽」、都心や埼玉、神奈川へのアクセスの良さ、複数ある大型商業施設も子育て世代を惹きつけている。昼間から飲める「せんべろ(1000円で楽しく飲んで酔える」目立てに引っ越してくる若者も多い(p106)
・将来のいつかに住宅を売却するつもりなら「駅徒歩10分以内」という交通スペックは守ってほしい、住宅余剰が顕著となる10年後、20年後には「徒歩15分以内」まで検索範囲を広げてくれる買い手はほとんどいなくなる(p107)
・リモートワークは多くのビジネスマンを居住地の都心(あるいはその近辺)縛りから解放した、これは日本にサラリーマン(戦前は勤め人、と呼んだ)という人生形態が大正時代に登場して以来100年ぶりの働き方の革命的な変化である、ただ変化はまだ始まったばかりである(p108)
・開業直後は物珍しさで人が集まってくるが、江東区の五輪エリアも海浜幕張も今まで開発されなかったのには理由がある、立地の魅力が薄かった、つまり人を集めにくい交通の不便さが際立つエリアである(p137)
・テイクアウトも500円弁当も昼夜問わずやったが、平日は街が空っぽ状態で、買う人も少ない。やっぱりお酒が出ないと利益はほぼなかったというのが現状である(p142)
・秋店舗数として表面化しているのは実際の閉店数の国一部である、閉店を余儀なくされた個人営業の飲食店の多くは、退去時の現状回復費を捻出できず、店は閉めても引退契約は継続中というところもある。(p145)
・政府によるキャンペーンのせいで、ホテルに実質半額で泊まれるようになり、頼みの綱の国内旅行者は通常の予算よりワンランク上の宿泊施設に泊まりたがり、コスパが売りの民泊には見向きもしなくなった。民泊は法人として事業していることがじょうけん、個人事業者は対象外であり、トドメを刺された民泊業者も多い(p152)
・リモートワークが普及すると、大学生は大学に毎日通える場所に住まなくて良くなるかもしれない、深夜バスで上京して2000円代の宿に泊まれば、一人暮らしをやめるかもしれない(p161)2020年8月のレポートでは、東京・神奈川・埼玉で合計1万1100戸の単身者向け賃貸住宅の需要が消失と発表している、このインパクトは計り知れない(p162)
・2020ねんにはこれから始まるであろう大きな変化の先駆け的な現象が見られた、2021年はこれから始まるでろう大きな変化の本筋が見えてくる年ではないだろうか、何よりも需要の中身が大きく変わっていることが重要である。オフィスはコンパクト化と分散、住宅需要は郊外や地方に向かって流出する(p203)
・コロナ禍によって不動産市場は正常化されるキッカケを失った、しかしいつかは正常化する時がやってくる。都心のマンションなら、購入か賃貸かを迷う価格水準、オフィスなら9割入居で5%程度の利回りが見込める価格である(p205)
2021年1月23日作成 -
Posted by ブクログ
管理費等の3年分払うと、マンションを引き取るビジネス。
管理組合が落札して転売する。
分譲マンションには出口がない。
パワーカップル=夫婦二人で年収1400万以上。
マイホームはできるだけいいものを、と思うのでギリギリの物件を買ってしまう。
管理費滞納が3割を超えると廃墟化する。
理事長が管理組合を私物化する例。
しっかりメンテナンスする以外に出口はない。
資産価値が500万を切ると、意識が向かなくなる。
管理組合が法人化すれば、落札して所有者になれる。
不動産をタダであげるサイトが注目を集めている。
1000万以上で売れるときに売る。 -
Posted by ブクログ
ぶっちゃけタワーマンションには住んでみたい。
高いところが好きだ。
見晴らしいいところが好きだ。
展望台とか山に行っても、毎回天気がいいとは限らないから雲で何も見えないという日もある。
だったら、高くて見晴らしのいいところに住んでいれば、見晴らしいいこと多いでしょ。
特に、見栄のためではなく、あくまでも高いところが好きだから住んでみたい。
但し、賃貸で。
一応、大家業の跡継ぎワタクシ、月一回の業界紙読んでると分譲マンションの矛盾はひどいと思う。
管理組合とはいっても、住民に管理する意思がなければ荒れるばかり。
修繕費の積み立てすらしていない分譲マンションは、今後どうなるのか!?
さて、タワーマンションってどうなのよ、という話。
著者はタワマン大嫌いなんだろうなぁ、なんか恨みでもあるのかなぁという心意気が漏れ出ているが、概ね意見には同意する。
見栄のためにタワマンに住むべきではない。
タワマンに住む明確なメリットを感じないまま住むべきではない。
確かにそう思います。
1ヶ月くらいタワマン借りるといくらくらいなんだろうなぁ。
と思って調べてみた、たっか!
