塚本佳子のレビュー一覧

  • 大山倍達正伝
    まさに「大河ドラマ」級の人生!

    この本は個人としての大山倍達と空手家としての大山倍達の2部構成で成り立っているが圧倒的に前半の方が面白い。

    これは別に筆者のうんぬんではなく、あまりにも巷間伝えられていた大山像を覆すものであることと、戦前戦後の在日朝鮮人が置かれた立場、そしてその中でマンガ以上に血...続きを読む
  • 大山倍達正伝
    大山倍達の伝記。武勇伝の類いが多く流布しているが、その裏に隠された韓国人としての生い立ちと晩年、日本人武道家としての世界を股にかけた立身出世の物語の二つの軸が大山の人生を形成している。
    また、戦後史としても興味深い。戦後韓国人らは三国人として日本の警察権の及ばない所になり、民青と民団は特にヤクザその...続きを読む
  • 大山倍達正伝
    徹底した調査と取材で明かされる大山倍達の「伝説」に対する「正伝」。
    出自が韓国人・崔永宜(チェ・ヨンイ)であることはすでに知られているが、韓国在住の家族のインタビューを収録したのは初めてだろう。
    日本にももちろん妻子がいるわけだが、なぜ二重国籍が可能になったかというと、戦後の混乱で戸籍が焼失し、自己...続きを読む
  • 大山倍達の遺言
    王が死ねば王国は滅びるものです、とは大山倍達の兄の言だがまさにカリスマなき後の極真がどのように分裂していったか、やりきれなくなるくらい克明に追う。それぞれの立場によって異論はいくらもあるだろうが、誰も開祖の代わりにはなれない事実は変わらない。
  • 大山倍達正伝
    極真カラテ創立者にして牛殺し。大山総裁。
    呼び捨てに出来ない人物である。
    この人の存在は高校の時に知り世の中にはこんなに凄い人がいるのかと感激した。知ってすぐに感激がピークのときに亡くなったので非常にへこんだ。その感激した大山倍達伝説のほとんどが虚構であったということがこの本を読むと分かる。だか...続きを読む
  • 大山倍達正伝
    増田さんの本を読んで感化されて。
    あっちもそうだが、こっちも分厚い。
    寝転んで読むにはなかなかの筋力を要する。
    ウデイタイ。
  • 大山倍達の遺言
    最初は興味本位でどんどん読みすすめていた。でも最後は苦痛だった。登場人物達の現役時代の試合は男気溢れる内容だった。でも大山総裁死後の登場人物達は…。本当に哀しくなった。
  • 大山倍達の遺言
    「最強の空手」ブランドが粉々に砕け散る物語。大山倍達死後20年経っても崩落が止まらないのは、もともとの「グレートマウンテン」の頂きが高か過ぎた故か?ひとりひとりが最強を目指す空手という競技の宿命か?嫉妬、猜疑、誹謗、作者が『人間の本性は「性悪」にある』と言い切るほど「人間の宿痾」が並べ立てられていま...続きを読む
  • 大山倍達の遺言
    客観性を謳いつつ明らかに特定の陣営に肩入れしているのでリファレンスとしては不適当だが、まー登場人物たちの権力闘争の女々しさといったらおよそスポーツマンシップとは正反対。人間のヤな部分のみが徹底的にピックアップされある意味爽快だ。
  • 大山倍達の遺言
    大山倍達死後の極真会館分裂騒動の顛末記。ここ二十年間の騒動が詳細に渡って松井派寄りの視点で書かれている。私も松井氏に賛同であるし三瓶氏にはうんざりであるがいかんせん記述が長過ぎる。また誰々があの時こう言っていたというレベルの内容が多く客観性からも疑問符がつく。格闘マニアならともかく少し気になるという...続きを読む
  • 大山倍達正伝
    これは大変な力作である。

    神格化されたともいえる大山倍達の素顔を、「伝説」を批判的にとらえつつ、客観的資料を徹底的に集め、証言を得るために韓国までも足を伸ばしてこの大著をつくりあげた2人の仕事ぶりには、編集を仕事とする人間として心から頭が下がる。

    特に前半部を担当した塚本氏による、在日朝鮮人...続きを読む
  • 大山倍達正伝
    嘘をつくこと。
    物語を自分で作ること。

    そのエネルギーを図らずも、「伝記」というもっとも物語とは遠いと思われるジャンルから感じることができた。

    ハートとネグりは確か『帝国』で、人種差別の問題は経済の問題だと言っていた気がする。

    だけど、ひょっとしたら「物語」にもまだなにか果たす役割もあるのかも...続きを読む