エスター・デュフロのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
収益を得るにはある程度まとまった投資をする必要があるため,それ以下の投資では逆に貧しくなってゆく貧困の罠について,その有無を机上で論じるのは無意味でで,調査してどちらの場合になるのかRCTで確かめなくては問題は解決できない.この方針で,様々な調査結果が示される.
防接種率を,豆のオマケを付けることで向上させる著名な例の紹介.イデオロギーでは,右派からは無駄,左派からは不道理と言われる政策だが,それよりも実効性が重要と主張している.
イデオロギー ideology,無知 ignorance,惰性 inertia の3I問題のため,実効性のない政策が行われる.インドで親が学校の運営に関わる政策で, -
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ネタバレ・貧乏な人は重要な情報を持っていないことが多く、間違ったことを信じている。魅力的で単純な方法でキャンペーンを実施。信頼できる情報源を。
・貧乏な人は自分の人生にあまりに多くの側面について責任を背負い込んでいる。意思決定の難しさ。お金持ちであれば、誰かが正しい判断を下してくれる。⇨先送り傾向⇨既に正しいと分かっていることをできるだけ実行しやすくすれば人生は大幅に改善する。
・一部の市場が貧乏人に提供されていなかったり、そこで貧乏人がかなり不利な価格に直面したりするのにはやむを得ない理由がある。
・貧乏だから失敗する、不幸な過去を持つから失敗確実ということはない。大いなる陰謀のせいではなく、詳細な -
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Posted by ブクログ
タイトルの通り経済学についての本だが、人間の行動心理について書かれている部分も多くあり、そこが私にとってはとても興味深かった。
特に「時間不整合性」や「豊かな国に住む者は眼に見えないあと押しに囲まれて生活している」という二つの事実は、今後もずっと覚えておきたいと思った。
まず一つ目の時間不整合性は単純に言うと「今チョコレートを食べるのを我慢できないのに、来年にはダイエットに成功しているはずと思っている」ようなことで、これはとても身に覚えがある!いつも将来に過大な目標を立ててしまい、一方で現実は全く努力ができていない。いつもそう。
それは私がとんでもなく怠け者のせいなのかと思っていたが、人間す -
Posted by ブクログ
2019年にノーベル経済学賞を受賞した、インドの経済学者アビジット・バナジーとフランス人経済学者エスター・デュフロ(二人はご夫婦だそうです)の共著のこの本を頑張って読んでみました。
この本では経済、教育、農業、政治を通し、人間の心理まで考えます。
言葉が非常に丁寧で、貧乏な国や地域の問題を読者の多くがいるであろう先進国の人たちも身近に感じることができるような説明になっています。
そもそも「貧乏な国、家庭はずっと貧乏である」、つまり貧困の罠に囚われるということはあるのかということは、長年議論されています。
貧しいことに対して他者(他国)からの援助は必要なのか。この問題は「貧困に囚われているなら -
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ネタバレ面白かった!薄暗い装丁だったのでどんよりした気分にさせる本なのかと思ったら、すっごい前向き。医者が患者に問診するみたいに、色んな角度からのヒアリングと施策と経過観察が繰り返し続く。しかし文章がとにかく長いのが玉に瑕。この粘り強いというかしつこい程の慎重さはどっかで?と思ったら、末の賛辞にピケティの名前があってやっぱりーと思う。各論より後ろの訳者評と総論から読んだ方が分かりやすいかなあと思った。
・正しい知識と情報が必要
・「正しい」判断のデフォルト選択肢が重要
・初期に無料提供した方がトータル安上がりの場合もある
・制度の改良によって改善できることは実は多い
・希望を持つこと、達成感を得ること -
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Posted by ブクログ
ネタバレ事例が多く、事例に引き込また、
多くの本が引用、紹介されており、これ全部読めばいろいろ相当になるだろうなと感じた。時間がないのでトライ断ねん。
貧乏人へ金銭支援をする。あげた人は解決してほしい問題に使ってほしいが、うまくいかない。貧乏人は目先の快楽にお金を使ってしまう。
貧乏人は、何も持たないから何でも自分でしようとする。チャレンジ精神が旺盛で、小さい家業を営む者も多い。が、ほとんどが小さすぎる。家業が生活の暮らし向きを飛躍的に向上させることはあまりないと言える。
政府からの支援は、その政策がまともで、それをしっかり実行する土壌があって成功する。
貧乏人の多い国では。政策、実行する土壌が整っ -
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Posted by ブクログ
みすず書房 ノーベル経済学者 バナジー &デュフロ 訳 山形浩生 「 貧乏人の経済学 」
行動経済学の立場から 貧困原因を検証した本。個人が貧乏から脱却するための行動をし、まわりが それを支援をすれば、国の貧困も解消されるという論調。タイトルの「貧乏人」とは 開発支援が必要な国の国民を意味
貧乏脱却例の数々は 当たり前の事を言っているように思うが、言うは易し行うは難し
*食事は美味しさより 栄養素を重視せよ
*健康は 高くつく治療より、安く済む予防に支出せよ
*教育について投資効果を期待をするな、子供の学習を諦めるな
*保険で備えろ、貯蓄をしろ
「貧乏人は 大 -
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