石井進のレビュー一覧
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中世における東国の武士の実態を解明する論文のほか、竹崎季長や『吾妻鏡』などにかんする論考などを収録している本です。
「中世成立期の軍制」という論文が、中世における武士の軍制にかんする論文で、総説的な位置づけにあたる巻末の「中性武士とは何か」でその考察の結果があらためて簡潔にまとめられています。著者は、国司直属の武士と、地方の有力貴族ないし豪族のもとに組織された武士という、二つの系統から軍が構成されていることを明らかにしました。中世の武士社会は、こうした二重構造をかかえ込んでおり、そのことは一方で在地の武力を国司が体制内に「組み込む」という意味をもつとともに、東国の豪族による国衙の「乗っ取り」 -
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倭国=日本、律令制、農業=稲作、士農工商など、日本史上の「虚像」と目されるものを巡る批評。
わたしの生半可な知識では十分ハードコアな内容なのだが、対談という形式に助けられ、割と苦も無く理解は進んだ。これが対談ではなく、論述式であったならば眉間にしわを寄せて読む時間は、倍はあったろうと思う。ビバ対談!
網野史学を教導者として日本史に親しむ人口は多かったのではないか?
かくいう私はまさにそう。
高校の日本史の教師から研究者になり、「教科書の日本史」を否定し倒すという個性的な網野氏ももはや亡く。この分野でまた新たな教導者を探したい気持ちが募る。