【感想・ネタバレ】孫子の盲点 ~信玄はなぜ敗れたか?~のレビュー

あらすじ

武田信玄はなぜ天下を取れなかったのか?
武田軍の農兵の比重の高さや組織の旧式性を声高に指摘する識者は多い。
また、信玄の根拠地、甲斐の国は都からも遠く、当時は貧国であったということは事実である。
だが、信玄の天下取りがかなわなかった真相は別にある。
信玄を語る上で欠かせぬ、世界最古の兵法書『孫子』。
その教義の限界が、信玄の天下人への道を大きく阻んでいたとしたら…。
宿敵上杉謙信との川中島の激闘、徳川家康を一蹴した三方ヶ原、対信長政策をはじめ、
旧来の歴史観がつくり上げた歴史の常識を打ち破る渾身の意欲作!!

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Posted by ブクログ

武田信玄の戦いの生涯に、「孫子」の引用をしつつ、解説を試み、謙信との戦いでは、「孫子」的行動をする信玄が翻弄されるのを描く。
章末に、古代ギリシャのエパミノンドス、カルタゴのハンニバル、フランスのナポレオンの戦略についても記載。
「孫子」の成立は、古代中国の春秋戦国時代に生き残ることを主眼にした。一方で、「君主論」は、群雄割拠するイタリア半島統一を主眼にした。
「孫子」は負けないことを主眼にし、「君主論」はスピードが重視される。
すなわち、「孫子」には、着実さを重視するあまり、「時の概念」が欠如している。

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2025年03月08日

Posted by ブクログ

孫子の教えが骨の髄まで染み込んでる信玄のその強さと、染み込んでるからこその欠点が書かれていた。
また、信玄と比較しての謙信の強さ、信長の強さ、が面白かった。
特に謙信、凄すぎるだろ。

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2020年01月01日

Posted by ブクログ

◦ 信玄の戦略と『孫氏』の関係、川中島の戦い、信長との比較、と盛りだくさんの内容。『孫氏』という軸があるものの、少しぼやけてしまっているような印象を受けた。とはいえ、孫氏の体現者だからこそ信玄は勝てなかった、という主張は明確で、その根拠も明確。史料と史料の間を想像で補うのではなく、社会学的な手法で補完する手法は歴史の専門家にはウケが悪いだろうが、そうでない人にとってはある意味当たり前のやり方なので、著者の手法の方に説得力を感じる。それにしても『孫氏』には”時間の概念がない”というのは確かに盲点だった。しっかりと準備し、戦いが始まれば素早く動くことを勧めているが、その準備については、勝てると確信するまで行うといった趣旨のことが書かれているのみで、時間の限度に全く触れていない。つまり準備をしている間に一生を終えてしまう事も有り得るわけで、信玄がまさにそれをやってしまったということになる。巷にあふれる”孫氏本”を時間の概念で読みなおしてみると面白いかもしれない。

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2015年11月08日

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