祐木亜子のレビュー一覧
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ネタバレ論語をイマドキっぽく説明しています。
ちょっと意訳っぽいかなぁ。
苦手意識のある方の入門書としてはいいと思います。
p.19
己れの欲せざる所は人に施すこと勿かれ。
・まごころで人と接する
p.20
顔色を正しては斯に信に近づく。
・顔に心が映る
p.25
旧悪を念わず。怨み是を用って希なり。
・過去を蒸し返さない
p.29
言これに及びて言わざる、これを隠と謂う。
・言うべきときは言う
p.38
中庸の徳たるや、それ至れるかな。
・極端に走らない
p.43
意なく、必なく、固なく、我なし。
意・必・固・我を絶つ
p.44
郷人の善き者はこれを好し、其の善からざ -
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名前だけは知っていた本作ですが、400年前くらいの処世訓なのだと今更ながら知りました。
処世訓、と書くと堅苦しい感じがしますが、私が手に取った現代日本語訳の本書はまったくそういったことはなくて、これは本書が「エッセンシャル版」だからというのもあるのでしょうが、原作者の洪自誠が非常に博識な人で、儒教・仏教・道教の幅広い知識から本作を結晶化させたところが大きいのではないかなと思います。
苦労をしておこう、といったことを書いたかと思えば、
ゆとりをもとう、といったことも書いている。
非常にバランスが良い人だったのだろうと思いました。
それは、「極端に走らない」という文言(前集八一) -
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ネタバレ今回もaudio bookの聴読。
「菜根譚」の著者は洪応明。字の自誠をとって洪自誠と呼ばれる。明代末期、万暦年間(1573-1620)の人であったと考えられている。
「菜根」とは、宋の汪信民の次の言葉にちなむようだ。
「人、常に菜根を咬み得ば、則ち百事を做すべし」
(人は常に菜根をよく咬んでいれば、あらゆる事はなしとげられる)
全体は、前集222条、後集135条、合計357条から構成されており、前集は俗世の人々とのかかわりを中心に語られ、後集は俗世を超えた深淵な境地が説かれている。その内容は、儒教、仏教、道教を背景としているところが最大の特徴である。
役人であった洪自誠が、引退後にそ -
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『菜根譚』は明の時代洪自誠によって書かれた処世訓である。本書は、原文・書き下し文の記載はなく、現代風にかなり意訳されている。一文を味わうというより、折に触れて読み現況を点検するような読み方がよいと感じた。儒教・仏教・道教の3つの考え方がバランスよく配合された本書は、日本の風土に合わせられ、違和感のない生き方の指針になっているのだと思う。今日のビジネス書のエッセンスのほとんどは、本書で網羅できるだろう。ビジネス書と宗教書に親和性があると感じることが多いが、『菜根譚』のような本が古より存在している事実でその理由を説明できよう。
『菜根譚』という書名自体は、宋の頃の「人よく菜根を咬みえば、すなわち