岩本裕のレビュー一覧
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新聞などの世論調査では、内閣支持率、政策に対する賛成や反対の割合、選挙後の獲得議席数の予測などの様々なデータが発表されているのをよく見るが、世論調査とはどのようにして調べるのだろう。そもそも世論調査に協力した数千人程度の人々からの回答が民意を反映していると考えられるのだろうか。選挙の投票後、まだほとんど開票が進まないうちに当選確実が出るのはなぜなのか。本書では世論調査の歴史を振り返りながら時代とともに変わってきた世論調査の方法を解説し、その有益性や問題点について具体例を挙げて考察する。
現在一般的に行われている世論調査の方法は、コンピュータでランダムに発生させた固定電話の番号に電話をかけるRDD (Random Digit Dialing)という方法である。これは従来の面接法や配付回収法、郵送法などと比べて短時間で実施することができ、費用も抑えられる。その機動性の良さが評価されてRDD法はマスメディアの世論調査の中核をなすようになった。そして、頻繁に行われる世論調査で示される内閣支持率などのデータは、現在では政権や政策に対して大きな影響力をもつ程に重要視されている。
しかし世論調査は、調査の趣旨は同じでも調査機関や調査方法によって結果が異なることがよくある。回答者は、見知らぬ他人に回答を告げる面接法と他人の顔を見ることがない郵送法では異なる回答をすることがあるし、RDD法でも質問文の作り方や選択肢の順番によって選ぶ回答は変わってくる。つまり質問の仕方によっては世論調査ではなく、調査者の望みの方向に回答を誘導する世論操作になってしまう危険があるのだ。現在世論調査は、携帯電話を含むRDD法やインターネット調査、ビッグデータを利用する方法など色々な方法が研究されており、今後も様々な方法で実施されていくだろう。そこで重要なのは、どんな情報をどんな方法で集めたのかをきちんと把握した上で、世論調査のデータを読み解くことなのだ。
世論調査は、直接政治に関われない多くの人達の意見を国や行政に届けたり、権力を監視したりするための「武器」である。世論調査に答えることの重要さを理解して、民主主義社会の中で私達に与えられたこの「武器」を有効に利用しようというのが著者の主張である。何気なく見ていた世論調査も、その重要性と問題点を理解すると、データから様々なことが分かってくる。本書を読んだ後で目にする世論調査のデータは、今まで以上に興味深く思えるに違いない。 -
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朝日の柄谷行人さん書評から読んでみた。
世論調査ってプロパガンダでしかないと思っていたけれど、科学なんだなって見直した。
テレビっ子であった私はマスコミのコマーシャルとステルスマーケティング、番組宣伝、露骨なプロパガンダにどっぷりつかって生きてきた。そういったものを反省しようと心がけている。世論調査なんてマスコミの自作自演にしか見えなかった。自分で報道して自分で調査する。そこのどこに公正さがあるのかわからなかった。
この本を読んで世論調査とは科学であると知った。科学=帰納としてあるのだ。帰納とは如何にあるのか?それは反省・自己省察から自らの悟性によってありえる。悟性から知性はある。そして反知性主義として自らの悟性を否定し又は悟性を否定し服従させようとする支配がある。マスコミのバイアスのかかった世論調査はその科学性=帰納を否定し服従させる反知性主義となっているけれど、世論調査自体は科学=帰納としてあることを知った。そういうことなら僕はその科学=帰納を支持する。
世論調査への不信感の正当性と世論調査の可能性を知った。 -
