黒川由美のレビュー一覧

  • オン・ザ・マップ 地図と人類の物語

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    ・1290年に作製された「マッパ・ムンディ」。ヘレフォード大聖堂。
    ・アフリカの地図…西欧先進国による勢力地図。
    ・コング山脈のでっちあげ、地図による隠蔽、「文明化」の名の下での支配と搾取。
    ・19世紀から、地図やガイドブックの一般化。
     ベデガーのガイドブックはナチスに採用され、敵軍の士気を阻喪させようと、
     ガイドブックで星がついた場所を次々と破壊していった。(P.283-)
     フォースターは『眺めのいい部屋』で、ガイドブックは旅行者の自然な感情の動きをさまたげる、という。
    ・映画『カサブランカ』における地図。(P.295-)
    ・デジタルマップ普及で、想像力等の「心の喪失」につながる。

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    2015年05月06日
  • オン・ザ・マップ 地図と人類の物語

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    石に刻まれた現存最古の地図からオープンワールドゲームの世界まで。歴史のなかで重要な役割を果たした地図を語り尽くす、地図学の入門書。


    ヘレフォード大聖堂がマッパ・ムンディ(中世の世界地図)をサザビーズで競売にかけようとした顛末から始まり、コロンブスではなくアメリゴ・ヴェスプッチを新大陸の発見者とする認識を広めてしまった地図のことなど、トリビアを知るには楽しい本。古地図に限らず、ロンドン地下鉄の一社員がデザインした路線図が今世界中に広まっているデザインの元を作ったということや、チャーチルの巨大地球儀(直径127cm)を再現するアーティストのインタビュー、映画や小説に登場する架空の地図を扱った章

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    2021年08月09日
  • オン・ザ・マップ 地図と人類の物語

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     地図に関する歴史を振り返りながらの地図を通しての細かな物語がたくさん詰め込まれている。それぞれはだいぶ独立した話になっていて、新世界の発見のことから人体の地図のことまでことにまで話が及ぶ。あまり体系だった話にはなっていないが、地図について今ではあまりに当たり前に思ってしまっていることも、昔の人たちのさまざまな工夫があってのことだったとも感じる。

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    2018年09月10日
  • オン・ザ・マップ 地図と人類の物語

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    古代ギリシアの地図から宝の地図、地下鉄路線図、絵本やゲーム中の架空の地図、さらにはグーグル・マップまで、およそ地図と名のつくものについての歴史と、その作成者達の物語が詰まっている。
    デジタルの地図は確かに便利だが、人間から地図を読む能力を急速に奪っているのではないか、というするどい考察には、同感だ。

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    2016年10月31日
  • 通勤の社会史 毎日5億人が通勤する理由

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    2016.09.08 汽車(鉄道)の発展に伴って19世紀の前半からイギリスで始まった通勤。会社と家を別々の場所に持ち行き来するというスタイルは、ロンドンが一気に都市化し居住環境の悪化が進む中で、中流層(チケット代を出せるエリート層の人々)から始まった。通勤からスタートした移動は、人に自由を与え、職業選択の幅を広げ、経済的な発展にも大きく寄与したという。ICTの発展で今後通勤はなくなるのではないかという声があるが、通勤を推奨する名だたるIT企業が多いその実態からも今後ともなくならないだろうという。通勤は、家からも会社からも開放されたもう1つの大切な時間であり無くてはならないもののようだ。

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    2016年09月08日
  • 通勤の社会史 毎日5億人が通勤する理由

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    興味深い内容でおもしろく読んだが、訳語の選択にクセがあって若干リーダビリティを阻害するきらいがある。

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    2016年04月18日