エスター・デュフロのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
1日1ドル未満で生きる最底辺10億人の人々は先進国の莫大な援助に関わらず何故改善しないのか?
現地でのリアルな事例に基づく、人々が何故、どう動いているのか、その現状と制度の問題提起。
難しいことではないのだが、ひどく手間はかかる。
正しい情報、教育、制度を整えると同時に現場に即した形に調整し、それが正しく運用されるように監査し、成果を測定する。先進国の政府制度への「信頼」が全くないことや、援助のわずかな割合しか現地に届かない現状。
援助が有害であるという説、大規模に或いは革命的に変えなければという論、いずれも一面ではあるが、最終的には手間をかけるしかない。
3つのI、つまり無知、イデオロギー、 -
Posted by ブクログ
原著2011年、日本語版2012年。当時のビジネス書ベストセラーらしい。インド出張からの帰国便の中で読んでみた。(著者のひとりはインド人)
開発援助の経済学については、制度設計が(素人が思うより)非常に難しく、効果の測定も入念な準備が必要であることは、行動経済学の本で見聞きはしていたつもりだけど、本著者の執念にはアタマが下がる思いだ。
多用されている、ランダム化対照試験(randomized controlled trial)は、社会学者にとってはとてもやりがいがある手法だと思うが、平等思考の日本では中々導入が難しいだろうなあと思った。仮に、「ゆとり教育」を全国導入する前に5年程度特定地域 -
Posted by ブクログ
「経済発展によって、もう世の中からは貧乏なんてなくなる」と言われて久しいが、しかし実際のところは格差だけが広がり、貧乏な人はあいかわらず貧乏のままだ。世の中がこんなに豊かになっているにもかかわらず、貧乏人は貯蓄の手段がなく(ので貯蓄もせず)、保険にも入れず、事業のための借り入れもできず、結局貧乏から抜け出す手段がない。貧乏人への救いの手は途中にいる様々な人々によって搾取されて当人に届かない上、予防接種や基本教育のように効果が見え難い施策は今度は人々が見向きをしないのだ。
そんな現状を打破するために、ランダム化対照試行をひっさげて「貧乏を打破するボタン」を探して回る著者たちの研究成果をまとめた -
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