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ネタバレカーマスートラという名前については偏ったイメージを持っていたが、一度読んで内容を理解してみようと思い読んだ。まず、カーマは愛と性欲の満足を指し、スートラは経典を意味する。成立時期は西暦3〜5世紀、グプタ朝が確立し、仏教が衰退しつつヒンドゥー教が発展し、「ラーマーヤナ」や「マハーバラタ」が宮廷詩人によって紡がれた時代である。このカーマスートラが性交はきちんと学ぶべきと説くのは、愛欲によって破滅しないためであり、食事と並ぶ重要事であるためであり、そして良い伴侶に巡り会う教養だからである。すなわち、上流階級の男女に向けた知的な指南書であり、「男女の気持ちが分からないならまずこれ一冊」といった性質を持つ。実際には当時の女性は文字を読めないため直接には伝わらなかったはずだが、妻としてどう振る舞うべきかについての記述も多い。また、恋愛結婚(ガーンダルヴァ婚)についても触れられている。正直、古代インドにおいてここまで率直に性欲を肯定している書物が存在することには驚かされた。同じ時代の多くの宗教が禁欲を尊び、欲望を戒めとして扱っていたにもかかわらず、性欲に向き合い、どう扱うかを教えようとする姿勢は際立って異質である。性の知識を男女双方に与える姿勢には、男尊女卑の古代において女性に対する配慮の深さを感じられる。
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世論調査に関しては、ニュースで見聞きする程度の素人読者です。
著者の岩本裕さんは、NHK「週刊こどもニュース」3代目お父さんとして活躍された方で、とてわかりやすい文章・表現が使われていたので読みやすかったです。
世論調査の世論という漢字のオリジナルは「世論」(=せろん)ではなく「輿論」(=よろん)であったこと、戦後のマスメディアが実施する世論調査をGHQが育成していたことは、全く知りませんでした。
また、同じ目的の世論調査の結果が各社で異なる原因、結果が異なっている場合の読み方など勉強になりました。
調査機関やサンプリング方法、質問の仕方などが結果に影響を及ぼす要因なり得るということも、忘れてはいけないと思いました。
世論調査は民意を示す絶好のチャンスなので、なるべく調査に協力していきたいと思います。 -
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以前三輪明宏の本を読んで「法華経」を読みたいと思っていた。
そのさらに前に安岡正篤の本で、読むことを薦めていた。
口語訳を読むことが精一杯だったが、そのエッセンスは吸収できた。
と思いたい。
正直、これは!という文章はない。それはいままでの読書で知識として知ってはいたものが多い。
情報としては皮膚感覚でわかっていたこと。
それを改めて意識させるツール=古典(仏典)である。
昨今の自己啓発本のような即効性はないが、じわじわ味わい深い。
「激しい欲望の生ずることが苦悩の起源である」激しい欲望を滅するために、汝らは常に執着してはならぬ。(p205)
一切のものの本質がないこと(空)と、一切のものに差別の根拠となる形状がないこと(無相)と、一切のものは作為なく存在していること(無願)と
「さとり」の境地への入り口とは、4種の薬と見做されるべきである。(P293)
善人・悪人のいずれを問わず、、、
中程度の理知によって分別することから、独覚といわれる。「空」についての智慧が劣っていることから、声聞といわれる。(p295)
「自分自身の完全なさとりのために」如来の教誡に精を出すのが声聞と独覚であって、みずからさとりを求めるとともに、世間に対する憐れみから、
多くの人間の幸福と安楽のために「一切の衆生の完全なさとりのために」如来の教誡に精を出すのが求法者である。後者は大乗であり前者は小乗である。(p360)注より -
Posted by ブクログ
サッダルマ=プンダリーカ(正しい教えの白蓮)というのは約二千年前に成立した経典だといわれる。
舎利弗(しゃりほつ)は仏の言葉を疑い、悪魔が仏に化けて自分を惑わしているのかと疑い、仏はそれを見て「舎利弗は未来世に仏陀となる」という預言をした。
舎利弗はそれを信じて無邪気に喜んだ。
そこで仏はこれについての譬え話をした。
「長者は炎に包まれた朽ちた家にいる子供たちを救おうとして、鹿の車等の現世利益で子供達を連れ出した。」
舎利弗は本当に鹿の車等の現世利益を与えなかったとしても、その長者の行いは間違ってはいないと思った。
法華経に出てくる諸々の功徳というのは、そんなもの(現世利益という報酬)に囚われた心を救うのが目的であって、鹿の車を貰うのが目的ではない。
仏陀の称号はそれ自体現世利益であって形にすぎない、、、、、、