上田信のレビュー一覧

  • 日の丸の轍

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    歴史群像の連載が単行本化したもの。主に戦中までの車両を扱っているが、一部自衛隊車両が含まれるなど幅広い構成になっている。軍用車両の知識が得られるだけでなく、戦前のモータリゼーションや鉄道事情、御料自動車、リヤカーに至るまで解説がされていて良い。戦前・戦中の日本車両事情が知りたいなら面白い書籍だと思う。

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    2025年10月22日
  • 戦国日本を見た中国人 海の物語『日本一鑑』を読む

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    中国から見た戦国時代、という内容を期待したが、中国社会史の教授の本ということで、あくまで戦国時代の日本を訪れた中国人と明朝の話だった。
    野蛮な日本人のイメージの原因となった倭寇と、朝貢貿易のみが認められた時代の密貿易が絡みあう。鉄砲伝来も硝石や鉛の商売のためだった。
    読み物として面白い訳ではないが、歴史を紐解く好奇心をくすぐる。

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    2023年09月19日
  • 中国の歴史9 海と帝国 明清時代

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    中国の歴史シリーズ第9巻。中世を抜けて近代を迎える明・清時代を描く。
    「海」「銀(貨幣)」「物(生産と物流)」など巨視的な流れを捉えながら、皇帝や官僚・商人の業績を時代の雰囲気を伝えるために紹介している。
    中国が歴史的に大陸国家で、鄭和を除いて海洋に進出することがなかった背景を知りたくてこの本を読み始めたが、中国から見える「海」の範囲をよく理解できた。

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    2021年11月22日
  • 中国の歴史9 海と帝国 明清時代

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    ネタバレ

    元朝は江南産の物資を大都に運ぶために穀物輸送の海運と塩その他の大運河を利用したが、安定した供給とすることができなかった。大運河は紅巾の乱で寸断され、海運は方国珍や張士誠に制せられた。
    朱元璋は胡惟庸の獄で独裁中央集権化を進め、里甲制で皇帝と臣民が直接相対する体制を作り、雲南攻略で海から遠ざかり内陸に重心を置こうとした。
    京畿を中心とし全国の動員に及んだ雲南攻略で、各将兵の間には戦友結合関係が生まれた。これを断ち切るために藍玉の乱と軍制改革による衛所の配置転換が行われた。
    物納で税を取り開中法で軍糧を確保していた明朝だが、銀経済の波に飲まれやがて銀経済を追認していく。里甲制では納税・徭役は里長が

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    2021年04月18日
  • 歴史・時代小説ファン必携 【絵解き】戦国武士の合戦心得

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    何よりも文庫なのでおてがるで、そのくせ記述がしっかりしている一冊。資料として重宝します。こちらは侍側の記述で合戦時にどのように動いたかを絵つきで記述しているので読みやすくなっています。

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    2013年10月05日
  • 歴史・時代小説ファン必携 【絵解き】雑兵足軽たちの戦い

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    何よりも文庫なのでおてがるで、そのくせ記述がしっかりしている一冊。資料として重宝します。当時の足軽や雑兵たちの生き様を知るのにうってつけです。

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    2013年10月05日
  • 歴史・時代小説ファン必携 【絵解き】戦国武士の合戦心得

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    戦国時代の合戦の要素を、「刀」「合戦形式」「槍と弓」「大砲と火縄銃」「旗と太鼓」「斬首と切腹」「女武者と船上戦」などの章にわけて、マニアックな図解と一緒に解説した本。学校で習う日本史や時代劇の演出にも、ときどきツッコミが入る。

    例えば、一般に銃はポルトガル人によって種子島を通じて日本に伝来された(1543年)とされているが、本書によると、それは東南アジアで使われていた「アルケブス式携帯銃」のことであり、禅僧が残した『碧山日録』という日記には、すでに応仁の乱(1467-77)で「飛砲・火槍」についての記載があるという。ただし、これらは大型兵器であったため、日本の当時の「戦」の形式や資源の面でマ

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    2013年08月13日
  • 歴史・時代小説ファン必携 【絵解き】戦国武士の合戦心得

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    刀・弓・槍などの武装に始まり、
    古典組討ちの作法や、切腹や女武者など、
    内容は浅く広くで雑多な印象だが、
    とにかく読みやすくて、
    途中でとりあげられている武将の逸話も面白い。良書。

    読みクチはライトだがそんな中にも、
    古代の戦の「洗練された精神世界」と「様式美」があった
    ということを感じられる。

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    2013年06月23日
  • 歴史・時代小説ファン必携 【絵解き】戦国武士の合戦心得

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    本文はわかりやすくあんまりつっこんでないけど、とにかく挿絵が素晴らしすぎる。暇があったら眺めてる本。

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    2009年10月04日
  • 歴史・時代小説ファン必携 【絵解き】戦国武士の合戦心得

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    イラストが多く、読みやすい文章なのでとても判りやすい本。
    組討の仕方、切腹の仕方、槍や刀での戦い方等々詳しく載ってます。面白かったのが槍の使い方で荷物運びや梯子はともかく、物干しに使われていたことに衝撃を受けました。それと素人の槍は突いて戦う武器ではなかったということにも驚きました。

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    2009年10月04日
  • 戦国日本を見た中国人 海の物語『日本一鑑』を読む