タワマンのシェアルームってないのかな。
って思ってしまう貧乏人が住むところではないのは確か。 -
Posted by ブクログ
今年(2019)の台風19号は記憶に残る台風となりました、首都圏・私の住む埼玉県の真上を台風が通過していきました。金曜日の夜に予報がでて、土曜日の午前中から雨が降り出し、月曜日には台風一過の晴天となりましたが、台風が近づいている時は、近くの川が一部決壊するなどして、私の家の目の前の道路も川のようになったのを覚えています。
今回の台風では、タワーマンション銀座と言われてるエリアで、大規模な浸水が起きて大変だったようです。東日本大震災の時もそうでしたが、災害が起きた時には高いところに住んでいるのはリスクがあるなと思っています。それでも、そのような気持ちは、数年も同じ被害が起きなければ忘れてしまいますが。
この本はタワーマンションについて、業界をよく知っている本書の著者である、榊氏が現実について述べています。タワーマンションを買う人たちの動機はそれぞれだと思いますが、リスクを理解したうえで、それ以上の「自分の感じる魅力」を確認したうえで購入したいものだな、と思いました。私はちなみに中古の4階建ての2階のマンションを買って20年が過ぎましたが、見渡す素晴らしい景色は楽しめないものの、駅近くで歩いて生活できるのでとても気に入っています。
以下は気になったポイントです。
・マンションで資産価値が下がらないのは、港区表参道周辺・千代田区番町・代官山、である(p57)
・神戸以外にもタワマンを規制している市町村として、京都市、鎌倉市、金沢市、軽井沢町などがある(p65)
・不動産業界の人は、分譲マンションを購入して住んでいる人は少数派、賃貸マンションに住んで引越しをする、購入しても10年も住まずに売ってしまう(p68)
・日本のタワマン1号は住友不動産による1976年与野市が最初だが、本格的に竣工し始めたのは、2000年から。背景として、建築基準法改正による規制緩和がある、大きな転機は1997年の容積率の実質的な大幅緩和、2002年にはさらに緩和された、日照りを規制の斜線制限の適用が除外された(p70、71)
・日本の総住宅数が総世帯数を上回ったのが、1968年、敗戦後25年かかったが、人々の住宅への飢餓感は解消されなかった(p77)
・通常の板状型マンションは施工法が確立されているが、タワマンはゼネコンによって工法は微妙に異なる、また免震や制震の技術は日々進歩している(p90)
・デベロッパーは品確法により、引き渡しから10年を過ぎるとすべての保証を免れる、大規模修繕工事を辞退することも可能、売った後は基本的には区分所有者の責任(p97)
・マンションの管理を行っているのは、基本的には管理組合であり、管理会社はただの業者にすぎない、だから管理会社の業務遂行に不満がある場合には、管理組合を通してそれを伝えるのが正式なやり方である(p99)
・マンションの管理業務の主なものは、清掃とゴミ出しである、管理会社が逃げたマンションはたちまち薄汚れて、ゴミが散乱した状態になる、そして廃墟化への道へ加速する(p119)
・イギリスやEU加盟国では、1991年以降にはほとんど高層住宅が建設されていない、欧州では高層住宅では子供を育てるべきではないと結論した(p179,199)
・タワマンを建設して分譲することでデベロッパーは利益が得らえる、自治体は住民が流入し固定資産が築かれることで税収を増やせる、投資目的に購入して喜ぶ人もいる(p186)
・都心部のタワマン適合僧としては、1)青年単身世帯、2)老人単身世帯、3)子供いない夫婦世帯、4)子供が独立した夫婦世帯等があげられる(p187)
・日本では石造り、レンガ造りの建物はありえない、地震で倒壊するから、なのでより頑丈な鉄筋コンクリートで集合住宅を建設する、しかしこれは鉄とコンクリートでできているので、この物質は経年劣化する、鉄はさびて、コンクリートは中性化(劣化)する(p192)
2019年12月15日作成 -
Posted by ブクログ
日本では有史来、天寿を全うしたマンションはない。理由は
①そもそも鉄筋コンクリートは、人の寿命より長持ちするのか?
②区分所有法がもたらす、存在しない出口戦略
これに限ります。これは都心部のマンションでも該当する問題になるとのことです。
我々日本人は、大金を投入して壮大な社会実験をしている最中なんですね。
マンション購入とは、入り口は薔薇色であっても出口は絶望しかない。
これからマンション購入(既にしている人含め)を検討している人は、事前知識として現実を知っておいた方がいいでしょう。
評論家の本なので、時間潰しの読み物として面白かったです☆