神尾秀のレビュー一覧

  • 慶長真田戦記1 九度山からの帰還

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    ネタバレ

    (全3巻まとめての感想)
     戦国時代の架空戦記。真田物。色々と真田物を読んではいたが、これまでに読んだものとは少し毛色が違った。寄せ集めの寡兵で徳川の大軍を真田の知恵で迎え撃つ、という真田物のフォーマットに従っているのだが、真田昌幸が全く信用されていない。たいていの真田物では最初から信用度MAXなので諸将は素直に指示に従うのだが、本作では全く信用されていないので指示を無視したりもする。それを解決すべく智仁親王を担ぎ上げるという展開につながっていく。多くの作品では朝廷は政治の駆け引きの道具として描かれることが多いが、本作に登場する智仁親王は前線で大暴れする。このおかげで親王が討たれれば終わってし

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    2025年12月02日
  • 関ヶ原流転戦記 大谷吉継の七刻

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     関ケ原の合戦で西軍を逆転に導くために奔走する大谷吉継の一日を描く一風変わった作品。とはいっても関ヶ原物の定石である、小早川秀秋と吉川広家をいかにして動かすか、というポイントは外していないし、むしろどうやってこの二人を動かすのかという点が強調されている。関ヶ原の合戦だけに絞ったとはいえ、「その後」が描かれていないのは少々物足りなさを感じた。

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    2012年10月01日
  • 徳川覆天記2 覇道への決意

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     あっさりと終わってしまった。もう少しシリーズが続くかと期待していたので残念。策をめぐらせつつ信長に迫っていく過程はなかなか良かった。しかし信康だけで話が進んでしまったのが少々物足りなかった。せっかく三河の武将たちが個別に動いていたのだからその部分の描写は欲しかった。隠密行動であり、また読者に対する驚きの提供のためとはいえ全く描写がないのはどうかと感じた。

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    2011年12月25日
  • 直江兼続戦記1

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    上杉家臣、直江兼続を主人公とした歴史シミュレーションものです。
    その内容は、関ヶ原の戦いにおいて直江兼続が第三の勢力を作り上げ、西軍・東軍とともに天下三分の計を成そうというもの。

    兼続がかなり腹黒く描かれており、個人的にはこの兼続は現実味があっていいのではないかと思います。
    一方で上杉景勝は寡黙な「義」の武将であり、兼続とは対照的です。兼続はこの景勝こそ天下を治めるにふさわしい器と考え、上杉の天下のために泥をかぶる覚悟で戦いを進めていきます。

    しかし物語はそのための駆け引きに終始しており、乱世をどう終息させたのか、合戦後どのような国造りを行ったのかなどが描かれておらず、やや不満が残る内容で

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    2011年10月23日