作品一覧

  • 中国の歴史1 神話から歴史へ 神話時代 夏王朝
    3.7
    1~12巻1,430~1,815円 (税込)
    講談社創業100周年企画として2004年~05年に出版された全集「中国の歴史・全12巻」の学術文庫版が、いよいよ刊行開始。本全集は、2014年には中国で、2016年からは台湾で翻訳出版され、そのレベルの高さと視点の新しさから累計で150万部を超えるベストセラーになっている。 待望の文庫化、第1回配本は、第1巻と第2巻の同時配本。第1巻では、長年、中国での遺跡発掘を手掛けてきた著者が、「三皇五帝」や「盤古伝説」などで知られる中国の神話の表す史実を探り、「夏王朝」「殷王朝」の謎に迫る。 中国の古代文明といえば、かつては「黄河文明」を指したが、現在では、長江流域をはじめ、各地の多様な自然環境から展開した多元的な古代文明と理解されている。現在の中国のさまざまな地域社会や風土を考える際にも、こうした先史時代から続く地域文化の脈絡を無視できないのである。約1万年前の新石器時代、南北の文化地帯の周縁でアワ・キビ農耕や稲作農耕が生まれ、そこから牧畜型農耕社会と遊牧社会が分離し、さらにその周辺には狩猟採集民が存在した。こうした基本的生活様式が誕生した中から、いかにして初期国家が生まれたのか。最古の王朝とされる夏王朝と二里頭文化の関係とは――。 文庫化にあたり、原本刊行後の重要な遺跡と発掘成果を大幅に加筆。〔原本:2005年、講談社刊〕
  • 則天武后
    4.2
    1巻1,265円 (税込)
    秦の始皇帝に始まる二千年余にわたる中華帝国の歴史にその名を刻む唯一の女帝・則天武后(武則天)。男性中心秩序の古代社会に己の才覚と知力で挑み、至尊の座にまで登りつめた女性は、何を目指し、また何が彼女を生み出したのか--。大唐帝国繁栄の礎を築いた冷徹にして情熱的な生涯とその時代を、学術的知見に基づいて鮮やかに描き出す。

ユーザーレビュー

  • 中国の歴史6 絢爛たる世界帝国 隋唐時代

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    ネタバレ

    日本史でも馴染み深い隋唐ですが、実際のところはどんな政治状況だったのかということはこれまで私もほとんど知りませんでした。隋や唐が巨大な勢力を誇った世界帝国だったという漠然としたイメージ以外はあまりありませんでした。それこそ豪華絢爛な中国文化というイメージです。

    ですがこの本ではこれら隋唐がどのような経緯で建国され、衰退していったかを詳しく見ていくことになります。そして何より、中国全土を統治するというとてつもない難事業をどのように行おうとしていたのかというのは非常に興味深かったです。

    現代のような通信手段がない中でどうやって広大な国土を治めるのか。そのことについて改めて考えさせられるのがこの

    0
    2024年08月23日
  • 則天武后

    Posted by ブクログ

    コテンラジオのテーマをトレースしようの一環。コテンは漢王朝やら唐王朝の成り立ちまで遡ってスタートしてたけど、隋以降の話は大分この本から持ってきてるんじゃないかな。

    中国王朝唯一の女帝。則天武后の生涯を時代背景や周辺の関係者たちの物語と絡み合わせ遍歴していきました。豪快で残忍な一面もあり、狡猾で用意周到な立ち回りを見せたり、色んな個性が一堂に会してるって感じです。後宮の女同士のドロドロな駆け引きとか、高宗のなんとも言えないヒモ感とか人間味が溢れ出ておりまして、単純に魅力深かったです。

    登場人物多くて紛らわしい名前がバシバシ出てくる中国あるあるですが、粒ぞろいなので各所見どころ満載。コテンラジ

    0
    2022年03月16日
  • 中国の歴史6 絢爛たる世界帝国 隋唐時代

    Posted by ブクログ

     隋唐時代はあまり面白くないイメージがあったのですが、とても面白かった。広大な帝国を統べる強大な皇帝がいて、絶大な権限を奮っていたのだろうと思っていたのは違っていました。
     春秋戦国時代を終わらせて、南朝の陳を滅亡させ中国全土を統一した初代皇帝(文帝)は、14歳年下の皇后に頭が上がらず、後宮には数千人の美人が揃っているのに手をつけることができなかった。一度お手つきした奴婢は皇后によって虐殺された。
     唐になっても、歴代皇帝は皇后に手を焼くことになる。則天武后なんて太宗の後宮にいたのだから、太宗の没後は大人しくしてるべきなのに、年下の息子高宗をたぶらかせ、その皇后を押し退け、自分が皇后になり気弱

    0
    2021年08月22日
  • 中国の歴史6 絢爛たる世界帝国 隋唐時代

    Posted by ブクログ

    前半で隋建国から唐滅亡までの通史、後半で様々な視点からの社会の諸相、周辺国との関わりといった幅広い内容で、時代の理解を深めるにはうってつけの内容。懐の深い時代だったと感じさせられる。

    0
    2021年04月14日
  • 則天武后

    Posted by ブクログ

    まさに突出した能力と個性である女性則天武后がえげつない手段を用いながらもどうやって皇帝にまで上り詰めたかがわかる。則天武后が存在しえたそれ以前でもそれ以降でもない唐という時代の背景をベースに、関隴系功臣集団と山東系をはじめとする古来からの名族の支配する朝廷に対抗するため、科挙に及第した新興層を取り立てて政治の実権を握っていくという、皇帝を巡る愛憎の激情とは裏腹の冷静な計算を緻密に行っていた凄味がわかった。また、小説のような表現が用いられていてとても興味深く読みやすく、歴史を解説するうえでも詩情を排するのではなく人間の情をある程度忖度していくことの有効性が感じられた。

    1
    2019年01月04日

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