鈴森丹子のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
「おかえり」「ただいま」ときた3作目は多分これが最終巻なんだろうなあ、な一冊。
一巻二巻で登場した神様三匹勢揃い。
でもやっぱり神様は何をするでもなくただ話を聞いてくれるだけ。
あと食べ物を無心していくだけ(笑)
神様だけでなく、登場人物も、前から少しづつ関係のある人が登場してきて、そこがまた楽しい。
特に今巻では一巻から登場し、ずっと不遇だったミヤダイ君についに春が訪れて、いや良かったよ(笑)
前巻では登場人物たちの感情の持って行き方にちょっと納得できない部分もあったのだけど、今回は実にすんなりと受け入れられた。
なんというか、作者も成長してるんだなあ、いい作家になってきたなあと思った。 -
Posted by ブクログ
マヨネーズと銭湯好きの狸と晩酌とチョコレート好きのビーバーの話。
いや、神様なんだけど(笑)
それにしても狸はまあいいとしてなんでビーバー?
日本ならカワウソでしょうに(笑)
でも、いいなあ、こんな神様。
うちにもいて欲しい。
物語的には大人の恋物語。
4人の互いに顔見知りの主人公たちの短編連作。
いろんな恋模様があるけど、個人的には子供の時に出逢ったレンちゃんをずっと想う鳥居くんの話がなんとも切ない。
それが男だったというオチに一旦笑ったのだけど、実はウソで、本当はもう亡くなっているという事実がなんとも。
これ、いつか本人に本当の事がわかる時がくるんだろうか?
布袋さんはちゃんと打ち明けた -
Posted by ブクログ
ネタバレ奇跡も神通力もないけれど、ただ"そばにいてくれる"。
そんな神様との出会いがおりなす、ほっと優しい物語。
癒しを届ける作品。
神様がいるんだから100人力でしょ、という概念の無い「自分は神様」と名乗るだけの彼ら。ただ人生経験豊富だから1つ1つの言葉に重さがあって思いやりが詰まってる。最初のモテ女(神谷さん)の話から主人公入れ替え制でご都合主義的な内容だったのが少し残念。主人公固定でなんでもない日常メインの方が癒され度としては高いし、人の悪どさも見えてちょっとふわふわと読み進めないところもあった(まぁ死んでるから騙したのか、とは腑に落ちたが)
布袋という苗字に可愛さを感じな -
Posted by ブクログ
表紙でほっこり、読んでまたほっこりと癒される連作短編集です。
出雲に神様が集まる神無月の頃、橋の上を一陣の風(神渡し)が通り抜け…。山の神と川の神が、縁結びの神から「暇なら一人でもいいから縁を結んできてほしい」と依頼されます。
山の神様(たぬき)の言葉はなぜか武士語(〜でござる、それがし、等)、川の神様(ビーバー)はなぜか花魁語(〜でありんす、わちき、等)で、男女4人に関わります。
ただこの神様、何をするでもなく、「悩み苦しむ自分のそばに居てくれる誰か」なのです。たまにポロッと話す言葉が、心にスッと入り沁みていく妙な説得力があるのでした。
著者があとがきで記している通り、「そばにはい