松重豊のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
本書は俳優の松重豊さんによる日々の食べ物にまつわるゆるいエッセイです。『孤独のグルメ』でお馴染みの松重さんですが、韓国の歌手のソン・シギョンさんとNetflixで『隣の国のグルメイト』という番組の中で、本書で登場するお店に二人が訪れたことで本書を知りました。
松重さんの文章はまさに『孤独のグルメ』の吾郎を思わせる、どこかお茶目でのんびりとした語り口で、終始楽しみながら読みました。
本書の魅力をさらに引き立てるのは、あべみちこさんのイラストです。超絶技巧で料理をリアルに描く一方で、お皿や文字は落書きのようなゆるいタッチで表現されているのが特徴です。旭川在住とのことで、旭川のおいしいものが描かれていますが、本文とはあまり連動していません。でもそれが松重さんと食べ物の話で文通しているみたいな趣があります。
たとえば『白いシャツを着てる日に限って、スパゲティーを食べちまうのさ』の回。イタリア製西部劇は「マカロニ・ウェスタン」といわれていますが、「すき焼きウェスタン」と銘打って三池崇史監督が作った和製西部劇に松重さんが出演した際のエピソードです。
その撮影で訪れた山形県の鶴岡市で、地元の食材のおいしさに驚愕した松重さんですが、中でも忘れられないのが、庄内空港の喫茶店のナポリタン。焼きそばの良さも取り入れたジャパニーズイタリアンだと断言しています。
完成した『スキヤキ・ウェスタン ジャンゴ』は松重さんのナレーション英語が大ブーイングを受け、アメリカでの上演は字幕がつけられたと言うオチがつきます。
さらにマカロニウェスタンと言うのは英語で本来「スパゲティーウェスタン」と言うというもう一つのオチも添えられています。
それに対するイラストレーターあべみちこさんのイラストは、ふわふわの弱いドッグパンに長めに茹でたケチャップ多めのナポリタンを挟んだイラストに、「サイコー!」の文字。
ちなみに、タイトルで触れられた白いシャツの件は、本文には一切登場しません。
タイトル・本文・イラストで三層で楽しめる、なんともお得なエッセイでした。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ雑誌クロワッサンで連載しているのを時々読んでいたのでまとまったと知って楽しみに手に取りました。
言われてみれば確かになぁと納得する話が多くて、しかも面白い。
特別文がうまいという感じではないけれど、視点や裏話的な話題で引きつけるのが上手という印象。
タケノコを野菜でも果物でもない謂わば木材、と言ってしまうことに驚いたけど言われてみると確かに。
口に出して言いたい言葉の上位にランキングされる「いぶりがっこ」
読んで吹き出しました。いぶりがっこちゃん(あひるなんです)っていう絵本あったの思い出しました。
そうだ、松重さんは猫村さん演ってたな。よく引き受けたなぁと思いつつ当時楽しみに見ていたっけ。
サクマドロップスのハッカを当たりと思ってみんなからもらって食べていたくだりは、同じハッカ好きとして共感しかなかった。
文に添えられたそれぞれの絵がまたなんとも味わい深い。こちらは北海道のイラストレーターさんだそう。夕張名物うさぎやさんのドーナツが出てきて、独特のシナモン味とふんだんにまぶされた砂糖のジョリジョリ感を思い出しました。質感がしっかり出ていて絵からジョリジョリが伝わりました。(ちなみにきっと松重さんは砂糖のジョリジョリするものが大好きだと踏んでいます。羊羹のジョリジョリのことも書いてたので。だから多分カステラの下とかも好きだろうと想像)
あべさんの、ベロベローってなったワカメとかたくあんがくっついてたとことかの表現の仕方、文末が「〜なの」となってるところやその文がもそもそした(?)字でちょこっと書かれているのが可愛いし面白い。
たまに絶妙に文と合わせてるようであんまり関係ない絵が添えられてたりもして。
p91の連鎖の朝も吹き出してしまった。炭水化物しか食べてないやん、と本に突っ込んでしまいました。
どんな人なんだろうと思っていたら、巻末に松重さんとイラストレーターのあべさんの対談が載ってきてなんてサービス旺盛なのだろうと最後までおいしい一冊。(でも話したりなそうでしたね、というか話してたんだろうけど紙面が尽きてしまったのでしょうね)
ニッキの話(p205)はちょっとしたハックでした。
