C・ローデンのレビュー一覧
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ネタバレシャーロックホームズシリーズの2作目の作品。
1作目と比べるとホームズの人となりが多少違って見えた。
1作目では文芸などの知識はないと表記されていたが、当時の文学作品を引用する場面があった上、変装や料理が得意な描写もあり万能人間のように描かれていた。
その反面、冒頭からコカインを使用しており、解き明かす謎がないと廃人然になる情緒不安定な姿も描かれている。
内容としては1作目の作品同様見事な推理の上、犯人を追い詰める場面では緊張感溢れる水上チェイスを繰り広げている。
推理と冒険が混同したようなドキドキワクワクする作品となっている。
個人的には最後に描かれているワトソンが結婚するとホームズに報告し -
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「ねえ、ワトスン、ここがどこかわかるかい」
「いや、どこなんだ」
「極東の一小国のようだよ」
「極東といったら、支那かね」
「支那を小国とは言わないだろう。大国としてのふるまいをいまだ知らないようではあるがね。ほら、ぼくらの喋っているのは日本語だろう。日本語が公用語なのは、日本国しかないよ。しかもぼくらの時代から100年以上も先だ」
「100年だって。それはどういうことなんだ」
「ここはネットのサイトだからね。ネットというものができるのは100年もあとなんだ」
「何のことかよくわからないが」
「君は常々、ぼくの捜査記録を発表してくれているじゃないか。そのおかげで、たくさんのパスティッシュが生ま -
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『四つのサイン』? 『四つの署名』でしょうといいたくなるが、これも字の書けない3人が署名代わりに×印という記号を書いているという両義性をとって、サインとカタカナにしたという。
無聊をかこち、コカインを注射して過ごす探偵(当時は合法麻薬だった)。そこに現れる美しい依頼者。依頼者の開陳する謎めいた話。そして殺人事件が起こる。現場を検分して早々にほぼ全貌がわかったと述べる探偵。
名探偵の情景がもうこの第2作目で広がっている。
他方、ワトスンがホームズの緻密な捜査を見て、この才能を法律を守るためでなく、破るために使ったらと考えるという場面がもうすでに出てくるが、この時点でモリアーティ教授の登 -
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「白銀号事件」
キングス・パイランドの名馬がいなくなり、その調教師が荒地で死んでいた。事件の解決に向かったホームズが見破った事件の真相はーー?
足を引きずる羊、死んだ調教師が持っていた華奢なナイフ、事件前夜に訪れた怪しい男。
「ボール箱」
クロインドンのクロス街に住むミス・スーザン・クッシングの元に、粗塩と二つの耳が入った小包が届いた。スーザンは全く心当たりがないという。ホームズは小包の結び目が特殊なことに気づき、また、スーザンには二人の妹がいることを知ったーー。
「黄色い顔」
ホームズの元に、とある男が妻が怪しいと依頼を持ってきた。どうやら引っ越してきたばかりの隣人と妻が関係があるらしい -
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ネタバレ当初、創元推理文庫でシリーズを読み始めたが、注釈の多さに惹かれてこちらで揃え直し始めた。どうやら文庫版は単行本より注釈が減っているらしいが、それでも充実している。320ページ中228ページまでが本編で、その後にクリストファー・ドーデンによる注と解説(オックスフォード版)が訳出されて掲載されている。注釈も面白かったが、別のイギリス文学との関係が述べられていた解説が、読みごたえがあった。
内容的にはとても面白くて、先へ先へと読み進み、あっという間に読み通してしまった。一番面白かったのは、ホームズとワトスンの関わり、かけあいの部分。1作よりさらに関係性が増している感じがする。ワトスンが結婚したことは -
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シャーロック・ホームズ全集、第2弾。
翻訳本は読むのに時間がかかるのに、このシリーズはスラスラ読めて面白い。
ホームズを訪ねてきた小柄で気品のある若い婦人の相談は、十年近く失踪中の父・毎年贈られてくる真珠・謎の招待状という、なんともワクワクする始まり。
その後、殺人・宝探し・追跡劇と盛りだくさんな展開。ホームズの相変わらずな博識と推理に驚き、何かを追究していない時のダメ人間っぷりにも驚き、ワトスンの唐突なロマンスに驚いた。
この小説が120年以上前に書かれているとは思えませんでした。面白いものはいつまでたっても色褪せず面白い。読めてよかったです。 -
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ネタバレシャーロック・ホームズシリーズの「四つの長編小説の中で、最も密度の濃い(裏表紙の内容紹介より)」とされる作品で、河出文庫の全集の2冊目です。
最初の作品(『緋色の習作』)が面白かったので、続けて読んでみました。
当時のイギリスの風俗や社会状況を反映した舞台背景や、推理だけでなく冒険の要素もあることで、人気を博していたことは容易に想像できます。
『緋色の習作』のころにくらべて、ワトスンとホームズの関係性(友情?)が深まっており、シリーズを通しての本作品の魅力の一つとなっていると思います。
一つだけ、気になる(というか、個人的に受け入れがたいと感じた)点を挙げるとすれば、インド人や「アンダマン諸