エスター・デュフロのレビュー一覧

  • 貧乏人の経済学――もういちど貧困問題を根っこから考える

    Posted by ブクログ

    やっと読みました。途上国の貧困が大きなテーマであるけれど、行動経済学を扱ってるので自分や日本社会にも当てはまる部分(特に、政治や制度の話など)が多くありました。貧困の原因や解決方法は、白黒分けて考えられるような単純なものではないこと、細かく実験を繰り返すことで見えてくること。考えてみれば当たり前だけど、盲目になりがちな点にたくさん気づけました。繰り返し読みたい。

    0
    2020年05月24日
  • 貧乏人の経済学――もういちど貧困問題を根っこから考える

    Posted by ブクログ

    まとめ

    経済学は大きな立場を表明してきた
    ex)資本主義の是非

    ところで世の中の公的政策には、上手く機能していないものが多く存在している。
    なぜ機能していないかというと、政策担当者は脳内のイメージにのみ頼って政策を作っているからだ。

    経済学は、このような政策1つ単位をよくデザインするために有効な道具である。
    思い込みで政策を考えるのではなく、上手く行くためにはどうすればいいか分析することができる。
    具体的には、国民に行動してもらうためにはどのようなインセンティブをつければいいかを考えることができる。

    0
    2019年11月08日
  • 貧乏人の経済学――もういちど貧困問題を根っこから考える

    Posted by ブクログ

    1日1ドル未満で生きる最底辺10億人の人々は先進国の莫大な援助に関わらず何故改善しないのか?
    現地でのリアルな事例に基づく、人々が何故、どう動いているのか、その現状と制度の問題提起。
    難しいことではないのだが、ひどく手間はかかる。
    正しい情報、教育、制度を整えると同時に現場に即した形に調整し、それが正しく運用されるように監査し、成果を測定する。先進国の政府制度への「信頼」が全くないことや、援助のわずかな割合しか現地に届かない現状。
    援助が有害であるという説、大規模に或いは革命的に変えなければという論、いずれも一面ではあるが、最終的には手間をかけるしかない。
    3つのI、つまり無知、イデオロギー、惰性は第三世界の問題だけではなく、小さな社会組織にも共通する課題ではある。

    0
    2025年10月05日
  • 貧乏人の経済学――もういちど貧困問題を根っこから考える

    Posted by ブクログ

    原著2011年、日本語版2012年。当時のビジネス書ベストセラーらしい。インド出張からの帰国便の中で読んでみた。(著者のひとりはインド人)

    開発援助の経済学については、制度設計が(素人が思うより)非常に難しく、効果の測定も入念な準備が必要であることは、行動経済学の本で見聞きはしていたつもりだけど、本著者の執念にはアタマが下がる思いだ。

    多用されている、ランダム化対照試験(randomized controlled trial)は、社会学者にとってはとてもやりがいがある手法だと思うが、平等思考の日本では中々導入が難しいだろうなあと思った。仮に、「ゆとり教育」を全国導入する前に5年程度特定地域でRCTを行っていたとして、ネガティヴな結果が測定されたとしたら(政策趣旨上何を測定するのか不明だが)、該当集団は導入を承認した責任者(市長とか)を訴えたくもなるだろう。

    訳者解説より
    本書の知見の多くは、かなり意外なものだ。たとえば、
    ・飢えているひとでもカロリー増よりおいしいものやテレビのほうを優先する。
    ・就学率が上がらないのは、学校がないからではない。むしろ子供自身や親が学校に行きたがらない/行かせたがらないから。
    ・マイクロファイナンスは悪くはないが、一般に言われるほどすごいものでもない。
    高利貸しは悪らつな強突く張りでは(必ずしも)ない。
    ・途上国に多い作りかけの家は、実は貯蓄手段。

