ジェリー・トナーのレビュー一覧

  • 奴隷のしつけ方

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    風変わりなスゴ本。

    奴隷のしつけ方というマネジメント本というよりは、古代ローマ時代の奴隷制度について生々しく語ったという仕立てで読み易い。奴隷を資産、物として扱い、時に足の骨を折り、目を潰し、ウツボの生き餌にしようとし、女奴隷には我が子を生ませようと好き勝手に振る舞いながらも、一部で感情移入して金品を与えたり、奴隷身分を解放してあげたり、師弟愛のような奴隷との家族感情を育む一面もあって、この辺りは現代人の感覚では容易に理解し難い。もっと理解に苦しむのは、奴隷に生ませた子も奴隷だという事。まさに、唯我独尊、欲望の真骨頂、ファミリアという独裁国家だ。

    現代人も欲望の奴隷だとか、資本主義の奴隷な

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    2022年10月29日
  • 奴隷のしつけ方

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    奴隷のしつけ方。古代ローマ時代の奴隷のしつけ方と現代の日本社会の労働者管理のあり方はとても似ている。現代の日本社会では奴隷制度は存在しないことになっているけれど、結局は奴隷制度に近いものが残っているのかもしれません。

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    2018年09月03日
  • 奴隷のしつけ方

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    古代ローマの「架空の」貴族に語らせた、奴隷の扱い方ハウツー本です。面白いです。
    古代ローマの庶民の生活も分かりますし、とにかく奴隷制度が当たり前に定着している様子が分かりますね。
    最後に触れられていたように、時代的に、キリスト教は奴隷に支持されて広まってきたのかと思ってましたが、どうやら違うようですね。
    本書を、組織の管理方法論と見るか、古代の大衆歴史書と見るか、なかなか興味深いです。

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    2017年09月07日
  • 奴隷のしつけ方

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    某国民的アイドルグループの公開処刑的記者会見を発端に色々考えさせられたが、その際にTwitter上で紹介している人がいた書籍。
    現代日本のあり方にも通じる部分がたくさんあり、面白くもあったが色々と考えさせられる本であり、なるべく多くの人に読まれるべき本だと感じた。

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    2016年01月31日
  • 奴隷のしつけ方

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    私たちの奴隷のパブリックイメージは「死ぬまでこき使われていくらでも代わりが効くから家畜以下の扱いをうけるもの」であるからこそ、この本に書かれていた奴隷を扱うことの難しさや複雑さに驚かされた。(「俺たちは〇〇の奴隷だ」というような比喩に使われることが多く、偏ったイメージを持っていたからかもしれないが)
    社会に生きる私たちとローマの奴隷の差というのはほんの僅かなものしかないがその僅かな差が逆に我々を飼い殺す者のメリットになっていると感じた。

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    2024年01月20日
  • 奴隷のしつけ方

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    仮託された著者マルクスは2世紀頃のローマ市民(軍人でない者はない)で名家の名に恥じぬ勲功を挙げ、現在はカンパニア(イタリア半島)とアフリカにある所領を管理している。日本でいえば江戸時代初期の大名か。カルタゴ戦争の記憶は生々しく、当時も蛮族との戦いが絶え間ない。もちろん帝国は勝利し、奴隷が発生するが、1世紀にもなると奴隷同士や主人の種などで家内出生した奴隷も多くなり、市場が設けられた/複数を使役するときには奴隷の出身地はバラバラにして共通語による共謀を避けるべきとか、食事は最低限であるべきで、たまに褒美に主人家族の食べ残しをやるぐらいがいいとか、なかなか参考になる

