海上知明のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
日本の合戦の歴史本だけど、人物とか歴史を知らないとついていくのは難しいと思った。
「目的が明確になっている」「その目的を達成するための目標が明確になっている」「その目標を達成するための具体的な骨子がある」
・歴史はなぜ学ばれるのだろうか。現代を生きる、そして未来を生きる人のために歴史は学ばれなければならない。今日においても知っておかなければならない教訓を示してくれるのが歴史だからである、という言葉はその通りだと思った。
現代の日本でも、もし内戦やゲリラ戦のような戦闘行為が発生したら、この本で出てきた地域って今も重要な地域になったりするんだろうか?と少し思った。 -
Posted by ブクログ
元寇のくだりは読んでいてこれぞ新説、と感じたが、最終的にはいくつか一般的には広まっていない情報があったのみで認識を変えなければならないほどではなかった。
書名の通り戦略に焦点をあてた本だが、合戦素人の自分には同じように見える源義経と楠木正成も、著者によるとその戦略眼の点で全く違う、とのこと。では戦略眼の違いは何かというと、そこは保元・平治の乱における平氏と源氏の違いでよりわかりやすく際立って説明されていた。
・要は戦い方のうまいヘタでは勝者になれない、ということ
・そして、再現性の希薄な偶然が多分にある勝利は、それとして評価しなければならないこと
・並行して読んでいた司馬遼太郎の『新史太閤記』 -
Posted by ブクログ
◦ 信玄の戦略と『孫氏』の関係、川中島の戦い、信長との比較、と盛りだくさんの内容。『孫氏』という軸があるものの、少しぼやけてしまっているような印象を受けた。とはいえ、孫氏の体現者だからこそ信玄は勝てなかった、という主張は明確で、その根拠も明確。史料と史料の間を想像で補うのではなく、社会学的な手法で補完する手法は歴史の専門家にはウケが悪いだろうが、そうでない人にとってはある意味当たり前のやり方なので、著者の手法の方に説得力を感じる。それにしても『孫氏』には”時間の概念がない”というのは確かに盲点だった。しっかりと準備し、戦いが始まれば素早く動くことを勧めているが、その準備については、勝てると確信