    本文より
    P347
    網羅的な結論にかえて
    貧困を削減するのに魔法の銃弾はありません。でも貧乏な人の生活を改善する方法については、まちがいなくいろいろわかっています。特に、重要な教訓五つが浮かび上がってきます。
     まず、貧乏な人は重要な情報を持っていないことが多く、まちがったことを信じています。(中略)
     第二に、貧乏な人は自分の人生のあまりに多くの側面について責任を背負い込んでいます。金持ちになればなるほど、だれかが「正しい」判断を代わりに下してくれます。(中略)
     第三に、一部の市場が貧乏人に提供されていなかったり、そこで貧乏人がかなり不利な価格に直面していたりするのには、やむを得ない理由があるのです。(中略)
     第四に、貧乏な国は貧乏だからといって失敗が運命づけられているわけではありませんし、また不幸な過去を持つから失敗確実などということもありません。(中略)
     最後に、人々に何ができて何ができないかという期待は、あまりにしばしば自己成就的な予言に早変わりしてしまいます。きみはカリキュラムを習得できるほど賢くないよ、というシグナルを先生(そして時には両親)から受け取った子供は、学校をあきらめてしまいます。(中略)看護師たちは、クリニックにいるとだれにも期待されていないために、クリニックにこなくなります。

    0
    2025年02月23日
  • 貧乏人の経済学――もういちど貧困問題を根っこから考える

    Posted by ブクログ

    「経済発展によって、もう世の中からは貧乏なんてなくなる」と言われて久しいが、しかし実際のところは格差だけが広がり、貧乏な人はあいかわらず貧乏のままだ。世の中がこんなに豊かになっているにもかかわらず、貧乏人は貯蓄の手段がなく(ので貯蓄もせず)、保険にも入れず、事業のための借り入れもできず、結局貧乏から抜け出す手段がない。貧乏人への救いの手は途中にいる様々な人々によって搾取されて当人に届かない上、予防接種や基本教育のように効果が見え難い施策は今度は人々が見向きをしないのだ。

    そんな現状を打破するために、ランダム化対照試行をひっさげて「貧乏を打破するボタン」を探して回る著者たちの研究成果をまとめた一冊。マイクロファイナンスも医療の拡充も、貧乏を根絶する銀の弾丸にはなり得ないが、状況を良くしていることは確かであり、正しい人々に正しいプロモーションで正しい仕組みを届ければ、貧乏は少しずつ改善されるのだという、経済学と社会学と心理学を組み合わせたような一冊。

    0
    2024年08月23日
  • 貧乏人の経済学――もういちど貧困問題を根っこから考える

    Posted by ブクログ

    開発経済学、と言うそうです。初めての分野の本。ノンフィクションと論文の中間的なものという印象でした(そのせいか、なかなか読み進めませんでした笑)。我々は過保護なくらい社会制度に保護されており、そこからの思い込みや押し付けは的外れ。イデオロギー、無知、惰性の「3I」が敵。知ったかぶりと無関心が敵。正に、「細部がモノを言う」。たくさん教えて頂きました。

    0
    2020年08月05日
  • 貧乏人の経済学――もういちど貧困問題を根っこから考える

    Posted by ブクログ

    「なぜ貧困から抜け出せないか」の話。ここの中ではありきたりなステレオタイプな論調でなく、貧困と貧困から抜け出せない理由には様々な要因があると説いている。よく聞かれる貧困のS字曲線なんかもそんな単純な話じゃないということらしい。そこには心理学的要素も深く関わっていて、貧乏人と称される人々が必需品だけを優先できずに嗜好品を手にする現状をあきらかにしている。
    また一時期よく取り上げられていたマイクロクレジットについても、なんかいい面だけが喧伝されているけれどもMCが貧困に対して万能でないことも実例を挙げて示しているとが目新しかった。

    0
    2020年05月23日
  • 貧乏人の経済学――もういちど貧困問題を根っこから考える

    Posted by ブクログ

    貧困な状況に関する面白い情報、眼から鱗な情報が結構あって面白かった。心理学という観点でも興味深い。
    残念ながら自分の生活に活かせる情報は少なかったかと。

    0
    2020年01月18日
  • 貧乏人の経済学――もういちど貧困問題を根っこから考える

    Posted by ブクログ

    内容が難しく、調査結果も割と詳細に書かれているので、研究材料としてもある程度は活用できるかと思われる。

    0
    2019年05月01日
  • 貧乏人の経済学――もういちど貧困問題を根っこから考える

    Posted by ブクログ

    有効な援助方策を見出さんがために、いくつもの貧困社会で「実験計画法」を使う、というのは、ちょっとアブナイ話ではないのか。レヴィ=ストロース的「民俗学」という西洋至上主義がにじみ出ているぞ。

    0
    2018年10月14日