植島啓司のレビュー一覧
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■僕が野良犬に咬まれないといけない理由■
宝くじに当たる人、詐欺にあって破産する人。裕福な家に生まれる子、ハンディキャップを背負って生まれる子。たまたま事故に巻き込まれる人、寝坊して命拾いする人。自分の身に起こることは偶然なのか?必然なのか?そもそも偶然って何?必然って何?
こういった疑問に理屈で答えるのは難しい。僕たちは幸運や不運にどのように対処したらいいのだろう。もちろん正解など存在しないと思うが、理屈ではなく考え方のヒントを与えてくれる。
著書中には数学者、ギャンブラー、占い師から矢沢永吉まで登場し、実話はもちろん、ギリシャ神話、言い伝えから笑い話、マーフィーの法則まで多彩なエピソ -
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「人は自分自身が下した決断からはなかなか自由にはなれない。だから、いいセールスマンはこちらから説得するのではなく、相手が自分で決断を下せるように導いていくのである。」
「神は嫉に深いゆえ、コウフクナ人間でも一転して奈落に落とされることもしばしばである。それゆえ幸福のうちに生涯を終えるところまで見届けぬかぎり、いまどれほど富んでいようとも、普通の人間より以上に幸福だとは考えられない。そうして、ソロンは、人間の生涯はすべて偶然の産物にすぎず、最後の一転がりで結果はどちらになるかわからないのだと告げる。」
「幸福にも二つの道筋があって、いざというとき頼りになるのは、先天的に与えられたものではなく -
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42の断章によってつづられた、偶然についての哲学的考察です。
「われわれの人生を決めているものはいったいなんだろう」という問いかけで始まる本書ですが、問題の解決を求めて宗教的な次元にいっきょに飛躍するのでもなく、かといって主観の領域に問題を封じ込めてしまうのでもなく、パスカルの「中間者」の立場から見えてくる広漠とした問題領域のマイルストーンを、いくつかの印象的な事例を飛び渡るようにして考察を展開しています。
そういう構成になっているので、問題の解決を見いだすことよりも、むしろ問題の広がりを探索するといった印象があり、けっきょくのところどういう結論に行き着いたのか、やや見通しがたいという欠点 -
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偶然のチカラについて書かれた本。あまり期待しないで読んだのですが、内容的にはとてもよかった。偶然というものはたった一人の世界では訪れない概念、という言葉が何より新鮮でした。いつか改めて読みたい本。
以下抜粋。
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・うまくいきる秘訣はなるべく選択しないですますこと(あれか、これかではなく、あれもこれも)
・買う前は欠点に敏感だった人も、買うと決めると調書ばかりを強調することになる。
・自然が秩序を持って進行している、ことに気づくことになると、一方では占いが生まれ、他方では賭けがうまれることになった。
・雨乞いのダンスはそのまま雨をふら -
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≪目次≫
はじめに 偶然とは何か
第1章 自分で選択するべからず
第2章 世の中にはどうにもならないこともある
第3章 自分の身に起こったことはすべて必然と考える
第4章 たかが確率、されど確率
第5章 思いは全部どこかでつながっている
第6章 いい流れには黙って従う
第7章 すべてはなるようになる
≪内容≫
名越氏の帯の書評「あまりに名著。遺書かと心配になった」が大変キャッチー。確かに名著である。宗教人類学者である著者が、「偶然はないよ。必然なんだよ。だから、抗うことなく悪いことが続いたら、その中で一番解決しやすいものからちょっとずつ崩していけばいいんだよ」というアドバイスを