三品和広のレビュー一覧

  • 戦略不全の論理―慢性的な低収益の病からどう抜け出すか
    日本企業の戦略が有効に機能していなかったという仮説をデータに基づいて検証しようというものだが、
    前半3章までの論証はどうも怪しい。。
    が、4章以降は真面目で有用な議論が進められている。

    以下は各章のまとめと感想。
    概ね良い本だったので、少し丁寧に書く。

    最初は「環境要因を取り除くために超長期で業...続きを読む
  • 戦略暴走―ケース179編から学ぶ経営戦略の落とし穴
    179件の戦略暴走例(多額の特別損失計上)を1ケース数ページでまとめてある。
    「暴走」にも不動産バブルに合わせてリゾート開発を行ったような例もあれば、国際化・多角化等、当時の状況をふまえれば真っ当な打ち手にも見える(実際に上手くいった競合もいる)が、最終的に撤退することになった事例について、経営者の...続きを読む
  • リ・インベンション―概念のブレークスルーをどう生み出すか
    9つの事例をもとに、「あたりまえと思っているものについて、ターゲットや進化の方向を変えて革新を行う」というリ・インベンションを説明。前半は事例の解説、後半はそれら事例を基した経営・組織論。9つの事例以外にも、日本の失敗事例などもあり。
  • リ・インベンション―概念のブレークスルーをどう生み出すか
    引き算の美学。
    ・ラジカセ - 録音機能、スピーカー =ウォークマン
    ・パソコン - キーボード、マウス、USB =iPAD
    ・扇風機 - 羽根 =ダイソン・エアマルチプライヤー
    大量生産、大量消費を前提とした製造業の時代は終わった。物質的な豊かさから、精神的な豊かさへ。テレビの画面サイズ、画素数、...続きを読む
  • どうする? 日本企業
    結果からの分析は明快だが、それでもそうなのかな・・・と思ってしまう。やりたいことが先にあり・・・というのは創業当時は皆そうで、何十年とたった会社が衰退・あるいは一時衰退後の再浮上を繰り返すのは自然な流れなような気も・・・。
  • どうする? 日本企業
    著者には意表を突く内田樹的快感を感じる。しかも実証が丁寧。成長は結果として実現するもので、目標は「事業活動を通して世の中にもたらす変化」という言語で語れ、と提言。企業が期待される貢献は「安く提供する」か「今まで無いものを買えるようにするか」のいずれか。戦略は卓越した個人の心の叫び=やりたい仕事を定め...続きを読む
  • リ・インベンション―概念のブレークスルーをどう生み出すか
    戦略論では旬な三品先生の最新本、相変わらず鋭いツッコミです。日本企業はブルーカラーをホワイト化したが、どうじにホワイトカラーをブルー化してしまった、というのは思わず笑ってしまいました。当たらずといえども遠からず。
  • リ・インベンション―概念のブレークスルーをどう生み出すか
    戦略不全の論理を読んで以来、その鋭い指摘に共感できるところが多く、気になる存在になった三品先生の最新刊。
    さまざまな事例紹介も興味深い。
    リ・インベンションではやりたいことを持った個人が先にいて、あとからプロジェクトが立ち上がるのが普通であって、安易な社内公募に走ると、顧客にそっぽを向かれるだけとい...続きを読む
  • どうする? 日本企業
    今日本に必要な企業は何なのか。
    イノベーションという簡単な解ではなく、
    イノベーションを疑ったうえで、どういうことを考えるべきなのか
    模索している。
  • 戦略不全の論理―慢性的な低収益の病からどう抜け出すか
    <本当に大雑把な概要>
    戦略は長期的にしか効果をもたらしえない以上、経営者がコロコロ変わっては戦略は機能しないであろう、ということで電機業界に関して経営者の在職年数と企業の収益性について統計的に分析したところ、有意な結果が得られた。
    また部下の管理を行う管理職と、戦略を考える経営職は分離すべきであり...続きを読む
  • 戦略不全の論理―慢性的な低収益の病からどう抜け出すか
    職場ボスおすすめ本の1つ。

