林佳世子のレビュー一覧

  • 岩波講座 世界歴史 第15巻 主権国家と革命 15~18世紀

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    産業革命論は単なる歴史の解説ではなく、現代的な意義を強く意識した論考です。
    本書のなかで、多くの人にとって一読の価値がある部分だと思います。

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    2023年07月18日
  • 岩波講座 世界歴史 第1巻 世界史とは何か

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    歴史への向き合い方を問い直すきっかけになる本。歴史とはやっかいなもので、時代や立場が違えば、真実や事実は異なり、正解はない。しかしこれこそが学問の真髄であり、今まさに人間が求められている対話の姿勢を示してくれるものではないか。一つの問題に対して異なる視座から複数の答えを見つめる姿勢を学び実践することで、独善的になりがちな主観を揉み解す。これは歴史研究に限らず人生において忘れてはいけない。

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    2022年05月17日
  • 興亡の世界史 オスマン帝国500年の平和

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    西洋史関連の本を読んでいると、必ず出てくるオスマン帝国。

    知っているようで、あまり知らないので、読んだ。

    とてもわかりやすく、オスマン帝国の興亡について書かれていた。

    長きにわたる支配、広大な支配。

    なぜそれができたのか?について、少しは頭に入ったかな。

    多様な民族・文化・宗教を包摂しながら、その平和を保っていた。

    中でも、”異教徒に寛容だった”という点は、改めての認識。

    読んでいて思ったのは、バルカン半島や今のアフガニスタン(とその周辺地域)。

    昔から紛争が絶えない地域だなぁと。

    民族・文化・宗教が複雑に混じりあっているためなのか。

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    2021年10月17日
  • 興亡の世界史 オスマン帝国500年の平和

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    最初に大事なことを。「表題にあるような500年の平和なんて無かった」<代替わり毎に兄弟皆殺し、反乱、外征の繰り返し(代替わり毎の兄弟皆殺しは初期だけとはいえ)

    そして、オスマン帝国のコンセプトである『イスラム法を用いて、イスラム教徒と非イスラム教徒を平等に支配する』結局これが完成する前に国が滅んだ。ビジネスモデルに問題があったと思われる。ただし、形を変えながらも五百年継続した事は評価されるべきか。

    とはいえ、中央集権を指向していたにもかかわらず、徴税権を売却する、戦争には地方領主の軍勢を頼るなど、帝国維持の為の手法が中央集権を弱める方向というのは、緩やかに崩壊したとは言え、やはり崩壊する宿

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    2018年10月14日
  • 興亡の世界史 オスマン帝国500年の平和

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    ネタバレ

    最初は何人(なにじん)の国でもなかったオスマン帝国。トルコ人支配の国ではなかったし、最初の領土確立地域はアナトリアではなく、バルカンだった。
    アナトリアの遊牧民の国という誤解と「オスマン=トルコ」という見方がこのー冊で大きくひっくり返された。(その誤ったイメージの出所は現在のヨーロッパ界隈の政治によるらしい。)

    本書は主に、14世紀から18世紀を対象に書かれている。多くの民族が入り乱れて暮らしていた帝国が変容していき、ー九世紀初頭、民族主義の到来によって解体するまでの過程が鮮明になった。
    読ませてもらってありがとうと言いたい本でした。

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    2018年09月02日
  • 岩波講座 世界歴史 第16巻 国民国家と帝国 19世紀

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    佐藤忠良氏のイラストがたまらなく素敵で。
    装丁の赤みがかった藤色の空は、
    ワーニャの不安な気持ちを表現しているのかなー?なぁんて、
    あれやこれやと勝手に想像したりしながら楽しんでいます。

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    2013年09月11日
  • 岩波講座 世界歴史 第13巻 西アジア・南アジアの帝国 16~18世紀

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    サファヴィー朝、オスマン帝国、ムガル帝国の3つの国家についての本。特にオスマンとサファヴィーの記述が多かった。
    どれも単一民族の国ではなく、様々な宗教の民衆を抱えた国であったが、その中で一般民衆がどのように他宗教の人と暮らしていたのか、異なる宗教の民を国家がどのように統治していたのかという点に重きが置かれた内容になっていたように思う

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    2025年08月29日
  • 岩波講座 世界歴史 第14巻 南北アメリカ大陸 ~17世紀

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    全く興味関心の無かった分野をあえて読む。
    意外に興味深い内容で面白かったな。
    時間と金あったら南米行きたいな

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    2023年07月29日
  • 岩波講座 世界歴史 第1巻 世界史とは何か

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    読み応えのある論文が満載の分厚い本だが、歴史についての新しい側面を示唆してくれると感じた.冒頭の、小川の"展望"は歴史を遡った時点からの膨大な展望を噛み砕いて教えてくれる力作であり、本講座の展開が予測できるような位置づけたと思う."焦点"で示された「ジェンダー史の意義と可能性」「ヨーロッパの歴史認識をめぐる対立と相互理解」が楽しめた.後者は西側へ移ってきたポーランドの歴史を概括しており、ウクライナに焦点が当たっている現在、非常にタイムリーだと感じた.歴史に関するWebの紹介も嬉しい情報提供だ.

