百舌涼一のレビュー一覧
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コメディタッチでありつつ哲学的でもある、ハートフル・ノンメモリーストーリーです。
主人公は、ちょっとお腹の弱い限界社畜SE。ある日、休日出勤をしようとした電車の途中でとんでもないビックウェーブに襲われる。なんとか途中下車して滑り込んだ多機能トイレでは、鍵はかかっていなかったのに美しい女性が眠っていた。追い詰められたところでの異常な事態に、彼の括約筋まで動きを止めて――ともすれば社会から抹殺されてしまいそうな状況の中目を覚ました彼女は、お腹を下してひどいことになっている主人公を家に招き入れ、シャワーと洗濯を提供してくれた。素直に感謝だけをしたいところだけれど、彼女が主人公につけたあだ名は『 -
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母を亡くした継実(♂)は、しわがれ声で老婆のような口調の自称魔女(見た目は20代なかば)がやっている葬儀専門の花屋でアルバイトを始める
常識にはとらわれない花の選び方は「花言霊」を葬儀に添えるためのものだった
継実の特徴として、母親から「その声で話しかけないで!」と言われてからしゃべることができなくなったが、思っていることがなぜか魔女は理解できて会話が成立する
自称魔女の小説が僕の好みなんだけど、やはりこれもそういったオチでしたか
なんか、終盤の種明かしが怒涛の展開で、結構無理があるんだけどね
まぁ、好きな部類です
描かれている葬儀は以下のようなもの
不倫していた会社の重役
神サー -
Posted by ブクログ
失声症の青年と『魔女』の花屋で繰り広げられる生と死と人とのつながりのお話でした。
主人公は過去の母親との諍いに傷つき、小学生の頃から声が出ない『失声症』になってしまった青年。急な事故で二人暮らしだった母を亡くし、他に身内もいない天涯孤独の身になった十八歳。声が出ないためなかなかアルバイト先も見つけられず困っていたところ、ダメ元で当たった花屋で採用してもらえることに。そこは、見た目二十代後半なのに老人のような言葉で話す『魔女』が営む、弔い花の専門店で、通夜や葬儀の花を『花言霊』で飾る仕事をしていた。アルバイトとしてそれに関わるうちに、主人公は思いもよらないところから自分の家族や『魔女』に向 -
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優柔不断、と聞いて、ドキッとする人は、どれぐらいいるだろう?
実は、自分も優柔不断。主人公の勇者くんほどではないけれど。でも、「AとB、どっち?」という選択肢で、迷ったことはない、という人の方が少ない気がする。多少なり、迷うことは誰にだってあるでしょう。その極端の最先端を行ってるのが主人公・勇者くん。
そんな勇者くんに悪魔の手(救いの手?)を差し伸べる、生協のルイーダさん。
生協と通しての仕事なのに、おもいっきりブラックな匂いしか漂ってこない、一癖も二癖もある怪しげなバイト。
生協を通してと言うより、ルイーダさんを通して、が正解だろうけど。
それぞれ一話完結スタイルだと思っていたけれど、最