【感想・ネタバレ】戦略で読み解く日本合戦史のレビュー

あらすじ

「関ヶ原合戦は西軍が勝ったはずだ」。かつて関ヶ原合戦の両軍の布陣を見たプロイセン王国・ドイツ帝国のクレメンス・ヴィルヘルム・ヤーコプ・メッケル大佐はこう述べたといわれる。戦略と勝敗とは、はたしてどのような関係にあるのか。日本において「完璧な合戦」は存在したのか。「撤退の意義」、「強兵と弱兵」の定義とは何か。本書は日本史の一次史料にとどまらず、『孫子』やクラウゼヴィッツの『戦争論』など古今東西の戦略論を参照。勝つための戦略を生む思考のプロセスを分析する。日本合戦史の教訓を新たな視点から導く、まったく前例のない書。 【本書に登場する主な合戦】「平治の乱」―完璧な合戦/「一ノ谷合戦」「屋島合戦」「桶狭間合戦」―迂回と奇襲/小田原城の攻防―籠城と攻城/「三増峠合戦」「川中島合戦」―『孫子』対『孫子』/「沖田畷合戦」「長篠合戦」「雑賀攻め」―新兵器への幻想/「賤ヶ岳合戦」「箱根竹下合戦」―内線と外線

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Posted by ブクログ

愚策でも勝ったら成功策とされる結果論の罠を戒める。兵農分離神話の否定。戦略の芸術としての川中島合戦。信長の偉大さは軍事的な凡才を自覚して相手より大きな兵力を整えるのを待つことができた点。義経愚将説。その他にも兵站や国民軍についての記述。
評価は分かれるかもしれないが名著。ただ急に近しい人しかわからない私事を混ぜてくるのはなんなのだろう。

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2019年07月07日

Posted by ブクログ

文字通り、戦略という視点で日本合戦について解説した一冊。

従来の歴史観とはかなり相違があり、その点が難しかったものの、その言説には説得力があった。

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2022年12月11日

Posted by ブクログ

元寇のくだりは読んでいてこれぞ新説、と感じたが、最終的にはいくつか一般的には広まっていない情報があったのみで認識を変えなければならないほどではなかった。
書名の通り戦略に焦点をあてた本だが、合戦素人の自分には同じように見える源義経と楠木正成も、著者によるとその戦略眼の点で全く違う、とのこと。では戦略眼の違いは何かというと、そこは保元・平治の乱における平氏と源氏の違いでよりわかりやすく際立って説明されていた。
・要は戦い方のうまいヘタでは勝者になれない、ということ
・そして、再現性の希薄な偶然が多分にある勝利は、それとして評価しなければならないこと
・並行して読んでいた司馬遼太郎の『新史太閤記』を正しいとすると、信長・秀吉は抜群の戦略眼を持っていたということ
が、この本によりよくわかった。

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2021年04月15日

Posted by ブクログ

合戦の歴史と内容を評価した本。合戦に私自身がそれほど詳しくないためか、あまり頭に入ってこなかった。残念…。ただ、勝った合戦が必ずしも作戦的にすぐれていたわけではなく、たまたま勝った作戦なのか、それとも練り上げられた作戦なのかを検証することが大事なのだということは学べた。

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2020年10月18日

Posted by ブクログ

本題とはあまり関係ないけど、「後白河法皇はサイコパス」という言葉が一番インパクトあった。
源義経って結果的には勝ったけど、その戦略戦術はあんまり評価していなかった。自分には軍事の知識がなくてそれが妥当かどうかの判断がつかなかったので、勉強していきたい。この作者ぐらい軍事の知識があれば日本史がもっと面白く読めると思った。

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2020年01月04日

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