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    2022年04月24日
  • 興亡の世界史 オスマン帝国500年の平和

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     トルコ、と聞くと皆はどういうイメージがわくのだろうか。
     ある人はトルコアイス、ある人はケパブといった肉料理かもしれない。またある人はなんだかわからいけどイスラムの国という反応かもしれない。

     実際私はあまり印象がない。高校で世界史を学ばなかったせいもある。
     だからか、以前より中東やイスラムについてはいつかは勉強したいという思いがあった。

     とはいえ、この本を実際に手に取ることになるきっかけはテレビであった。Huluで放映された「オスマン帝国外伝 愛と欲望のハレム」だ。何気なく見たら面白いのだ。要はトルコ版の大奥といったストーリーであるが、そこにイスラムの影響、ヨーロッパとの文化的人的

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    2021年02月28日
  • 興亡の世界史 オスマン帝国500年の平和

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    オスマン帝国が大きく2つに分かれること。
    17世期までのオスマン帝国が、他民族、他宗教国会であり、現実的な政策をして一つの国にゆるやかに纏っていたのが、ヨーロッパの近代化の波にもまれ、民族自決や宗教をはっきりと主張し出したことにより、内部崩壊が起こった。
    しかし、兄弟殺しはインパクト充分。不思議なのは、何故父親は殺されると分かって、何人も子供をつくったのか。今の道徳や社会制度の尺度では測れないのだろうなあ。

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    2020年05月13日
  • 興亡の世界史 オスマン帝国500年の平和

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    500年の平和、とはオスマン帝国の歴史のうち14世紀から18世紀までのことを指す、と筆者は言っている。その5世紀の中では外征も内乱も起こっているから完全なる平和ではなく、このタイトルに疑問を呈する向きもあるが、パクスロマーナもパクスアメリカーナも、戦争のない状態ではなく民族を超えた覇権によりその勢力内で争う必要がなくなった状態を指している。オスマン帝国は多民族を支配するためにイスラム法の枠組みを活用し、軍事の点では欧州先進国の技術を採り入れ火力の集中使用などではむしろリードした。レコンキスタのような宗教的不寛容から逃れたユダヤ人を受け入れて商業と金融の発達を促した点も含めて、オスマン帝国はパク

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    2016年12月04日
  • 岩波講座 世界歴史 第1巻 世界史とは何か

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     全集の第1巻ということで、総論的に網羅されたオムニバス論集となっている。オムニバスなので、全体的なことは言えないが、読みながらつくづく、「歴史研究とは、事柄を切り取りながら、自分なりの解釈で、正義感やイデオロギーを形成していく過程である」ということかな、とつくづく感じた。

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    2024年04月09日
  • 興亡の世界史 オスマン帝国500年の平和

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     中東諸国の歴史がよくわかっていなかった。オスマン帝国の歴史を学ぶことによって、争いの背景がわかりました。

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    2021年10月03日
  • 興亡の世界史 オスマン帝国500年の平和

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    塩野七生さんの「コンスタンティノープルの陥落」を
    読んで、オスマン帝国のスルタンや
    統治方法に興味が出て、こちらを読みました。
    正直中だるみしたんだけど、オスマンの女性や
    キリスト教徒など異教徒の扱い方、
    商人の台頭や役割、詩人の存在について等、
    トピックが非常に広く包括的でした。
    塩野さん、その辺書いてくれないかなぁ。
    併せて「pen イスラムとは何か」も読むと、
    より知識が補完されます。
    4つけたいけど、中だるみ分で3.8くらい?

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    2020年05月01日
  • 興亡の世界史 オスマン帝国500年の平和

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    ネタバレ

    世界史も地理も詳しくないのですが、大変興味深く読みました。
    学術文庫というのも初めて読みましたが、文庫にコンパクトにまとまっており、面白いです。
    コンパクトにするためにある程度端折ってはありますが、わかりやすく読みやすく、歴史や文化などに触れ絵や図なども豊富です。

    日本とは異なる価値観、考え方、それでも同じ人類として似通った判断をする部分もあり、それらのことに思いを馳せて読むのも面白かったです。
    周りの意見を聞く。美徳であり弱点でもあるという言葉が個人的には頷かされました。

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    2018年01月20日