永森裕二のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
上巻に続いて、下巻も一気読み!
面白くて笑える&感動して泣ける、の繰り返し。
御子神さん(ねこ)との触れ合いを通して、ツトムが生き生きしていく姿はすばらしい。
やりたい・挑戦したいと思ったことには、まずやってみなければ何も変わらない。
終わり掛けの一文「俺は、俺がなりたかったものにようやくなれた気がした。」
私もこう言えるように頑張ろうと思った。
自分に自信がないと、後ろ向きな発想になったり不安になったりするけど、自信をつけるためには自信がつくまで努力あるのみ!
御子神さんみたいに、喜怒哀楽いろんな感情を持って、心豊かに人生送りたいなと思った。
ラストはびっくりした(゚Д゚;) -
Posted by ブクログ
会社では鬼教官とおそれられる部長が公園で捨て猫と出会う。
部長は家族に内緒で猫を飼い始め
その生活が自分自身と向き合うきっかけになり、徐々に変わっていく。
かわいらしい子猫の写真の表紙に惹かれて手に取った本だけど
その子猫のほほえましいエピソード、というわけではない。
ただ、部屋で好き勝手に歩きまわっている。
その自由さがうらやましくて、ちょっと見習いたいな、とも思う。
猫とふれあうことで小説ほど劇的な変化があるかどうかは別として
人が変わるきっかけは些細なことで十分。
そしてその変化は、自分ではとても重大なことのようでも
まわりからみたらたいしたことでもない、ということもよくある話。
なかなか踏み出せない一歩を思い切って踏み出してみたら
思っているより簡単に世界は変わるのかも。 -
Posted by ブクログ
挫折しっぱなしの人生を歩み、妻ひとり娘ひとりをもちながら、家でも肩身が狭い主人公。かつては英語教師だったけれど、そこも退職し、いまは自分で向かないと思いながらもタクシードライバーをしている。接客がひたすら苦手で、面倒な客もうまくあしらえない。タクシーに乗って三年にもなるわりには、道にも詳しくなくて、カーナビもしっかりとは使いこなせず、頻繁にクレームをもらう。そんな自分に自己嫌悪しつつも、変わる勇気も持てない。お人よしで、いいところもたくさん持っているのに、自分ではそういう自分のよさを信じられず、ただ小さく小さくなって、ひたすらにいやなことをやりすごそうとしている。
そんな主人公だが、ある日一人でひっそりと昼食を食べていた空き地で、土管の中に一匹のでぶ猫を見つける。御子神というネームプレートを身につけた猫は、けれど近くに飼い主がくらしている気配もない。ペット不可のマンションに住んでいて、当然猫を買えるはずもない主人公は、かかわるつもりもなかったのだが、ある日、車の窓を開けていた拍子に、その猫・御子神さんが助手席にちゃっかりもぐりこむ。どうにか追い払おうとしていたところに、急ぎでのせろと迫ってくる客を拒否できず、御子神さんを乗せたまま発車する主人公。
はじまりはそんな偶発的な事故だったが、すぐに主人公は気づく。御子神さんと一緒なら、少しだけ、乗客とまともに話ができることに。
猫を乗せての営業なんて、会社が認めるはずがない。ペット不可のマンションで、厳しい倫理観を持っている妻が、隠れて猫を飼うことを許すはずがない。だけど……
面白かった……癒されました。
ちょっと展開がきれいすぎる、という印象はあります。もちろん、作品中では嫌なできごともたくさんあります。主人公がいろいろと自分の弱さに負けたり、現実に悩み苦しんだり、困難にぶつかったりする、そこのところはリアルなんだけども、そのひとつひとつが解決に向かってきれいに収束していく前向きな展開には、「うーん、あんまりきれいに解決しすぎじゃないの?」などと、心の汚れたワタシとしては、そんなふうにひねくれたこともつい考えてしまったり。
けれど同時に、フィクションはそれでいいとも思います。
現実の人生では、何もかもが自分の考え方ひとつでうまくいくわけではない。もちろん、厭だなあ厭だなあと思っていることを、思いがけず時間が解決してくれたり、考え方ひとつでものごとががらっと違って見えたり、そういう小さな奇跡はいっぱいあります。けれど、何もかもがそういうふうに美しくはいきません。
でも、だからこそ、フィクションの中では美しく感動的に話が収まるのも、いいと思う。そんなことを思いました。
人の弱さや情けなさが、とてもいとおしく思えてくる。そんな一冊です。
あと猫の癒しパワーは偉大。