ロジカルシンキングや仮説思考の先を行くコンテキスト思考の提唱をした本。
従来のフレームワーク思考などをコンテンツ思考と定義し、それと対極にある思考をコンテキスト思考と定義している。そしてそのコンテキスト思考こそが「おもしろい成果」をもたらすものであるとしている。つまり、われわれがロジカルシンキング等
...続きを読むを学ぶ目的はビジネスにおいて高い成果を出すためであるが、その目的を達成するためにはコンテキスト思考まで身に付けなければならないというもの。たとえば、企業にとって、競合企業が存在すると売上が落ち、あるいはそれを維持するために広告宣伝費や販売促進費などのコストの増加で利益が落ち込むというマイナスの影響が出ると考えがち。たしかにそれもある。しかしコンテキスト思考の一つである「環境のコンテキスト」に注目すると、かならずしもそれだけでないということがわかる。あるいは、ソニーとパナソニックのブルーレイにおける競争。実はこれも、「環境のコンテキスト」に注目して分析すると、両社にとっておいしいものであったということがわかる。
コンサルタントに興味のある人や経営に興味のある人は読むべき一冊だと思う。
ちなみに著者は経営戦略コンサルティングファームA.T.カーニーのマネージャーの方である。