松下隆志のレビュー一覧

  • 青い脂

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    太宰治3号や、夏目漱石2号にも書かせてみたいぞ、なんてのんきに考えていたら、
    スターリンとフルシチョフのくんずほぐれずな濡れ場の登場に、私のLハーモニーやMバランスは崩壊しました。

    前半パートを読んでいる間、ついつい日常的に「リプス・小便!」とか口に出してしまいそうになりますが、確実に変な人に思われるから皆さん気を付けよう。

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    2023年01月16日
  • 青い脂

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    1999年に出版された
    ロシアの作家ウラジーミル・ソローキンの長編SF小説。

    2068年、酷寒の地に建つ遺伝子研(GENLABI)18に、
    七人の文学者のクローン体が運び込まれた。
    クローンたちは新作を書き上げると
    焼け焦げて仮死状態に陥り、
    超絶縁体の《青脂》――青い脂――を体内に蓄積させる。
    研究所員の一人、
    言語促進学者ボリス・グローゲル曰く、
    防衛省が月面にピラミッド型をした不変エネルギーの
    反応器を造っており、
    その原料になるのが第五世代の超伝導体と《青脂》で、
    それは軍事用ではなく、毒性もなく、
    分解可能だが燃えることもない――。

    物語の鍵を握る謎の物体が
    次から次へと人の手に

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    2020年06月03日
  • われら

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    今から約100年前にかかれた、1000年後の未来を描いた作品。表現がとても未来的で時代を感じさせないところが驚き。ストーリーはSF映画にありがちな、完全に管理下に置かれた未来人が自我に目覚め革命を起こしていくものだが、執筆年を考えるとその走りなのかも。
    ただ、終盤にかけて表現が難解で先が見えた感もあっていい加減な読み方となってしまった。

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    2020年02月11日
  • われら

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    ソ連の作家によるディストピア小説です。
    当時の祖国に作品内容を受け入れられず、著者は亡命を余儀なくされました。
    <単一国>が管理する空想上の国に生きるД-503を主人公に、物語は無機質なものから有機的なものへ展開していきます。
    理性によってコントロールされる世界に迎合しない女性I-330の出現が、周りの男性の人生を狂わせていくのです。
    非常に癖のある作品なので、真剣にではなく適当に読み進めると良いかもしれません。

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    2020年01月23日
  • テルリア

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    戦時中。しばらくするとバスが来てそれに乗れば「国」に帰れるかもしれない。それを逃すと次いつ来るのかわからない。到着したバスは既に人がこぼれ落ちそうになっていた。その人達を引きずり落として、自分はバスに乗らなければならない。極限状態において人はどこまで、自分をさらけ出すことが出来るのか、氏に問いかけられる。(現代人はそういうの隠して生きてるんだよう、剥かないで)けして面白い内容でなく、むしろ読み手を翻弄させる。関わってしまうとザワザワする。ダイレクトに脳細胞に働きかける。恐ろしいけどやっぱり剥かれたいの。

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    2019年02月03日
  • 青い脂

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    ネタバレ

     想像していた内容と良い意味で違った本。ロシアの作家や歴史的な人物が登場したり、パロディが成されていたりする。それに加え、SF要素がある。初めのうちはもう何が何だか分からない。登場人物たちも新ロシア語で話しているし。しかし、読み進めていくうちに不思議と何を言っているかが感覚で理解できるようになります。それに1954年が舞台になると普通の言葉で話すようになるので、言葉だけは理解できるようになります。物語中で起こることは、私の理解の範疇を超えていましたが。
     2068年の作家たちのクローンによる作品は、その作家っぽく書かれていて、作者のの手腕が光っていると思います。
     ところで、結局「青脂」とは何

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    2016年06月05日