杉野幹人のレビュー一覧
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会議観を変えてしまう本だと思う。
2013年最後の良書。
コンテキスト思考の著者のATカーニーの経営コンサルタントの杉野さんの本。
問題が複雑化するいまの日本では政治でも企業でも傑出したリーダーを待望する人が多いが、本当にそんなリーダーなんて現れるのか、そもそもいるのかという投げかけから始まる。
そして、そんな全知全能のリーダーなんてないものねだりで実在しないのだから、リーダーに頼らない問題解決の仕方が必要であり、それが会議だという主張。
しかし、実際の世の中の会議と呼ばれているものは会議モドキやダメな会議ばかりなので、本当の会議をしようという提案。
そこから、会議の方法論が続くが、それら方 -
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洞察力とはどこから産まれるのか、堂々としたリーダーシップの秘訣は何か、ロジカルシンキングだけでは解けないそんな問題に挑む一冊。筆者はそういう素質の源を「コンテキスト思考」と名付け、曖昧模糊とした、文脈とか人の心の機微のような部分の理論化を試みている。
コンテキスト思考は3つのS、関係性(surroundings)、価値観(土壌=soil)、目標(太陽=sun)に要約される。関係性とは、ものごとのつながりから思わぬ結果が生まれること。それらは定量的なデータ分析だけでは計り知れず、能動的に洞察するしかない。
次に、価値観とは元来ユニークなもの。自分なり、自社なりの価値観を知り、活用することこそ -
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重要視されがちな「コンテンツ」に対して、
「コンテキスト」の重要性にフォーカスした本。
よくあるコンサルが同じような内容を書き直したような本とは違った新しい視点を持てる良書。
もうちょい読まないと自分の糧として入ってないけど、一部解釈加えてメモ
・文字で表現されるコンテンツと違って、
コンテキストは物理的に認識できないため、能動的に読む必要がある。
・Sun(目的)
「ありたい姿」もコンテンツではっきりしている部分と、曖昧なコンテキストな部分がある(太陽の絵の例)
「目標」がコンテンツであり、その経緯や背景である「目的」はコンテキスト。
共感を得るには分かりやすい目標だけでなく、共 -
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ロジカルシンキングや仮説思考の先を行くコンテキスト思考の提唱をした本。
従来のフレームワーク思考などをコンテンツ思考と定義し、それと対極にある思考をコンテキスト思考と定義している。そしてそのコンテキスト思考こそが「おもしろい成果」をもたらすものであるとしている。つまり、われわれがロジカルシンキング等を学ぶ目的はビジネスにおいて高い成果を出すためであるが、その目的を達成するためにはコンテキスト思考まで身に付けなければならないというもの。たとえば、企業にとって、競合企業が存在すると売上が落ち、あるいはそれを維持するために広告宣伝費や販売促進費などのコストの増加で利益が落ち込むというマイナスの影響が -
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視野が拡がる本です、というか、とても自分自身を考えさせられる本です。
ビジネス書であり、特に流行の思考法の本なのですが、骨太な「生き方」の本とも思えます。最近では、一番のオススメ本です。
内容は、「客観」ではなく「主観」で感じ取って、「おもしろい成果」を生み出そうというものですが、ほとんどが、「言いえているなあ」と感じます(一部は自分の意見と異なる部分もありますが、それはそれでよいような気がします)。内容は骨太で、ズシッと重たいものです。それでいて、企業や人物の事例などは、とてもわかりやすいものが選ばれており、気楽に読み通せるのもよいです。読後は、なんだか不思議な感じ。うーん、久々に考えさせら -
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情報を「伝える」のではなく「伝わる」形に組み替えるための実践的な技術をまとめた本だった。読みながら、文章の構造化やメッセージの精度がどれほど業務の質に直結するのかをあらためて実感した。
構造化、物語化、メッセージ化という三つの技術が重要で、特に構造化のパートは、現状とアクションを「状態」と「行為」に分け、自動詞と他動詞を使い分けることで思考が自然に整理される点は、実務でも即効性が高いと感じた。さらに、直列と並列で筋道を描き、上位概念で全体を統制するガバニングの発想は、議事録だけでなく提案書で重要になる。
また、読み手の興味を引くイントロの工夫、MECE崩し、固有名を使った具体性の付与。これらは -
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ネタバレベタ書き(情報処理は相手任せ)
箇条書き(情報処理負担を減らす)
相手にとって悩ましいことなどを率直に意見し過ぎるのは、日本では成果につながらない(意見と人格が同一視されがちだから)
意見の衝突や否定が続くと、日本では自らを否定されたように感じ相手を遠ざける。
情報過多の時代だから、情報を選別し、少なくすることの価値が増えている
普通の箇条書きと超箇条書きは異なる
超箇条書き
→構造化、物語化、メッセージ化を含む
・構造化(グルーピング)
→レベル感を整える
①「状態•現象」と「行為」を分ける
→自動詞と他動詞を使い分ける
②体言止めは曖昧になるため気をつける
「コストの低下」
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異動して新しい職場で過ごしている今、新しいことを覚えるために、分からないことを伝えてるために、抱える案件の説明をするために、さまざまなメモを取る必要がある。が、いかんせんメモが下手くそ。自分の書いたものが全然読めない。そもそも整理してかけていない。なんとかうまくメモできないものが…ということで、箇条書きでメモを取る方法を学ぶためにこの本を手に取った。
書いていることはすごくシンプルだ。だから物足りないと思う人もいるかもしれないが、書かれていることを忠実に実行すれば、自分のようにメモの取り方がとにかく下手くそな人には一助になるかもしれない。
箇条書きで大切なのは、大きく分けると3点。構造化、 -
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ネタバレ・固有名詞による物語化→生々しくなり、また聞き手を引き付ける
・MECE崩しによる物語化→全部並列なら集中もたない、また、前提によっては割愛する。相対MECEにする
・隠れ重言=改善する、推進する、強化する、見直す。。。→何を、どう、と具体化しないと当たり前の話だらけにせず、メッセージ化
・否定=せず、よりは、から、など。でスタンスを取る
・数字を使う。程度を伝えメッセージにする
・状態と行動区分けし構造化=自動詞と他動を使い分ける。体言止めはご法度
・ほか、時間経過があるならそれも構造化し構造に語らせる、ガバニング
・超箇条書きは相手を動かすもの。結論ファーストが全てではない