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    2022年03月03日
  • 奴隷のしつけ方

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    古代ローマ帝国市民であり貴族である、架空の人物に、
    当時の奴隷について、扱いのノウハウ等を語らせた本。
    実際は、解説のトナー氏が多くの文献を基に書いている。
    古代ローマの奴隷制について、ここまで詳しく書かれた本は、
    なかなか興味深いものでした。それも、使う側という架空の人物に
    語らせたことがユニークでわかりやすかったです。
    奴隷の買い方、しつけ方、罰し方、奴隷の楽しみとは・・・。
    マルクス氏、尊大な上から目線で語っています。
    しかし、長い慣例とはいえ、奴隷の身はしんどい。
    解放されてもファミリアという制約に縛られる。
    更に・・・“交配”ですか!男女の営みは家畜も同然とは~!
    あぁ奴隷にならなく

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    2018年08月23日
  • 奴隷のしつけ方

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    タイトルは少々アレだが、内容は面白い本。
    古典の研究者が、奴隷を所有しているローマ人に語らせている体で書かれた一冊。
    ローマ人にとっていかに奴隷が普通のものだったかということや、奴隷と、奴隷所有者の行動から、今と変わらぬ人間の性のようなものが垣間見れた。

    また、奴隷と自由人関係なく無礼講になるお祭りがあったらしいのだが、そこで奴隷同士がくじ引きで王を決めて命令するという、正に「王様ゲーム」がこの時代にあったというのも驚きだった。

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    2016年12月31日
  • 奴隷のしつけ方

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    重労働の奴隷もいたが家事手伝いレベルの奴隷もいて奴隷といってもいろいろいたことがわかる
    場合によってはブラック企業は奴隷よりひどいともいえると思った

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    2016年07月17日
  • 奴隷のしつけ方

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    前半で古代ローマの奴隷と現代日本の社畜リーマンが重なって見えて、泣けてきた。それはさておき、古代ローマは奴隷という身分が固定ではなく、努力と運で解放され、活躍できる社会、流動性の高い社会だった事が発展の原動力だった事が理解できた。古代人の一人称をとる事でローマ帝国時代に時間旅行へ出かけたような読後感を味わった。

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    2016年05月13日
  • 奴隷のしつけ方

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    いつの時代も歴史観というものは強者側によってつくられているものである。当時の奴隷たちは主人の好き勝手に扱われ不当な理由で鞭打たれ、性的虐待をも受けていた。それは男女の別なく一方的な欲望のはけ口となっていた。しかしこれは過去の遺物では決してない。現代においても発展途上国等の貧しい国々においては、今も奴隷的搾取が行われている現実がある。それは貧困で喘ぐ親を言葉巧みにだまし子供をさらい、農村部で働かせたり売春させたりしている。人間の権利を搾取し被害者の心の傷を深く残すこの行為が今も続いている事には悲しみを禁じえない。世界の人々の理解と力を合わせて奴隷制の全世界での撤廃がされる事を強く願っている。

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    2016年04月16日
  • 奴隷のしつけ方

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    奴隷がどのようなものであったか、分かりやすく、読みやすい。また、現代にも通ずるところもあり読む価値があると思う。

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    2016年03月31日
  • 奴隷のしつけ方

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    本書のタイトルを見て、眉をひそめた方も多いかもしれません。
    「奴隷」などという理不尽な存在を「しつけ」るなんて、まるで奴隷制を正当化しているようではないか、と。
    いえいえ、そんな意図は毛頭ありません。
    奴隷制は今やどの国でも違法ですから、本書も当然、過去の「奴隷制」を扱っています。
    しかも、それは当時、「当たり前」のものでした。
    過去に「当たり前」にあったものを、現代の価値観で断罪する態度はいけません。
    謙虚に受け止める姿勢が必要でしょう。
    と、前置きがやや長くなりました。
    ローマ帝国時代の奴隷制とは、実際にどのようなものだったかを紹介しているのが本書。
    奴隷の買い方から活用法、罰し方まで、豊

