二宮ひかるのレビュー一覧
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購入済み
切れ味鋭い
切れ味鋭いショートショートを集めた作品集。
この作者の絵はとても気に入っているし、この作品のストーリーも変にべとついてはいないが考えさせられる点もありとても良い。 -
Posted by ブクログ
まるでゲームやバラエティ番組で出てくる、あの大岩が転がってきてなす術なく踏み潰されるようなカタルシス。あいすこと、触れ合うこと、想うこと、光を感じること。誰もが自由で、生きる道を誰かに支配されることはなくて、そんなことも全部全部、「知ってます」。そう、知っているんだ。小さな確かな感情が、最後の最後に大波となって押し寄せる新たな傑作。最後にキスしようとする瞬間の、アレ、あまりにも上手くて背中をよじって身悶えた。二宮ひかる、やっぱりとんでもない!/だいぶ特殊で、なのにとっても普遍的。これでいて二宮作品としては「まぁまぁ上」程度くらいに感じなくもないので、やっぱりモンスター級の作家だ、この人は。
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Posted by ブクログ
半額くらいになっていたので、昔の白泉社の二宮ひかる(2016年マイブレイク第1位漫画家)作品を大人買い。とりあえず「あいうえお」順でゆっくり読み始める。表紙のあまりの古臭さに若干おののいてしまうけれど、中身は(絵柄も含めて)20年前から何も変わらない二宮節だった。女性から男性へのそれのような、男性へのどうしようもない偏愛。そして男性から女性へのそれのような、女性への愛憎入り混じった圧倒的なリスペクト。これでデビュー二作目らしいのですが、これは当時からずば抜けた存在だったのでは、と否応無く思わせられる作品集です。本当にうまい……。もちろん『ナイーヴ』のほうが凄みがあるし、今の作品の方が、ある意味
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Posted by ブクログ
ネタバレ『アイであそぶ。』、『ダブルマリッジ』を経て、往年の二宮ひかるが帰って来たかのような本。ただ、違うのは、違うっていうことはないんだけど、男の視点が、少ないことかな。
一冊を通した連作短編集になっています。大部分は高校生の女の子亜希子の視点で、三十歳の男の人に恋しているところを描いています。ところがその男の人、かつて母の愛人だった人。殆どずっと二人だけの話なのに、こういうことで奇妙な「三角関係」になるのが、面白いですね、三角関係自体は昔もとてもおもしろい物を色々と描いていましたがこういう形は初めてかしら。二人の間に、その母のことがあるようなないような状態で話は進んでいきます。
と言っても、往