感情タグBEST3
Posted by ブクログ
ソ連最初期1920年代あたりに書かれたロシアのディストピア小説。
凄いのはそれよりも先の時代のソ連の様子、特にロケットを打ち上げる宇宙開発やソ連崩壊を予言していることです。
ザミャーチンはソビエトロシアの心を見つめていたのかもしれません。
Posted by ブクログ
まず、難解な小説である。全体主義で管理された社会に生きる(存在する?)uによる記録集。遠い過去に一度滅びかけた世界では、緑の壁により秩序が保たれかつ管理された社会が広がっている。
過去の遺物であるマンション部屋よく訪れ煙草を吸うlに会い、惚れ込み、緑の壁の外に暮らす野蛮人(とは言え、それほど野蛮でもなさそうだ)に会い、自分が正しいと信じ込んでいた世界が恩人によって過剰に管理・抑圧された社会だと気付いていき、、という話。
至る所に数式が出てくるのだが、微分積分(波を平らにしていく)で没個性を表しているよう。
やたら女性に好かれるところからも、理系のこじらせ男子の妄想が入ってるんじゃないか。ザミャーチン自身造船技師でばりばりの理系だ。
村上春樹ぽい。(村上春樹はザミャーチンに影響を受けた、と言っているらしい)
この小説、その後に続くスターリンの抑圧など暗い歴史があるので、重々しく捉えがちだが、案外ザミャーチンは、社会主義への変革に向かうロシアを、案外改革でこんな社会になっちゃったりして笑、みたいなノリで書いたのかもしれない。
カフカの変身も、カフカ自身友人へ音読する際ゲラゲラ笑いながら読んでいたという。
私達は変にかしこまって、ザミャーチン様、ははーっと平伏しすぎなのかもしれないのだ。
そう考えると、この小説は実はこじらせ男子の恋愛小説として読む事もでき、この難しさが少し愛らしく感じてくる。
Posted by ブクログ
古典ディストピアシリーズ
支配みたいなものに警鐘を鳴らしたというより、機械化による理性をとことん突き詰めた合理主義をよく描いている
詩的な文章で分かりにくいため情景を思い描くのに苦労する
Posted by ブクログ
読み始めて少し経った頃、まさにロシアが世界の話題の中心になってしまった。この時代にロシア文学を読むのはきっと意義があるのかも、と思い読み進めました。
主人公の一人称視点で独特の世界観なので、イメージが掴みにくいところもあった。あとがきにもあったが色々な比喩表現がされていて、そのあたりが分かるとさらに深く読めそうな気がする。また少し時間を置いて読んでみたい。
Posted by ブクログ
今まで様々なディストピア小説を読んできたが…これは、何だか"真っ白"と言う印象を受けた。表現としては、青やピンクなどの色が出てきて、カラフルなんだけど…それはきっと、主人公の側に"個"が認められないからだろう。ぜーーーんぶ同じ。明言されているわけではないけど"個"が認められているのは、トップのみ。上の考えが全てなので、だからそういうイメージなのかも知れない。
私がディストピア小説で好きなところは、徹底的に管理された世界で、そこからはみ出した人が矯正されたりなんだりする、みたいなところなのだが…今回も存分に徹底的に管理されていて、そして…
あー、面白かった
Posted by ブクログ
ソ連成立前夜の1921年に完成されたと言われるロシアのディストピア小説。本屋でディストピア特集をやっていて、目にとまったので読んでみた。ディストピア小説も本場(?)のロシア人作家が書くとこうなるかと思わせるラストで、ある意味衝撃的。"Brave New World" や "Nineteen Eighty-Four" を読み返したくなる。
Posted by ブクログ
今から約100年前にかかれた、1000年後の未来を描いた作品。表現がとても未来的で時代を感じさせないところが驚き。ストーリーはSF映画にありがちな、完全に管理下に置かれた未来人が自我に目覚め革命を起こしていくものだが、執筆年を考えるとその走りなのかも。
ただ、終盤にかけて表現が難解で先が見えた感もあっていい加減な読み方となってしまった。