ヘンリー・キッシンジャーのレビュー一覧
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国際秩序、世界秩序を歴史を追って、また地域に大きく括って説明している。
現在起こっている事象を、このような大きな歴史の流れを理解したうえで、捉えることが重要。
アメリカの国務長官は、原題ではSecretary of State of the United Statesとなり、外務大臣よりも広い意味を持つと思う。(大統領No2的存在)
それが、様々な歴史的知識、経験に裏付けられた人物が就任していることがアメリカの強みでもあるのだろう。
(と感じた)
以下抜粋~
・ヴェストファーレン和平条約は、諸国家の歴史の転換点になった。帝国、王国、宗教的権威ではなく、国家がヨーロッパの秩序の基礎単位であるこ -
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[大画の大河]シンプルな題名そのままに,国際社会を形作る世界秩序について語り尽くした作品。歴史的にどのような秩序が作られ,現代はその秩序がいったいどこへ向かおうとしているのか......。著者は,『外交』,『回復された世界平和』等の著作を有する元米国務長官のヘンリー・キッシンジャー。訳者は,幅広い分野の翻訳を手がける伏見威蕃。原題は,『World Order』。
国際政治界における「横綱」による一冊だけあり,どっしりと構えて外交の世界について考えるためにはうってつけの作品。世界史や外交史だけでなく,軍事や哲学も援用しながら導き出されるキッシンジャー氏の慧眼ぶりは,やはり読書後の満足感の違い -
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以下抜粋
・北朝鮮については、もっと緊迫した問題がある。それには19世紀のビスマルクの警句がぴたりとあてはまる。「われわれは不可解な時代に生きている。そこでは強者がためらいゆえに弱く、弱者が厚顔ゆえに強い」。
・「まったく異なるふたつの要素の産物で、他の地域であればこのふたつはたがいに争うことが多かったが、アメリカではなぜか合体することが可能で、すばらしい組み合わせになった。私はいうふたつとは信仰の精神と自由の精神である」と、トクヴィルは結論づけている。
・アメリカ人は倫理的な人々で、私たちが国として信奉している価値観を外交政策に反映することを望む。しかし、アメリカ人は実際的な人々でもあり -
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これまでに読んだ国際情勢に関するあらゆる本の中で群を抜いて素晴らしい。キッシンジャーはフォード政権で国務長官を努めた外交のプロであり、ベトナム和平を実現してノーベル平和賞を受賞したほどの大物である。その言葉は重く、優れた歴史観と洞察力を以って、国際情勢を地域別に開設している。
1916年 サイクス・ピコ協定を以って、中東はイギリスとフランスによって分割されることとなった。それは、歴史的根拠が何もないものであり、その後の紛争や戦争の火種を内包したものとなった。
イスラム世界にとっての世界は、ヴェストファーレン体制は世界秩序の考え方として対極にある。国家は世俗的なものであり。国際システムの出発 -
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著者はニクソン大統領の大統領補佐官、レーガン大統領の国務長官を務めたキッシンジャー。本書は古代ローマ時代から現代まで世界秩序どのように形作られてきたのかキッシンジャーによる壮大な歴史書である。
本書からはキッシンジャーの徹底的なリアリズムがうかがえる。現在の国際法はヴェストファーレン的な原則が基礎となっているが、ヴェストファーレン体制は戦争の抑止力とはならない。ここで矛盾が生じてくる。第二次大戦後の冷戦は長期化し、国連は無力であった。アメリカは中東など世界の警察の役割を果たしてきたが、さらなる混乱を生むだけであった。アメリカの正義を世界に売り込む時代は終焉したのである。
新たな国際秩序の枠 -
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AI画像を生成される事の怖さは、ポルノにある訳では無い。本著が警鐘を鳴らすような軍事目的、例えば電波ジャックした上で成りすまして武装解除をするとか。天皇陛下の玉音放送だって今ならなりすましで行えてしまう。更に怖いのは、洗脳だ。大人なら、身近な人が極端な発言をすれば、その人が知り合いであっても警戒できる。しかし、子供は、実の親を模倣されると逆らえない。少年兵や誘拐に悪用されると、最悪だ。
文章の生成AIもそうだろう。検索エンジンの代用、つまり辞書の代用としてAIを活用するなら実害は小さい。しかし、答えを鵜呑みにするような子供がAIに触れると、誤った認識を信じ込むようになる。国家固有のデータベー