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    2016年02月07日
  • 奴隷のしつけ方

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    ネタバレ

    古代ローマ等の文献をつぎはぎし、奴隷管理についてHOWTO本風に仕上げてある。キケロやセネカ、プルタルコスなどで読んだ覚えのある話も多かった。奴隷は人間であり資産でもあり、管理の観点からその扱いは一様に残酷なわけでもないようだが、奴隷のむち打ち専門の業者の存在、奴隷の証言には拷問が必須だったり、主人に子供を産まされて子供ごと奴隷として働かされるなどぞっとする話もあった。
    単に現代の視点からローマの奴隷制について書くのではなく、奴隷は自由人より劣った存在であり、厳しく使役して当たり前であるという概念を内面化した当時のローマ貴族が書いているという設定なので、読みやすく面白い。

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    2025年02月06日
  • 奴隷のしつけ方

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    ネタバレ

    ケンブリッジ大学ジェリー・トナー氏による古代ローマ貴族が当時の奴隷について語る形式の本。語り口調の文章は取っ付き易く、内容も興味深い。
    奴隷を度々卑下しながら「奴隷とは運命次第で自分が身を置くかもしれない身分なのにそれでも奴隷を軽蔑できるだろうか」など理想と現実の乖離を感じる。
    女奴隷が産んだ自分の子は「自分の血を引いた奴隷」扱いのようだが、もしかして売りに出すこともあったのだろうか。
    おもしろい本だが、分かりづらい箇所がいくつかあった。例えば、女奴隷を解放し主人の正式な妻とすることが書かれている。一方「皇帝の奴隷や解放奴隷が特別な地位にあることは、クラウディス帝によって法的にも認められた。ク

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    2021年06月14日
  • 奴隷のしつけ方

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    古代ローマの貴族が、奴隷の所有、管理等について、自分の意見を開陳するという体裁で書かれた本。
    語り手が教養ありすぎで、一般的な意見のように見えない。普通に書いた方が良かったんちゃうかな。

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    2021年03月03日
  • 奴隷のしつけ方

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    古代ローマにおける奴隷管理のコツをその時代のローマ貴族が語る形式の本。奴隷は人間ではではあるが、ローマ市民とは完全に区別しているのが興味深い。人権意識がそれなりな時代に生まれて良かった。

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    2017年12月25日
  • 奴隷のしつけ方

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    ローマにおける奴隷のあり方を想像して書いた話。
    奴隷は身分的なものは現在廃止されているが、形式上なくなっていても、実質上はなくなっていない。また、奴隷であっても、自由人であっても、現代社会と人間関係においては変わることはなく、普遍的な部分が多いと感じた。
    奴隷とは身分ではなく、気品がない人というのが起源だったのではないか。
    奴隷の反抗は、真正面からではなく、小さい抵抗からになる。

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    2017年01月14日
  • 奴隷のしつけ方

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    ローマ時代の人が、いい奴隷の見分け方からしつけ方まで指南してくれます。
    奴隷が当たり前に存在する社会の見方を教えてくれます。
    奴隷はだめだが、奴隷のような扱いを受けている人は今の日本にもいると思う。
    そんな事を考えながら読むと、遥か昔の人権という考えがない野蛮な時代の話(ローマ人は奴隷という存在がない他国の社会を野蛮と言っていたが)というわけではないように思える。

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    2016年07月08日
  • 奴隷のしつけ方

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    代々奴隷を扱ってきて奴隷の扱いはお手のものという架空の人物・マルクスが語る奴隷管理方法の本。ケンブリッジの教授さんこんな遊び心のある本だしちゃえるんだなぁ。

    これを読んだ誰もが思うでしょうが、現代の会社と似ている。勿論ここまではしないよってこともあるけど奴隷の方がマシじゃないのこれってこともある。

    奴隷を不当に傷つけたり殺したりが禁止されていたり、自殺未遂歴を開示しなきゃいけなかったりしたのは知らなかった。また開放された後も主人のために働くのが当たり前だと思われてたことも。この辺りもプライペートの時間って何それな会社に通じるところがあって微妙な気分になった。

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    2015年12月19日