自分は子供の頃ニッキが嫌いで、ある時からシナモンが好きになり、高校生くらいの時に「ニッキとシナモンって同じものだよ」と教えられ衝撃を受けたことがあり。
以来ずっと同じものだと思っていたのにそういう違いがあったとは本書を読むまで知りませんでした。いやびっくり。
しかし考えてみるに「ニッキとシナモンは同じである」と言うのも「違うものである」と言うのも、真相(?)かわかってみるとどっちも間違いではなく、どのように区分けするかの違いだよなと気づき、意外と世の中にそういうものってあるかもしれないなぁなどと考えました(今思いつかないけど)とても興味深かい話題でした。
ぜひ第二弾出していただきたいですね。それにしても読んでる間、文からも絵からも刺激され放題でお腹が空いてたまらなかった⋯ -
Posted by ブクログ
孤独のグルメでおなじみの、俳優、松重豊さんの食べ物エッセイ。孤独のグルメの五郎さんは、食べることがとても好きな人だけれども、それはあくまでもドラマの設定だし、松重さんはとてもスリムだから、そこまで食べ物に執着があるわけでも無いだろう、たくさん食べる人ではないだろうとか、勝手に色々思っていたけれど、なかなかしっかり食に関するこだわりのある人だった。意外。…まぁでも食べることは人間の二大欲求だから当たり前なのか。
勝手に寡黙な人というイメージも持ってたけれど、エッセイのなかでは饒舌に食へのこだわりを語っている。そしてたまに毒舌というか、『そんなこと書いて大丈夫?』とこっちが心配するような類いのことがずばっと出てくることもある。ただ役を通してみているイメージと、実際の人物像には隔たりがあるなと改めて感じることであった。 -
Posted by ブクログ
イラストと、その側に寄り添ってる文章に、味あり‼︎
で、美味しい、です。
おもろいタイトル。
小松菜餃子
海苔の話も面白かった。冷たいバター巻き、6Pチーズ巻き。
ワカメと牡蠣のバター炒め。
蒲鉾、わさびとオリーブオイルで。
のりメンチと、千代の富士
長崎の茶碗蒸し専門店‼︎『吉宗 よっそう』行けるかな⁉︎
鏡開きと母の踵
釧路の『蕎麦寿司』
うずらのピータン
南関あげ
オニオングラタンスープ、玉ねぎの切り方
姫林檎とゴルゴンゾーラのピッツァ。
クミン入り味噌汁。
あとがきで知る。
イラストレーターさんとの関係。
じゃなきゃ、あの味だせないよね、の。
コンビ‼︎と、呼ばせていただく。
表紙にもなってる、おにぎりのイラスト。たくわんの黄色みて‼︎ -
Posted by ブクログ
松重豊さんの食べ物エッセイ。目のつけどころが面白く毎回クスッと笑ってしまうこと間違いなし。まず目次をみるとおつまみ、肉と魚、もう一品、麺もの、ごはん汁もの、甘味、おみやげにそれぞれの食べものがわかれていて、メニュー表のようになっている。どこから読んでもお好きなようにというスタンス。自分の好きな食べもののページから読んでもよし、もちろん前から順々にせめてもよし。
例えば、茶碗蒸しを読んでみようと思ってページを開けば、「史上最悪の衣装(外側のオレンジ色の臭いの強い部分のことだろう)をまとったヒロインは全裸になって卵液に沈む」とか秀逸の副題がついている。この副題が面白くて、文章を読むと「あぁ、そういうことね」と納得したりする。茶碗蒸しの主役は、満を持して出現する銀杏だーということが面白く書いてあったり。なるほどーってなる。
更に、あべみちこ(よつば舎)さんのイラストがとーっても美味しそうで絵を眺めているだけでお腹が空いてくる。このイラストで食べ物シールとか出して欲しい。すごく上手なんだけど写実的すぎずなんだか愛嬌があって、とても好みのイラストだった。
おつまみ部分と甘味部分はお楽しみとしてまだ読んでいないので苦しい本を読む時の息抜きに楽しみにとっておこうと思う。 -
Posted by ブクログ
ネタバレエッセイ文面でも松重豊さんがもぐもぐしている姿を思うと、孤独のグルメを見た気分になり、あべみちこさんが描いた挿し絵も素敵だった。松重さんのしっかり食べたい・味わいたい欲が読んでいて伝わってきて、プライベートの根っこ部分もグルメなんですね〜と嬉しくなった(*´艸`*)
『七草粥しかり。おせちとお雑煮で口の中がお行儀良く「和」になっているお正月明け、ソースやチーズやマヨネーズで心をかき乱したいじゃないですか。このタイミングでわざわざお粥食べますか。だって体調万全ですよ、何なら焼肉屋に行きたいぐらいだ。…(中略)しかし、ある日を境にお粥の概念が覆された。』
2025.5