加藤幸子のレビュー一覧

  • 十三匹の犬

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    各章の主人公は歴代の犬たち(主犬公?)。帯に「札幌から北京 そして東京へ――」とあるように、これも“佐智シリーズ”の一つとして読んでいいのではないでしょうか。あのとき傍らにはこんな犬がいたんだなぁ、犬から見るとこんな感じだったのかなぁ、と想像しつつ読みました。『夢の壁』から読むと長い長い「佐智の半生」(この本では“ゆうこ”さんですが)を、犬目線で1冊にまとめた不思議な物語です。時間ができたら、佐智シリーズとこの本を比べながら同時に読んでみたいものです。

    今回、「なんで“ゆうこ”さん? “佐智”じゃないの?」と最初思ったのですが、「ゆきこ」→「ゆうこ」ということでしょうか。「佐智」はきっと、「

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    2016年09月14日
  • 夢の壁

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    星4.5
    「夢の壁」(芥川賞)
    「北京海棠(かいどう)の街」の2篇

    著者の加藤幸子さんが亡くなられたという記事を読んで、知らない作家さんだったが読んでみた。
    2作とも、幼少期を北京で過ごした著者の体験をもとにした話だと思われる。両方とも佐智という日本人少女が主人公。
    子供ですら中国人を見くだす側から、終戦を挟んで立場が逆転した様子が、街中や学校を舞台に描かれる。中国人の車引親子や朝鮮人の学友との交流も描かれる。
    そして、今はほとんど残っていないと思われる北京の胡同の描写が美しい。
    もっと、他の人にも読んでもらいたい本だった。

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    2024年05月17日
  • 十三匹の犬

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    ある一家の戦前からの歴代の犬たちと家族、そして社会状況の変化も反映された物語。
    一頭ずつ犬の目線からのストーリーがあり、続いてその犬と過ごした人間目線の振り返りがあり「あーなるほど、そういうことだったの」と読み進められます。
    人間から見ると困った犬もその犬にとっては理由があり、人間と暮らすのに向き不向きがあっただけだったり。逆に人に依存するカワイイ犬の気持ちもリアルで面白い。ありがちな犬と人との感動ストーリーのように美化されることなく、それでもお互いを大切に思う気持ちも描かれているのが良かった。

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    2022年02月06日
  • 十三匹の犬

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    13匹の犬の目線で書かれた物語。

    犬たちとかかわっている家族は、両親と娘。
    その娘が赤ちゃんの時代から老年の域に達するころまで、近くに居た犬たち。

    犬にも個性があって感情があって、犬生があるんだね、、、という1冊です。

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    2016年06月08日
  • 十三匹の犬

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    13匹の犬たちが語る人間との関係。
    13話の短編集。

    戦中戦後と、わりと最近の犬たち。
    それぞれの犬の個性と思考が違っていて楽しめた。
    犬の気持ちで書かれた本。
    犬ゆえに残酷な運命に絡めとられることもあるのだと、あらためて思い知った。

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    2016年05月31日
  • 十三匹の犬

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    自身が飼っていた犬たちをモデルにした犬目線のストーリー。
    戦時中、犬好きの父親が飼っていて交通事故で死んでしまった「赤」の剥製の頭部に始まり、13匹の犬たちの独白と飼い主たちの曰く。
    ユーコが赤ちゃんのころから、成人して結婚し、離婚し、小説家になり、子どもたちが独立した現在まで。

    ペキニーズやヨークシャーテリアといった愛玩犬から、ボーダーコリー・柴犬など中・大型犬、雑種…。犬種は様々。性格も運命も様々。
    戦中を中国で過ごし、引揚げから日本での生活と、激変する日本で人間の生活も刻々と変わり、連れ添うペットたちの運命も様々に変化していったのがよくわかる。
    自身はそれほど犬好きではないように書かれ

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    2016年04月28日
  • 心ヲナクセ体ヲ残セ

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    2012/10月
    ジーンとともに、鳥の世界を不思議な目線で語る。梨木香歩さんの本で紹介されていた。
    何の鳥だろうと想像しながら読んだが、にじとりとの幻の鳥あとがきでよんでビックリ。やはり不思議世界の住人だ

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    2012年10月20日
  • 池辺の棲家

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    これは鳥。心臓にペースメーカーを入れた初老の女性が池辺に住んでいる。夫は老母の介護で家をしばらく出ている。池に来る鳥たちを、夫婦は異なる方法で観察して愛でる。穏やかそうな60女の内面は、悪意で直接的なアホ行動に出ない分、不気味で、でもふっとほどける時がある。

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    2012年06月19日
  • 心ヲナクセ体ヲ残セ

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    小鳥の眼から世界を理解するという、ストーリー。
    ジーンは遺伝子です。


    卵の殻を破って、この世に生まれてくるのも
    ジーンの導きによって。
    そしてひとりだちし、南へと渡る。
    南の島で初めてオスと出会い、交尾する。
    命を燃やす激しいひととき・・・

    無事に卵をやどした小鳥は
    やがてまた北へと飛んで、卵を生む場所を作りはじめる。
    すべてのエネルギーを使い果たすそのときまで
    ジーンは常によりそって一心同体だったのですが、
    最後、小鳥が精魂尽き果てた瞬間、離れて行ってしまうのです。

    ジーンの関心はもはや、次の命である卵に向かうんですよね。

    それは小鳥も深く納得できることでした。
    ジーンはずっと長い

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    2010年02月16日
  • 十三匹の犬

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    タイトル通り、ある一家に飼われた13匹の犬の物語。幸せな犬もいれば、そうでない犬もいて。犬好きにはオススメの一冊です。

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    2016年09月21日