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    異国のまなざしはときに自国の姿を鮮やかに映し出す。明代の中国人・鄭舜功が記した『日本一鑑』には戦乱の只中にあっても秩序と礼を重んじる戦国日本の姿が刻まれている。上田信『戦国日本を見た中国人』はこの貴重な記録をひもとき海を越えた眼差しから日本を照らし出す。武士の誇り、市井の営み、そして文化の奥行き。海は境界ではなくむしろ理解を運ぶ道だった。

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    2025年07月26日
  • シナ海域 蜃気楼王国の興亡

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    おおよそ元末から清初の時期にかけて、本文中にて蜃気楼に例えられるシナ海域上に展開した勢力の興亡を、主要な人物の列伝という形式で描く内容。海上勢力を中心とした視座からの近世東アジア成立過程が興味深い。

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    2022年08月31日
  • 中国の歴史9 海と帝国 明清時代

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     中国史というのは、複雑であるが故にわけがわからなかったのですが、このシリーズを読むとその背景までわかるのでとても興味深く読めました。
     そして中国はかつて鄭和が航海したことを根拠に南シナ海の領有権を主張しているのですが、その本当の姿をキチンと理解することが大切であると思います。中国に蓄積された大量の銀がどのように動いたのか?アヘン戦争以降アヘン貿易はどうなったのか?太平天国とはなぜ起こりどんな意味があったのか?
     12巻から読み始め、11巻、10巻、1巻、2巻そしてこの9巻を読み終えました。歴史を後ろから読むか始まりから読むかという問題は悩ましい問題ですが、次はだい3巻を読もうと思います。

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    2021年07月05日
  • 中国の歴史12 日本にとって中国とは何か

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    シリーズの締め括りとして、全時代を通して中国の国土や歴史がいかに形成されてきたか、世界そして日本との関わりはどのようであったかを示す論考が六編収録されている。共通の文化基盤を持つ一方で、全く異なる価値観を持つ隣国との関係を考えるにあたって、表面的な知識は逆に相互理解を妨げることがあるという指摘は示唆に富むものであると思う。

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    2021年06月18日
  • 死体は誰のものか ──比較文化史の視点から

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    死体を金ズルと考える中国人の行動を図頼(とらい)と称することを学んだ.Googleの辞書にはない言葉だ.儒教の考えでは、人間が対等な関係を持つことはありない由.中国人の思想の根本のような感じだ.チベット族の天葬と水葬の区別も面白かった.日本人の死体に関する考え方が落語に現れているという指摘は非常に納得できるものだ.「らくだ」と「黄金餅」は聴いてみよう.

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    2021年06月05日
  • 中国の歴史9 海と帝国 明清時代

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    海からの視点を取り入れて、経済と交易を軸に明から清までの社会構造の変遷を追う内容。様々なファクターが絡み合って時代が進んでいく様子が面白い。

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    2021年05月10日
  • 中国の歴史9 海と帝国 明清時代

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    清が、満洲族の出自であり、東北部、ハンの後継として、その出自を十分に生かして、帝国を運営、支配していた。
    また周辺諸国との関係、特に鎖国をしていた筈の日本、正式な国交はないが、と経済的に密な繋がりを持っていた。

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    2021年03月19日
  • 人口の中国史 先史時代から19世紀まで

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    「人口」という視点から見る中国史。人口から読み解く簡略な概説・通史にもなっていて良い。戸口統計は国家が把握できた数字で実際の数字ではないという基本を軸にその統計の背後にあるものを読み解いていく。中国史を「合散離集」のサイクルで捉えるのも面白い。本書が最も力を入れているのは18世紀の人口爆発がなぜ起きたのか、という点。従来は地丁銀による人頭税廃止が原因とされていたこの人口爆発について、丁寧に分析しなおして他の背景を探っていく。筆者は20世紀以降についても稿を改めて考察したいとしており、次巻が楽しみである。

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    2021年01月30日
  • 人口の中国史 先史時代から19世紀まで

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    人口に焦点が当てられている本を読むのは初めてかな、誰がどうしたといった血湧き肉躍る系の話は少なく数字の出し方とかの話が多いのでちょっと退屈になりがちだけど、中国史もおさらいできてよかった。人口が歴史の流れに与える影響も大きい。
    中国史を合散離集のサイクルとしてとらえ、さらに先史、隋・唐まで、元朝まで、それ以降とステージに分けることで理解しやすくしている。
    溺女の風習など知らないこともあったし、それが18世紀の人口急増を説明する仮説の中で大きなキーになってることも。

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    2020年10月04日
  • 歴史・時代小説ファン必携 【絵解き】戦国武士の合戦心得

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    もし、戦(いくさ)に出陣する予定があるなら読んでおいた方がいいです。
    戦は命がけ、時代劇でみる「わー」と叫んで、走っていく
    その後、馬武者が突撃!
    そんなイメージがあるかもしれませんが
    実際はそんなもんじゃありません。
    敵味方、双方、命がけです。
    そんな息詰る状況が丁寧に解説されています。
    挿絵もなかなかよいです。

    同文庫、同筆者の『雑兵足軽たちの戦い』もお勧めです。
    足軽って大変ですね。

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    2009年10月21日