    日本企業がなぜ米国企業と比べて戦略"不全"になりやすいかを説明した本。
    戦略不全:戦略があるのにそれが機能しない状態を指す
    日本企業と米国企業の大きな違いは、組織構造にあり、
    日本企業は現場が権限を持ち民主主義的な指揮系統なのに対して、
    米国企業はトップダウンで中央集権...続きを読む
  • 経営は十年にして成らず
    三品教授による経営分析だが、長任期の経営者とその期間の業績との関係性を見たもので、なかなかこういうものは見たことがない。一般的に、長任期だと老害と片付けてしまいがちだが、そうではなく、長任期に耐えうる年齢で就任した経営者を取り上げている。
    経営者は責任感が強いだけに、自分の任期中に成果を出さねばなら...続きを読む
  • 戦略不全の論理―慢性的な低収益の病からどう抜け出すか
    ・一般に企業は市場経済の供給を担う部品とみなされるが、市場と企業は実は同じ機能を司る代替的な組織であるという事をコースは看破した。大企業は市場を侵食しているというのである。
    何が違うのか。大企業の中では、指揮を受ける側も指揮を発動する側も、市場経済の原動力たる利己心を少なくとも一時的にサスペンド、ま...続きを読む
  • 戦略暴走―ケース179編から学ぶ経営戦略の落とし穴
    膨大な企業事例をもとにして、個別の問題点を深掘りしながら、共通する組織や個人の問題を抽出し、体系化した力作。著名な企業が多数登場し、非常に分かりやすく、身につまされる思いがする。
    個別事例もいいが、最後の終章の総括が更にいい。なぜ戦略が暴走するのか、経営者の立場、企業のステージなどの要因に基づき分析...続きを読む
  • どうする? 日本企業
    「経営戦略を問いなおす」や「戦略不全の論理」などで有名な三品先生の最新刊。

    現状の不景気、不幸のなかになにがある?

    どうするんだ、日本企業?
    やれるのか、日本企業?

    著者の熱い想いが終始一貫して伝わります。

    「リ・イノベンション」が今後の活路だと著者は論じてます。
    歴史に残る発明を取り上げて...続きを読む
  • どうする? 日本企業
    過去の栄光を想起させる成長至上主義ではこの先は見えず、利益なき繁忙はもう何十年にも日本の企業群に染み付いてしまっている…もっと基本に立ち返り、大きな見方の転換が必要との主張。
    個々のケースについては興味深く読めましたが、いったいどれくらいの会社が日本の中で本質的に自立していけるのかなぁと疑問でもあり...続きを読む
  • どうする? 日本企業
    序章の学者の出番についての記載が面白い!えらい学者の立ち位置がよく分かった。ヤマハとスタンウェイとの対決で、個人的にヤマハの株が落ちた。
  • どうする? 日本企業
    本書は、日本企業に対して、徹底的に否定論を貫いています。
    とても面白かったです!
    筆者は、成長、成長と成長を目標に企業活動を行う日本企業が多く(筆者は成長至上主義と呼んでいる)、本当に大切な「事業活動を通して世の中に変化をもたらす」ということを忘れてしまっていると主張しています。
    全体的に僕自身と考...続きを読む
  • 経営は十年にして成らず
    数名の経営者をあげて、会社経営を成功させるためには長期の在任期間が必要であることを共通点として分析、考察している。

    言い換えると計画を遂行するには結局自らやりきることの必要性を説いているよう。

    経営者の志の達成という視点で考えさせられる本でした。

    中にあった、
    田辺製薬 平林忠雄氏の言葉
    「利...続きを読む
  • どうする? 日本企業
    セイコーの話から面白く読み、楽しんでいるうちにヤマハで考え、ため息をついた。そしてあら、かのスペースワールドまで登場している…。日本企業が苦しんでいるのは成長至上主義をいまも続けているから。ただ売り上げを伸ばせばよいというわけではないんだなぁ。企業経営とか経済とかといった方面に疎いので、時々こういう...続きを読む