【感想・ネタバレ】オン・ザ・マップ 地図と人類の物語のレビュー

あらすじ

地図は人間の歴史を饒舌に語る。
――世界地図の概念が「発明」されてから2000年、地図制作は人間の進歩とともに発展してきた。コロンブスを遡ること500年前の新大陸発見を証明する古地図、英国の至宝となった絵地図をめぐる大論争、多くの人命を救ったコレラの感染地図……。先史時代の洞窟壁画からGoogleマップにいたるまで、果てなき好奇心で未踏の地に挑み、地図を作りつづけてきた人間の壮大な闘いと冒険の物語。
*貴重な図版を100点以上収録。「地図の世界史」決定版!

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Posted by ブクログ

・1290年に作製された「マッパ・ムンディ」。ヘレフォード大聖堂。
・アフリカの地図…西欧先進国による勢力地図。
・コング山脈のでっちあげ、地図による隠蔽、「文明化」の名の下での支配と搾取。
・19世紀から、地図やガイドブックの一般化。
 ベデガーのガイドブックはナチスに採用され、敵軍の士気を阻喪させようと、
 ガイドブックで星がついた場所を次々と破壊していった。(P.283-)
 フォースターは『眺めのいい部屋』で、ガイドブックは旅行者の自然な感情の動きをさまたげる、という。
・映画『カサブランカ』における地図。(P.295-)
・デジタルマップ普及で、想像力等の「心の喪失」につながる。

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2015年05月06日

Posted by ブクログ

石に刻まれた現存最古の地図からオープンワールドゲームの世界まで。歴史のなかで重要な役割を果たした地図を語り尽くす、地図学の入門書。


ヘレフォード大聖堂がマッパ・ムンディ(中世の世界地図)をサザビーズで競売にかけようとした顛末から始まり、コロンブスではなくアメリゴ・ヴェスプッチを新大陸の発見者とする認識を広めてしまった地図のことなど、トリビアを知るには楽しい本。古地図に限らず、ロンドン地下鉄の一社員がデザインした路線図が今世界中に広まっているデザインの元を作ったということや、チャーチルの巨大地球儀(直径127cm)を再現するアーティストのインタビュー、映画や小説に登場する架空の地図を扱った章もある。
豊富な図版によって地図にまつわるテーマの幅広さと、地図の概念が古代から今日に至るまでどのように変化してきたかを知ることができる一冊。

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2021年08月09日

Posted by ブクログ

 地図に関する歴史を振り返りながらの地図を通しての細かな物語がたくさん詰め込まれている。それぞれはだいぶ独立した話になっていて、新世界の発見のことから人体の地図のことまでことにまで話が及ぶ。あまり体系だった話にはなっていないが、地図について今ではあまりに当たり前に思ってしまっていることも、昔の人たちのさまざまな工夫があってのことだったとも感じる。

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2018年09月10日

Posted by ブクログ

古代ギリシアの地図から宝の地図、地下鉄路線図、絵本やゲーム中の架空の地図、さらにはグーグル・マップまで、およそ地図と名のつくものについての歴史と、その作成者達の物語が詰まっている。
デジタルの地図は確かに便利だが、人間から地図を読む能力を急速に奪っているのではないか、というするどい考察には、同感だ。

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2016年10月31日

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